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王妃専属ガーデナー  作者: 瑛美(あきみ)


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辿り着いた答え

後半、少々甘々(?)です。

 冬仕様のベッドはふかふかで暖かったです。

 王宮の部屋に着いた時には、眠さが限界で、「ドレスじゃないからこのままでもいいかしら?」と、思い、着替えずに寝てしまいました。


「わたし、どのくらい寝ていたのでしょう?」

 目が覚めると、メアリがいました。

「2~3時間くらいでしょうか。少し早いですが、昼食を兼ねましたお茶にしましょうか?」

「そうですね。お願いします」

 昼食を頂いていませんでした。

 朝も寝不足で食欲があまり無く、果物を少しだけでした。

 

 食事が用意されるのを待つ間、シワが付いてしまった服を着替えることにしました。

 衣装部屋には、多くの服があります。実家から持ってきた衣装もあれば、王妃様から頂いた衣装もあります。夜会の為に仕立てていただいたドレスも・・・。

 ワインレッドのシンプルなワンピースを選んで着ました。



「マリー様、まだお悩みなのですか?」

 食事中も上の空で、ため息をついているわたしにメアリが尋ねてきました。

「頭の中で考えるよりも、言葉にされたほうが以外と早く解決したりするものです。私の事は空気だと思って、話て下さい」

「そうね。でも、後でちゃんと意見をちょうだい。わたしでは気付かない事があるでしょうから」


 わたしはメアリに王妃様の部屋での出来事などを話しました。


「・・・・・・」

 わたしの話を聞き終えたメアリは、考えこんでいます。

「マリー様、発言よろしいでしょうか?」

「ええ、お願い」

 メアリの表情はかなり真剣です。

「マリー様は、エドワード様の『お妃』発言は、マリー様が婚約してしまえば、婚約者選びの話が無かったことになるとお考えてのことだと思っているわけですね?」

「ええ。エドワード様はわたしが夜会が苦手なのをご存知ですから。それに、サイラス様の『提案』の内容を知らなかったみたいですから」

「では、次です。エドワード様にサイラス様の『提案』については、秘密にしたかったのですね」

「でも、王妃様のお言葉で知られてしまいました。たぶん、戻られてすぐにサイラス様本人からお聞きになっているのではないのでしょうか?」

「では、何故、マリー様は秘密にしたかったのですか?」

 メアリから質問されてしまいました。

「何故・・・でしょう?エドワード様とサイラス様は仲がよろしいから・・・?」

 

「マリー様。もう少しで答えが出てきそうですね。後は一人でお考え下さい。では、私はこちらを下げてきます」


 メアリがお茶や軽食の乗ったワゴンを押して部屋から出て行きました。

 他の侍女も気を利かせて退出し、部屋の中はわたし一人だけになりました。


 何故、わたしはエドワード様にサイラス様の『提案』ことを秘密にしたかったのか?

 サイラス様は『提案』とおっしゃっていましたが、メアリは『求婚(仮)』と言っています。

 確かに、了承したら正式に求婚するとおっしゃっていたので、メアリの表現は正しいのかもしれません。


 サイラス様は素敵な男性かたです。

 一緒にいて楽しいと思える男性です。

 正直、サイラス様の『提案』は、わたしにとって悪くはないもので、前向きに考えてはいました。

 ただ、すぐに了承することが出来ませんでした。躊躇ってしまっているのです。


 考えごとをする時に、無意識に左手首を握っていました。

 ああ・・・、手首ではなくて、ブレスレットを握っていたようです。

 庭作業の時以外は、ずっと着けている、ピンクとグリーンの石のブレスレット。エドワード様からプレゼントされた物です。

 本当に、わたしは何を悩んでいるのでしょう?



「マリー様、図書室に新しい“異国の植物図鑑”があるそうですよ。鍵も開けてあるそうです」

「まぁ、“異国の植物図鑑”ですか?早速、参りましょう」

 気付き始めた自分の気持ちを誤魔化したくて、現実逃避をすることにしました。



 久しぶりの図書室です。

 やって来て、失敗したと思いました。

 現実逃避が出来ません。どうしても思い出してしまうのです。エドワード様のことを。


「ごめんなさい、メアリ。自分から言い出したことですが、やはり、帰りま・・・」

 本棚の間から出てきた人物を見て、動きが止まってしまいました。

「マリー!!」

 名前を呼ばれたことで、我に返り、この場から逃げ出したくて入口の方へと向かおうとしましたが、それよりも早く腕をつかまれてしまいました。

 メアリに助けを求めようとしましたが、すでに出て行った後らしく、ドアの閉まる音がしました。

「また、私を置いて逃げるのか?バラ園の時の様に・・・」

「エドワード様・・・」


 わたしはエドワード様の腕の中にいました。

「母上の部屋での事を後悔していた」

 胸が痛みました。

「サイラスのことを知らなかった所為で、マリーを困らせたようだ・・・」

 違います。

「マリーの気持ちを考えずに、発言してしまったことを許して欲しい」

 嫌です。

「あの発言を取り消したい・・・」

「・・・何故です・・・?」

 エドワード様の顔を見上げます。自然と涙があふれてきました。

「・・・っつ。あの言葉は、勢いで言うものでは無い。いくら本心であろうとも・・・」

 エドワード様の指が、目じりに溜まったわたしの涙をぬぐいます。

「マリー、改めて言わせて欲しい。私の『妻』になって欲しい」

「!・・・」

「俺の我儘を聞いてもらえないだろうか?サイラスではなく、俺を選んでくれないか?」

「わたしは・・・・・・」

「・・・?」 

「エドワード様が良いです・・・」

 エドワード様は、一瞬驚いた表情を見せた後、私を抱きしめる腕に力をこめました。

「マリー、ありがとう。愛している・・・」

「はい。わたしもです・・・」

 

   



やっと二人をくっつけることが出来ました。

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