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常識と非常識

見て頂きありがとうございます。(^◇^)


PK防止機能。つまりプレイヤーキル防止機能です。



ゲームシャングリラでもPKが彼方此方で行われていた時期があったのですよ。

運営側はその都度改善したりと、対応に追われてたです。

その地道な努力の甲斐があり終息の兆しを見せ、純粋にゲームを楽しんでいる他のプレイヤーたちも、やっと安全にプレイ出来るとホッとした時に、なんと相手の武器を奪ってキルする事件が多発したです。

既に許可されたイベント以外で、自分の武器道具を使って相手プレイヤーをキル出来ない機能は付けられていたので、これは完全に逆手に取った事態だったのです。


運営側は怒ったです。


やっと撲滅したと思った矢先に、また新たな手口でキルするのを楽しむ彼らに。

その時の掲示板はそれはもう荒れ狂い、終いには悪魔召喚の儀式にまで手を出そうとしたスタッフたちの呪詛の日々が載っていたです。

恨みつらみの書き込みは、下手なホラー小説よりゾッとしたですが、面白半分にキルしていた大半のプレイヤーは、あの書き込みで身の危険を感じたとかで激減したといわれてるので結果的には良かったですか?

怒りに燃える運営側が取った措置は、相手の武器を使ってキルするなんて、人間のする事じゃないよね☆と相手の武器でプレイヤーキルしようとした場合は、即死効果を付けた上、ブラックリスト入りの脱退措置をとったです。

キルする相手が一番悪いですけど、情け容赦ないのですよ。


私も一度見た事があったですが、今まさにあれと同じ現象が起こったです。

久々に見ましたが、恐っ!です。

実際に痛くも苦しくも無いらしいですが、即死効果とは言いつつ、もがき苦しむ様を設定をしているらしく(運営側の憎しみが垣間見えるです)、断末魔と共に消えていく恐怖映像により、一部にちょっぴりトラウマを残しつつ、キルは撲滅したのです。


懐かしいですねぇ…ほえ…?何故皆さんずっと私を見つめているです?

…そ、そう言えば、勇ましくモンスターに向かったのは覚えてるですけど、その後どうなったのですか?

こちらに近づいて来たモンスターの恐ろしい形相にプッツン、と意識が無くなったですが、それから記憶が無いです。

気が付いたらラウドさんに抱き締められてたですけど、、、も、もしかして気絶してラウドさんに助けられたですか?……あんなに勇ましく出たのに?、、は、恥ずかしいですっ。


誤魔化す様に慌ててスタスタとその場を離れ、近くに落ちていたドロップ品の半魚人マーマンの鱗とマイ草刈り鎌をしまってから、スカートの裾を手で直してニッコリと笑ったですが、皆さんはジッとこちらを見るだけで一言もフォローが無いです。


…………あう…。


そ、そんなにドン引きする姿だったです?

でもわ、私だって、が、頑張ろうと思って……怖かったですけど、守ろうと頑張って、、……なのに……。


う、、。


「…う、う、うえぇぇぇんっっ!!」


ゔゔぅ。そ、そんな遠巻きに見るなんて酷いのですよぉっ。


「おわっ?な、泣くなお嬢」

「ごめんっファム姉ちゃん!泣かせるつもりは無かったんだよ。ただちょっとだけ近寄り難くて」

「ゔえええぇぇーんっっ、むぎゅ」

「すまないねファムちゃん。アンタは旦那や皆んなの命の恩人さね。あたしたちは何ビビってるんだか。ファムちゃんはファムちゃんなのにね。ほら!アンタたちも謝りな!」

「な、泣かないでおくれ、おじさんが悪かったよ。えっと、、おお、あったあった。マカロン食べるかい?好きだろう?」

「お、俺もマカロン持ってるぞ!」

「私も常備しています」

近寄り難いって、そこまでドン引きすることなのですかっ(泣)

女将さんのふくよかな胸で一頻り泣いた後、気が付けば目の前には、お供え物の如くマカロンが山積みされてたです。…ふ、ふんっ!お菓子ごときで懐柔できると思われているなんて心外なのですよっ。乙女心は深く傷ついたです!……マカロンはありがたく頂くですが。

…あ、これ期間限定のマンゴーと紅茶のマカロンですよ!見た目も可愛くて、とっても美味しいのですよ!





誰もが一度は夢見る(?)マカロンタワーを制覇したです。「すげぇ、全部食ったぜ」「胸焼けしそうだ」…外野うるさいですよ。

マカロンは軽いサクサク感と程よい甘さが口の中で解けてやさぐれた気持ちが落ち着くですねぇ。

幸せで………あれ?…まだ侵略の途中じゃないですか!?…この辺りのモンスターは全て討伐したとかで、今は小休憩ですか。

あんな数のモンスターを倒すなんて本当にラウドさんは凄いのです。


私にも出来ることはないかと見回せば、フッとラウドさんの持つ双剣の刃がボロボロなのに気付いたです。

「ラウドさん、その剣…」

「ん?…ああ、これか。ここに来るまでに結構無茶な使い方をしたからなぁ。ま、俺が未熟なだけさ」

皆さんを助ける為に急いで駆け付けてくれたですね。

それに比べて私は…クスン。…あ、そうです。汚名返上!今度は道具無双アイテムチートするですよ!

グルリと周囲を見渡せば、やはり皆さんの武器も折れたり刃こぼれが酷いのです。よし!ここは武器提供するですよ。

「私、武器をたくさん持ってるので、皆さん使ってくださいです。

まず最初にラウドさん、手を出してください。片手じゃなくて両手です。…ありがとうございます…武器武器、剣、、有りました。はい、譲渡完了です」

「……ちょっと待てお嬢。何だこいつは」

「これです?代わりの剣です。私は使えないのでラウドさんが貰って下さいです」

「いや、そういう意味じゃない!こいつはヤバくないか!?」

「酷いです!私がラウドさんに呪いの剣を渡すわけないですよ。これは、、あれ?名前って何でしたです?一応私たちは簡単に妖精剣と呼んでたですけど」

「…………………妖精剣?」

「妖精王オーベロンと妖精女王ティターニアがそれぞれ創生の炎と終焉の氷を素材に星竜のブレスで鍛え上げたと言われてるです」


ぶふっ、と全員が一斉に吹き出したです。うぇ汚いのですよ。


因みに友人から仙桃の代金の代わりに頂いたのですが、私も家族も双剣のスキルは持っていなかったので仕舞いっぱなしなのでしたが、ラウドさんの武器が双剣なので無駄にならなくて良かったのです。

あ、まだまだ有るですからね。

「えっと、後は〜弓を使う女将さんには世界樹から作った弓矢と、錬金術士のニッチさんにはセフィロトの杖と、、槍を使うハロルディさんは海神ポセイドンの三つ又の矛と、後は斧を使うミンツ姉様には終末戦争ラグナロクの「お嬢、ストップだ」…ほえ?」

「…はぁ。お嬢の気持ちはありがたいが、スケールがでか過ぎる。他にもっと普通の武器はないのか?つーか、コレも返すぜ」

「あ、それは無理です。もう譲渡完了してるですから、ラウドさん専用になってるです」

「はあっ!?専用ってなんだ?」

「こう、頭の中にピコーンと音が聞こえませんか?…聞こえませんか…あ、もしかしてプレイヤー同士じゃないとダメです?…やっぱりラウドさんから譲渡は無理そうです。減るものじゃなし諦めて使って下さいです」

「寿命が減るわっ!大体コレ神級遺物アーティファクトだろうがっ」


アーティファクトってなんです?

これはイベントやダンジョンで入手できる普通の武器なのですよ。

レアとはいえ国家規模で狙われるなんて。ふふふ大袈裟なのですよラウドさん。

でも本当に普通の武器でいいのですか?性能が良い方がよくないです?…そうですか皆さん嫌ですか。でも普通の武器なんて……あ、あるですよ。



人除けをしながら通りにちょっとしたスペースを作るです。

皆さんが見守る中、手を天に突き出しました。

むっふふふ。驚けっ!なのですよ。


「ジャーーンッですよ!出でよっ千本刃!」


何も無い空中から逆さまに出現した、空一面を覆う剥き出しの刃。

その無数の武器がザッン、と地響きと共に地面に突き刺さったのです。


ぽかーんと皆さん驚いてるですね。

むっふふふ。やっぱりカッコいいのです!

これぞシャングリラが誇る伝説の歴史絵巻イベント!その中でも約95%を超えるゲームユーザーたちがこぞって参加した千本刃のイベントで入手したネタスキルなのですよ。

ラスボスの武蔵坊弁慶を倒すと、彼がコレクションしている千本刃を貰えるイベントがあったです。

但し無茶苦茶攻撃力がありそうな演出とは比例せず、串刺し攻撃はスライムやゴブリンといった低級のモンスターしか通用しなかったですが。

勿論、武器としての使用もできるです。

イベントをクリアしたプレイヤー全員が貰えるので、攻撃力は無いものの派手な演出に心躍らせた中二病患者たちの召喚する光景が、シャングリラの彼方此方で見られたものです。



「どれでも自由に使って下さいです。単純に破壊不可や俊足、一刀両断とか妖精召喚とかしか付与されていない普通の武器なのですよ」


「「「「「普通じゃない!!(ねえよ!)(です!)」」」」」




えー?普通ですよ。




ゲームで双剣士があった場合、迷わず選ぶくらいは大好きです。

因みに私の好きな某双剣士は、何故扱い難い二刀流を選んだのかと問われ、

一本で100の力なら、二本で200と名言を残し、その思い込みのまま我流の二刀流剣術を体得していました。(笑)

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