表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/27

序章 the pre moon

 授業が終わり、教室から次々と生徒が吐き出される。

 今日一日の管理と束縛からの解放――『放課後』と呼ばれるこの時間帯を、皆好き勝手に過ごしてゆく。

 ある生徒は帰途を急ぎ、別の生徒は級友との雑談に花を咲かせ、また別の生徒は己の所属する部活練習へと向かっていく。さらにその数時間後には部活練習も終わり――


 ギターケースを担ぎ、自転車で風を切る軽薄そうな少年がいる。


 その自転車の後ろを陣取り、栗色の髪を棚引かせる少女がいる。


 後輩に声をかけられ、相談事に乗ってあげる大柄な少年がいる。


 校舎の屋上で、皆と群れることを嫌って一人でいる少年がいる。


 後輩の()と共に帰る、意思の強そうな顔立ちをした少女がいる。


 依存と不安を内側に秘めて、先輩を見上げる小柄な少女がいる。


 中庭のベンチに腰掛け、月光の下で、パンを頬張る少年がいる。



 その誰とも関わらず、うつむいて帰途を急ぐだけの、僕がいる。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ