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11話 ボッチ ゴブリンの集落で暴れる

 少し調子に乗って空からちた次の日。

 俺はりもせず『はじまりの草原』にまた戻ってきていた。


 今回の目標は、【カウンター<瞬空歩>】による飛行時に【エクスプロージョン】を上手く当てて軌道をうまく制御しながら戦う練習をしようと思っている。

 更にその練習をしつつ、レベルを10まで上げるのも目標だ。


 周りは障害物がある場所を選んでいる。

 大きな岩や、木が生えている場所でモンスターがまばらにいる。

 まずは正面にいる、ホーンラビットを狙って攻撃しつつ、その直線上にある大岩を上手く避けるようにやってみるか。


「【エクスプロージョン】【カウンター<瞬空歩>】」


 体が宙に浮くと前方に加速する。

 そして、ホーンラビットをすれ違い様に初心者のナイフで切りつけると光に包まれ消えた。

 よし、ここで正面の大岩をけるぞ――


「【エクスプロージョン】」


 魔方陣を前方にセットしておき、俺の右側面に当たるようにする。

 次の瞬間、爆発が起こると俺の体が横に流され飛ぶ。

 大岩を綺麗に回避――できなかった。

 避けることはできたが右肩を少し、かすってしまった。

 

「あぶねぇー! 次は少し早めに爆発させないとな」


 俺の体力は半分ほどその衝撃で削られていた、正面からぶつかっていたら即死だろうな。

 おっと、効果が切れるまえに。


「【エクスプロージョン】【カウンター<瞬空歩>】」


 ふぅー、常に宙を飛びづけられるようにスキル時間を管理しながら、爆発によって軌道のコントロールを練習しないといけない。

 

 常に頭を働かせろ、悩むな、ひるむな、恐れるな、止まるな!

 機械になったかのように、ひたすら同じことを繰り返して修正、学習しろ。

 次は右、そこで左に回避! デビルバットに攻撃して上に飛べ! よし、だんだんギアが上がってきた気がする。

 

 自分のイメージと実際の動きが噛み合ってきている。

 後は忘れないように体に馴染ませるだけだ。

 

 それから何度も宙を飛びながら練習していると、だいぶん余裕が出てきた。

 よし、次は上空から下へ加速して地面にぶつかるギリギリで【エクスプロージョン】を放つぞ。

 漫画とかでも、こういうギリギリで回避しながら飛ぶシーンとか燃えるよな!

 

 まずは【カウンター<瞬空歩>】で上に加速して飛び、体の向きを調整して、そこで【エクスプロージョン】から【カウンター<瞬空歩>】。

 そこから真下に急加速すると、地面にぶつかる瞬間に【エクスプロージョン】を放つ!

 

「【エクスプロージョン】って、あれ? 発動しないぞ! ああっ! MP管理するのを忘れてたあああああああ――!!」


 この光景はどこかで既視感があるぞ! 悲しいことに俺の少し先の未来が簡単に予想できてしまう。

 そんなことを考えていると……予想どおり、すさまじい速度で頭から地面にぶつかると俺の体は光に包まれた。



 あれから、死に戻りして『はじまりの草原』にまた戻ってきた。

 今度から絶対にMP管理は忘れないようにしよう。

 気をとりなおして、練習再開といきますか。



 とりあえず、宙を飛びながら移動していると見つけてしまった。

 ――あれは、ゴブリンの集落か?

 

 簡素であるが、木や草を上手く使って作っている家が数十軒程度ある。

 その集落を警備するように、辺りには武具を身に纏っているゴブリンが30匹くらいいた。

 高台の設置もしており、その上から周囲を監視しているゴブリンがいるようだ。

 

 さすがに、あの数はきついから、ここは戦闘にならないように避けるべきか?

 そう考えていたのだが高台のゴブリンが俺に気付いたようで、こちらにゆびしていた。

 そのゴブリンが手に持っている法螺貝に似たものを口に含むと息を吹き込む。

 辺りに重音な音色が響くと、一斉に武装したゴブリンがこちらにやってきた。


 気付かれたなら……やるしかない。

 とりあえず地上で戦っていたら周りから囲まれて袋叩きにされてしまうから上に逃げよう。

 

「【エクスプロージョン】【カウンター<瞬空歩>】」


 爆発で体を上に飛ばしてカウンターでさらに真上へ飛ぶ。

 これでひとまず安全に――ってうお! あいつ弓で攻撃してきやがった。

 攻撃は俺の頬を僅かにズレてかすった程度で済んだが、次がくる。

 高台にいるゴブリン達が弓を構えてやじりをこちらに向けて放ってきた。

 

「パリィ、パリィ、パリィッ! ――【エクスプロージョン】【カウンター<瞬空歩>】」


 俺に飛んできた矢を一撃、二擊、三擊と【パリィ】を駆使して防ぐと高台までカウンターを使って一気に距離を詰める。

 高台の中に入ると三匹のゴブリンと対峙する。

 やつらはこの間合いでは弓が不利だと判断すると、腰に下げている袋から小型のナイフを取り出すと武器を持ち替えてきた。


 俺は右から攻めてきたゴブリンの攻撃を【パリィ】で受け流す。

 受け流した攻撃は左にいるゴブリンの頭へ当たるように調整し、正面からくる大振りなゴブリンの攻撃を【パリィ】で弾く。

 左のゴブリンは頭に仲間のナイフが当たると光に包まれ消え、正面のゴブリンは硬直時間が発生して動けないところに首筋を撫でるように切るとクリティカルが発生して消えた。

 右のゴブリンも仲間を刺したことで動揺していたところに心臓に向けて初心者のナイフを突き刺すと光に包まれ消えた。


「ふう、なんとかなったが同じ様な高台があと……五つあるな。先に片付けておかないと空中で弓矢に攻撃されてしまうから先に片付けるか」


 それから、高台から飛んでくる弓矢を【パリィ】で防いで接近すると同じ要領で倒していった。

 よし、これで、後は地上にいるゴブリン30匹くらいを始末すれば終わりだ。

 空中からカウンターを使って急降下すると地上にいるゴブリン達の一匹に目標を定める。

 頭上からそのゴブリンの頭を狙って突き刺すと光に包まれて消える。


 そして、地上にぶつかる瞬間に【エクスプロージョン】を使って、上へ体をまた吹き飛ばす。

 この要領で、上から一匹ずつ仕留めていけば囲まれることはないだろう。

 ときおりゴブリン達が持っている武器や落ちている石を投げてくるので、それらを【パリィ】で防ぎつつ、頭上から奇襲をして少しずつ数を減らしていく。


 ああ……こう何度も繰り返さないといけないなら広範囲を攻撃できるスキルとか欲しい。

 今はSPが足りないからまだ覚えられないし、武器が短剣だから攻撃範囲狭いからな。


 おっとと、MPの管理も忘れないようにしとかないとな、前回の失敗を生かさないと。

 俺はアイテムボックスから回復ポーション<小>を取り出すと飲む。

 別に飲まなくても体に液体を垂らしても回復するのだが、なんとなく気分で飲んでいる。


 よし、なんだかんだで大分ゴブリンの数も減ってきたし集中力を切らさずに頑張るとしますか。

 ゴー! 一匹、二匹、三匹、四匹、五匹、六匹、七匹、八匹、九匹――


「これで、ラストォォォオオオオオオ!!」


 そして最後の一匹の頭に初心者のナイフを突き刺すと光に包まれて消えた。

 

「よしぁあああああああああ!! ……やっと終わった。長い戦いだったぜ」

 

 心地よい疲労感にそのまま地面に寝転びたかったが、そのまえにゴブリンのドロップアイテムを回収しないと消えてしまう。

 地面や高台にある武器やアイテムを無心で回収していくが、思っていたよりも多くて結構しんどい。

 時間経過で何個か消えてしまったが、概ね回収することが出来た。


 粗末な短剣、粗末な弓、矢、粗末な長剣、粗末な手斧、おたま、おなべのふた、ボロの布きれ、回復ポーション<小>、MP回復ポーション<小>など色々手に入った。


 そして、目標であったレベル上げも大量のゴブリンを倒したのでLV10になっていた。

 さっそくステータス更新タイムといきますか!


職業<影法師ドッペルゲンガー>LV10

 HP:450

 MP:450

 ----------------------------------

 攻撃:115(+60)

 防御:0

 魔攻:0

 魔防:0

 速さ:0

 ----------------------------------

 e:初心者のローブ(防御+0)

 (耐久:無限<初期装備>)

 e:初心者のナイフ(攻撃+5)

 (耐久12%)<初期装備>

 ----------------------------------

 FPフリーポイント0P

 SPスキルポイント60P

-----------------------------------

 スキル:【パリィ】

     【カウンター<瞬空歩>】New

     【エクスプロージョン】New

-------------------------------------

 ついに、攻撃力が三桁いきましたぜ!

 努力が数値として反映されるのはモチベーションあがるな。


 現実でも数値が見えれば、武術の修行も頑張れるのに。

 親父もまだ帰ってきてないから少しくらいサボってもいいだろう。

 このゲームが楽しすぎるのがいけないんだ!

 だから俺は悪くない、現実逃避しよう。



 それにこれで条件が揃った。

 レベルを10まで上げたのには理由がある。

 それは―― 

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