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恐怖の始まり
明日のあたしへ
この手紙を読んでいるということは、よかった。まだこの世界にいるんだね。
いくら苦しくても諦めないでね。
そして明日の為に、生きている意義を見出すために、絶対にこの手紙を書くことを忘れないで。
それじゃ、今日も楽しんで生きてね。
昨日のあたしより
院長先生はこの手紙を病室のくずかご入れの中から見つけました。そして、静かに涙を流しました。
それは少女が息を引き取った4日後の出来事です。
「せめて原因が分かっていたなら……全て私の力不足なのだ」
院長先生は紙に涙を滲ませながら、たいそう悔やんでおられました。
それからさらに4日後、この病院で不可解な事件が起こりました。
「患者さんの人数が、4人足りないんです」
to be continued




