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第四章 the fourth moon 15

 翌日の練習は、休むことにした。

 そりゃそうだろう。これだけの怪我では、練習どころではない。否、痛みはだいぶ和らいでいるのだけれど、見た目がひどいのだ。体の傷は、服や袖で隠すこともできるけれど――普段から長袖で通していたのが、ここに来て功を奏した――顔はそうもいかない。醜く腫れ上がった顔を公衆に晒して、痛くない腹を探られるのも業腹だ。

 練習を休む旨を学校に告げ――影の薄い顧問教師は渋い顔をしていたみたいだけど、夏風邪をひいたと言ったら取りあえず納得してくれた。僕の需要など、その程度だ――一晩かけて練り上げた計画を検討する。無理がないか、破綻してないか、状況の変化に対し、柔軟に対応できるものか――ノートにまとめ、懸念事項を書き出し、細かい修正を加えていく。計画が現実性を帯びるに連れ、僕の興奮度合いは増していく。実行するのが楽しみだ。

 午後になると、顔の腫れはだいぶマシになっていた。多少違和感はあるものの、見られないレベルではない。僕は身支度を整え、外へ出た。三駅離れた市街地に出かけ、必要な小道具を揃えていく。

 今日はこんなモノでいいだろう。本番は明日からだ。

 窓から見上げる月は、昨日より丸みを帯びている気がした。

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