その4 手術前検査
造影剤CT検査は予備知識はあるものの、初体験だ。同じ日に胸部CTもあれば楽だったのになと思う。再診機にカードを通し、あとは直接検査専門の受付に向かう。受付票を渡してベンチで待つ。おそらく予定予約は余裕をもっているのだろう。さほど待たずに呼ばれる。
「注意書きにもありますが、造影剤を注入時に灼熱感を感じることが多いですが、異常ではありませんので。
それ以外で気分が悪いなどあればすぐにおっしゃってくださいね」
私より少し年上かなという物腰の穏やかな女性と30代かな、若い男性が丁寧に説明し、CTのストレッチャー(でいいのだろうか)に横になってくださいと指示が出る。
腕に自動点滴菅がセットされる。
「では造影剤を入れますね」
驚いた。注射とほぼ同時くらいに腰や腹部などに局地的な熱感が一気に生じる。温熱カイロの一番温まったものが貼り付けられでもしたような感じだ。注入が終了するとストレッチャーはCTの中に吸い込まれ、クリーム色の筒の中に首まですっぽり入る。
MRIと違い放射線撮影であるCTは時間がかからない。ただおそらく過度の緊張と驚いたことで軽く過呼吸の前駆発作の吐き気が生じた。造影剤の副作用だとまずいので気分が悪いことは告げ、しばし様子見。
「副作用によるものではないですね、大丈夫ですか?」
「だいぶ落ち着きました、はい、ご迷惑をおかけしました ありがとうございます」
「お一人で帰れますか?」
「大丈夫です」
「お気をつけて。お大事になさってくださいね」
しばし休んだのち、会計に降りて書類を出す。5分と待たずして自分の受付番号が会計終了の電子掲示板に表示が出た。支払いもATMのような機械の指示に従っての自動会計だ。わからない人向けには対面窓口もある。こういうシステムを各病院取り入れられれば待ち時間が減り、患者のストレスも大いに軽減されるのだろうが、電子カルテ化も手間も時間も、そして莫大な費用かかるため、なかなか難しいのだろうな。一度導入すれば病院側も大きな経費と時間節約にはなるのだが。
その数日後に再びCT検査室に行くと、先日の女性(看護師さんかな)が声をかけてくれた。
「あのあと、大丈夫でしたか?」
「はい、大丈夫です、ありがとうございます」
「今日は普通のCTなので問題ないと思います」
今日は特に何もなく筒に吸い込まれて撮影終了。
まだ執刀医も手術の日程も未定だが、卵巣腫瘍はサイズがある程度あれば確実に手術。まして今回は卵巣だけでなく子宮もという可能性まで出てきた。面倒なことになったなあ。
母のこともあるが、万一の場合一番心配なのはオカメインコである。人懐こく大人であれば一緒にいてくれる人さえいれば満足な子なのはいい。
置いて行かれて不満そうな小鳥を撫でながら、ネットコミュニティで里親募集のある所にいくつかブックマークをつけておいた。




