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8/9

その8 (特異?)体質

手術後の回復は順調すぎました。

 手術終了が8/22日13時半ごろ、その翌日、23日水曜は朝からすっきり。相変わらず術後の痛みはない。硬膜外麻酔ついてるせいかもだけれど、あってもこれ痛い人は痛いからな。

 朝はバタロール2個にサラダなどもついておかずも品数豊富。今日は普通におなかもすいたし起き上がってもめまいはない。おそるおそる少し食べてみる。病院食と思えない美味しさ。

 朝の検温で39度近い熱発があったため、念のために抗生剤の点滴と、それが終わったら鉄剤を点滴することになった。熱だけなら強いので術後の痛みもないし普通に動ける。持参したノートPCをひっぱりだしてきて開き、ニュースサイトやメールを見ていると回診の時間。傷の具合を見、終了。回診は朝10時ごろと夕刻15時ごろの2回ある。


エビグラタン レモンティ キウイなど豪華な昼食のあと、鉄剤の点滴を引っ張って、もはや普通にスタスタ歩けるわたしは1Fの売店(病院の売店はなんと某コンビニである)に行ってみた。

 まあ、どう見ても一昨日開腹して臓器2つとってる患者じゃないよね。


ちょっとオヤツを見てみたら、シフォン生地にクリームサンドの軽い感じのデザートがあったのでそれと気管支挿管後の喉がまだ多少イガイガするのでのど飴をゲット。もと来た道を歩いて帰る。看護師さんが見えたので手を振って挨拶するとびっくりされた。まあそうよね。


 自分の病室に入ると、妹が突っ立っている。


「あれ、来たんだ?」

「姉ちゃん!?」


後ろから声をかけるとびっくりして振り返った。


「おばちゃんからすごい具合悪そうだって聞いたから……」

「あー、昨日一昨日は麻酔酔いでひどかったよー。最初なんか目も開けられなかったし」

「もうそんな歩けるんだ?」

「うん、痛みないしね。歩いてねって言うから1F売店に買い物に行ってたよ」

「強いのはしってたけど、ここまでとはねー」


といいつつ、これなら大丈夫かなと駅前のコンビニでプリンを買ってきてくれたという。わたしが買ったケーキは2個入りだったので、一個食べる? と妹に勧めた。見舞いに来た人が患者が自分で買ってきたケーキを振舞われる。妙な風景だよねという自覚はある。もらったプリンは冷蔵庫にしまった。いやあこの家具、ほんといいなー。しばらく雑談して妹は仕事に戻っていった。


 翌水曜24日の10時の回診。


「お、元気そうですね! 痛みませんか?」


明るい声とともに入ってきたのははじめてお見掛けする男の先生。


「大丈夫です」

「じゃちょっと傷の様子を見ますねー」


腹帯を外して創部の診察。


「んー、ドレーン何も出てないね、外しましょう。傷の付きもいいですねー」


空の袋付き熱帯魚のビニール管みたいなのを根元からチョキン。エアチューブっぽいこれも溶ける素材なのか。


「痛まないようなら、歩いたりしてくださいね」


……抜管予定は本来の予定表では週末の土曜で入浴予定もそこからだったけど、ものすごく早くに可能になったようだ。

 もともと傷の治りの速さは尋常じゃないのは知ってたけども。って、腹帯そんな早く交換すると思ってなかったから買ってないよ! 1Fの売店に行ってみる。


「あー、すみません。こちら品切れのようで……本館の売店にはあるかと思いますが」


まさかの腹帯売り切れである。本館かー。いったん入院棟を出て、道路渡った反対側だ。点滴菅を引っ張って本館に入る。館内地図を見るとなんと一番奥だ。だがさすが本館、商品がすごく多い。ちょっといろいろ眺め歩いて腹帯も無事購入し、自室に帰る。


 入浴は病院内の浴室(予約制)も使えると言うが、気兼ねしなくていいので自室のシャワーを使うことにした。看護師さんにおなかの傷のガーゼの上に透明なラップみたいなシートを張ってもらい入浴準備オッケー。新しいタオルとパジャマを受け取って髪を洗い、体も洗ってスッキリ。


 スカイプとメールで友人たちに無事もうシャワーだよーと伝えると体質を知っている友人たちは「さすがサイボーグ」「ナノマシン搭載型ですか」などという軽口が返ってきた。まあ、また驚異の回復伝説になるよねこれ。


 そして翌日の朝の回診で硬膜外麻酔も外れた。熱も下がったのだった。

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