第1話〜日常〜
「柴田・・・・・・おい、柴田・・・・・・」
ぼんやり聞こえる。起きなきゃ・・・・・・
「おい。こら。授業中居眠りなんかして」国語担当岡村が目の前にいる。
「せんせ・・・・・・。すみません・・・・・・」成幸は寝ぼけながらいった。
近くの女子生徒がクスクス笑っていた。
「柴田。後で隣の教室でな」チャイムが鳴った。
岡村が教書で軽く成幸の頭部をはたきながら、待っとるぞ。といった。
くそ・・・・・・
5分間の説教は異常に長く感じられ、早々下校しようとした。
「柴田くーん」隣のクラスの早川奈留。
「あれ?珍し。1人なん」成幸の横にまわる。
「う・・・・・・うん」怒られてたっていえない。
「じゃ一緒に帰らん?1人だと危ないやろ」
おまえにいわれるとこっちの立場が無いだろーが。
「ごめん。今日塾なんや。早川みたいなノロマ付きあわされるとこっちが迷惑なんでね」
成幸は足早に去っていった。
「成のばーか・・・・・・」奈留は呟いてみたが成幸には届くはずがなかった。
塾というのは嘘。これから宮崎の家に行って新作のゲームでもやらせてもらおう。
「成幸!あんた高3やろ。宿題もせんで」母が怒鳴ってるけど無視!
それから奈留からの電話は1度もこなかった。
正直ちょっと気にしてたけど。
いつも電話かメールがくるのだ。
そう思ったときメールがきた。『ばか』
「ックク」息をこらして冷ややかに笑っていた。
怒ってるな。早川。
早川奈留とは恋愛対象としては見ていない。
そう、ただの友達。