6 ヒロインの独白
「あいつらの言うとおりあたしなんて生まれてこなけりゃ良かったのかなぁ」「あたしさ、いつもいつもお前なんて生まれてこなけりゃ良かっただとか、お前は私の失敗作だ、お前の顔なんざ見たくない、さっさと失せろとか、お前なんて何で生まれてきたんだ、お前にいきる価値はないみたいなこと言われてさぁ、回りに相談したこともあったよ?でもあいつら外面だけは良いからだぁ~れも信じてくれなかった、多分あたしが子供だって言うこともあって皆子供の戯言だと思ってあいつらにこんなこと言ってるけどいいの~?みたいな感じでチクるやつもいたその度に怒鳴られた。唯一信じてくれた友達………元友達がいたけどその子はそんなことでそんななってんの?、世の中にはあんたより不幸な人はいっぱい居るのに皆頑張って生きてるんだよ?そんなことでへこたれてちゃダメだよ!そんな…そんな簡単に言うんじゃない、世の中にはあたしより辛い目に遭ってる人はいっぱい居るのは理解してる、でも!それでも!あたしの苦しみがなくなる訳じゃない!あたしの苦しみが減る訳じゃないのに!そんな…そんな簡単に言うんだったら変わってよ…あたしもあんたみたいに家族に愛されたいよ……自殺しようかなと思ったこともあった、いや、しようと思ったんじゃない、したんだ、だけどできなかったんだ、一回目は首を吊って死のうとした、だがロープが千切れ失敗、二回目は川に溺れて死のうとした、だが偶々釣りを楽しんでいた子達へのとこへ流れてしまって救助され失敗、三回目は川がダメならと思って海で溺れて死のうとした、でも釣りをしていた漁師さんに救助され失敗、四回目は埋まって死のうとした、でもあいつらに見つかり失敗。あいつらに殺して貰おうともしたけどいつの間にかあたしが泣いてすがって謝って許しを乞っていた。だからあたしはもう死ぬのはやめて諦めちゃった。もう何もかもね。あたしさ、ちっちゃい頃はあのクズに本気でいつか愛して貰えると思ってたんだ。あはは、あたしってほんとに馬鹿だよねアレに本気で愛して貰えるわけ無いのに。
あたし、あたしってさ………何なんだろうね………ホント……」「………その独白はもう終わった?」「………ゴメン、黙って聞いてもらって…」「別に?構わないよ、溜まってた毒は吐き出せた?」「うん、大分からだが軽い」「……そっか、なら良かった」「ねぇ、貴方に提案があるんだけどさ」「うん」「一緒に来ない?私達と、貴方を養子として引き取ってくれそうでちゃんと愛してくれそうな家に心当たりがあるの、だから一緒に来ない?」「…………いいの?」「逆にダメな理由がある?」「え、でも、あたしはアイツの失敗作で、要らない子でどんなに頑張ってもダメだったのに……生まれてきたことが間違いだったのに……生きる価値……無いのに」「そんなの誰が決めたの大体何その自己肯定感の低さ、貴方は私から見ても世間一般的に見ても十分見た目も綺麗だし聡明だと思うよ。まぁ、私には遠く及ばないけどね!オーホッホッホッホhohohoho」「ふふっ、ふっふふいやそれどこのサンタ」「で、どうするの?」「そんなの決まってるでしょ?これから宜しく」「りょーかい。じゃ、これからずっと貴方でもアレだし名前は?」「私、名前で呼ばれないからあんまり覚えてないけど……シオン……だった気がする」「シオン?へー、何だか中性的な名前だねちなみに私はアリシア、アリシアでもアリでもリアでもリジーでもシアでもアリーでもアリアでも良いよ」「うん、アレが思ってた性別と違ったときに考え直すの面倒だからってどっちでもおかしくないこれになったらしいよ」「へークズだね」「うん、クズでしょ。だからあたしはアレが付けたこの名前が嫌いなの、だから、…………リジーが決めて欲しい」「分かった、じゃあ…アイビーとアラマンサスで…………アイラ……アイラはどう?」「アイラ……これが………私の名前………アイラ……うん!気に入った!ありがとう!。でもなんでアイラなの?」「あぁ、アイビーとアラマンサスを組み合わせてアイラになったのはわかる?」「うん」「なぜアイビーとアラマンサスなのかと言うと………」「言うと?」「花言葉だね」「花言葉?」「うん、まず、アイビーとアラマンサスで共通している花言葉が不滅」「不滅……うん、私達は不滅だよ!」「うん、ありがとう。次に個々の花言葉だけど、アイビーは友情、永遠次にアラマンサスは粘り強い精神って感じだね」「友情、永遠、粘り強い精神……うん!気に入った!私達にピッタリ!」「良かった、ありがとう、何て言われるかヒヤヒヤしたよ…てか何で私達こんなに仲良くなってるんだ?」「あれじゃない?魂の共鳴的な。知らんけど」「おい、知らんけどて責任はとれないけど発言したいヘタレが言う言葉やん」「お~い、シア~?……っお居た~なにしてんの?」「あ~これは~あの~かくかくしかじかということでして」「あ~なる程な」「それで魂のサムシング的な感じで仲良くなったこの子の引取先を探す手伝いをすることになったと」「Exactly」「はぁ~えっと、名前は?」「アイラです」「アイラさんだね、僕はリチャード。宜しく」「……宜しくお願いします」「何か僕警戒されてない?」「あれ、結構気が強い子だったと思うんだけど」「うーん、魂の繋がりのサムシング的な感じでいきなり仲良くなれただけかな」「そう言えば夜ご飯どうする?」「あぁ、店、予約してたんだよ」「へぇ~どこ?」「あぁ、回りからも評判良い店なんだよ」「え~どこどこ?」「あぁ、海鮮食堂ガードナーって所なんだけど」「あ……それ…」「どうした?」「アイラの家がその海鮮食堂ガードナーって所なんだよね………」「マジ?」「マジマジ大マジ」「どう……する?」「食堂の予約は取り消してどこかいくしかないよね」「と言ってもどこ行くんだ?」「大丈夫良いとこ知ってるから」「えどこ?居酒屋マリー」「「居酒屋!?」」「うん、そだよ。ちっちっちっちだけど侮っちゃぁいけないたかが居酒屋されど居酒屋、居酒屋なのにおつまみ以外の東洋の料理や普通に西洋の料理も充実しててそれにお酒もおつまみもちゃんと充実しててただの居酒屋と名乗るにはもったいないくらいのスペックなんだよ!」「何でんなこと知ってるんだよ!?」「さっき向こうに居る人たちが話してるのが聞こえて……」「えなに!?あの距離でも聞こえるの!?」「あ…うん耳良いから」「まぁ良いやじゃあその居酒屋マリーってところに行くってことで良いか?」「うん」「リジーがそう言うなら」「よし、じゃあそこに行くとしますか!」
~少女(その他一人)移動中~
「いぇーい、着いたー!」「いや………シア……速い……待って……置いてかないで………」「……り……じぃ……置いてか…グスッ……ないで」「あれ……?二人ともどうしたの?…………」「いや……まさか…、こんな遠いとは……思わなくて」「うぁ、あたし………もう、ダメ………」「………まぁ取り敢えず店内で休もうか?」「「賛成………」」