3 遊んでる場合じゃねぇだろ!
その後も談笑は続き……気づいたら日が昇っていた。「有難う、有意義な時間が過ごせたよ」「いいや?こっちも有意義な時間を過ごさせて貰ったし、なんならお喋りに付き合わせてごめんね?」「じゃあ、また話そうね」「うん、ばいばーい」じゃねぇぇぇぇぇぇ!? なーに呑気にお喋りしてんだボケェェェ!?!? 馬鹿かよ私…これから死亡BADENDを回避するための作戦を考えていくんじゃねぇの!? ねぇまじで洒落になんねぇんだけど!はぁ…一旦状況を整理しよう。私の前世は一ノ瀬 梓、唯々人生を楽しんでいただけの大学生だ…私は風邪を拗らせてをして死んだ…んだと思う、それ以外に死ぬ要素無いし前世に未練がないわけではない………いやむしろ未練タラッタラだが、私は今世を悔いなく生きることしか出来ないのだ。何とかして元の世界に戻る方法を見つける?いやいやそんなの在るわけないない だってもしそんな方法が在るのだとしたら私以外の才能に溢れた賢い人達が先に見つけている筈だ。じゃあもし世界の強制力かなんかでなにもしていないのに断罪されることになったとしたらどうするのかって?そりゃ何もしないよ、だってもしそれが世界の強制力だと言うなら逆らいようがない、私は定められた運命を甘んじて受け入れるだけだ。いや、誰か道連れにしたりはするかもしれないな、例えば諸悪の根元ヒロインとか…いや、ヒロインに当たるのは御門違いかな…だって私が世界の強制力で断罪されるのだとしたらその今私が諸悪の根元と評したヒロインもこの世界の強制力で動かされているだけの被害者なのだから。
あー今画面の前で見てる人達おーい聞こえてる?いや聞こえてはいないか……だってこれ小説だし…まぁいいやどーも皐月菖蒲と言います。はい、皆さんお気づきかと思いますがこの小説の作者で~す。まぁ言うなれば中の人っすかね~ってこんなどうでも良い話しは良くって、皆さん主人公梓ちゃんが転生した先の悪役令嬢アリシアについてあんまよくわかってませんよね?なので説明をしない怠惰梓ちゃんに代わって私が悪役令嬢アリシアについて説明します。梓ちゃん、私に感謝するんだぞ…そっちからじゃわからないだろうけど…悪役令嬢アリシアはフラワーガーデンという乙女ゲームの悪役令嬢でヒロインがどんなルートを辿ろうが死ぬ悪役令嬢です。悪役令嬢アリシアが死亡しないルートはないと言いたいところなのですが唯一アリシアが生存するルートがアリシアルートです。アリシアルートに入るには普通の攻略対象者は無視して時間がある時は必ずアリシアに話し掛け誕生日等のプレゼントイベントは予算全額 アリシア宛のプレゼントに全額ぶっ込み自身の身を捧げん勢いで尽くして自分はもしかするとヒロインが好きなんじゃないかと問い掛けるイベントが発生してからこそようやくアリシアルートに入れるのだ、その後卒業パーティーでコッソリ抜け出す選択肢が出てきたら迷わずはいを押してください。その後駆け落ちして隣国についたらようやくアリシアルートHAPPYEND達成です。ちなBADENDでは駆け落ちしたのが見つかって何故かアリシアがヒロインに嫉妬して殺そうとしたとしてアリシアが断罪され、ヒロインが無理矢理王妃にされ アリシアが死んでしまったことを認められなかったヒロイン世界を焼きつくし魔王として君臨しアリシアを蘇らせる方法を考えつつ滅んでゆく世界を見届けるいっっっちばんきつーいENDとなります 因みにヒロインが焼き尽くされる世界を見届けつつアリシアの死体を抱き締めながら永遠の愛を誓うヒロインのスチルが表示されるのでアリシアルートがあるのはコアなファンだけが買う特別版だけなのです。ちな一番スチルの数が多いのはアリシアルートです。悪役令嬢アリシアは黒色の髪に黄金の瞳をしたTHE美少女という見た目でした。アリシアの両親はアリシアを溺愛しており、アリシアが望むものは人の心以外全て叶えてきました。そのお陰で滅茶苦茶な我が儘娘になりました。ヒロインへの虐めは日常茶飯事。婚約者への執着は当たり前のTHE悪役令嬢でした~あはは~おっとそろそろ時間だ、失礼するぜ?じゃ。
今誰かが喋ってた気がする……え怖…気のせい…だよね?うん、気のせいか…………先ず死亡BADを回避するためには原作からなるべく離れないといけない、なので王子との婚約も回避したいのだがそうも行かない何故なら王子との婚約はアリシアが喜んでいただけの政略結婚だからだ、勿論私が望まなければ両親が何とかしてくれるだろうがそれは世間体的に悪い。出来ればなのだが両親に迷惑は掛けたくない、それでだ、王族は他の王族以外の家に嫁入りまたは婿入りしてはいけない決まりになっている。それを利用するのだ、王族と結婚するには王族にならないといけないのならば相手の家にいけない家を継ぐ嫡女になってしまえば良い。そもそも他に子供は居ないし養子を取るかなにかしなければ自動的に私が家を継ぐことになる。流石の王家と言えど宰相家の我が家を潰すような真似はしないだろう。あぁ、前世の知識が活きる気がする。てかそろそろ時間だ、部屋に戻らないと、
~少女移動中~
「あ……やっと着いた…………家の間取り覚えないとな………はぁ……いや……広すぎだろ……もうやだ疲れたおうち帰りたい………いや今の私にとっては此処が家か……あ~… あ~あ~!めんっっっどくせぇなぁ…はぁ…仮眠でも取るか……」 ~少女仮眠中~
「…………ん……あ…起き…た…のか………喉渇いたな………水取りに行こ…………」
「……!御嬢様、本日はお早いお目覚めで、朝食の準備が整いましたので食堂へ行くご準備を」「あぁシーラか、うん、ありがと、 じゃあ早速向かうね。じゃ、そゆことで」
「はっ、お気をつけ下さい」あれ…御嬢様が起きてる……御嬢様が…起きて……る?えぇぇぇ!?御嬢様が起きてるぅぅぅぅ!?と考えているシーラであったがそれに対して梓もといアリシアの考えることは今日の朝食のメニューなにかな~♪とまぁなんとも呑気なことであった。ん、まだ誰も来てないのか…おっ噂をすればなんとやら。「……!あら!アリシアちゃん…目覚めたのね!?」「はい、その通りで御座います。あと母上、もうちゃん付けされるような年でもありませんのでどうか止めていただけると大変嬉しいのですが、そこら辺どうにかしてくれませんでしょうか」
「……!アリシアちゃんそんなことを思ってたの!お母様寂しいわ、母上だなんて堅苦しい言い方しないでもっとママとか甘えても良いのよ?」「母上ッ!ですからもうそんな年ではありません。将来この家を継ぐものとしてそんな甘えたことは言ってられません!」
「…えっ…アリシアちゃんこの家を継いでくれるの?こんなことを言うのもなんだけど女性が家を継ぐことは在るけれど男性より遥かに難しいしましてやうちは高位貴族の公爵家でもありこの国の宰相家、常に貴族の鏡ともなるような振る舞いを求められるのよ?それでも家を継ぐの?悪いけどお勧めはしないわ、アリシアちゃん以外に跡継ぎ候補が居ないなら養子を取れば良いだけの事なのよ、何も無理にアリシアちゃんが家を継ぐ必要はないのよ?」「母上、そんなことはもう解っています、一度は面倒臭くなって廃嫡しようともしました。ですがしませんでした。私が、この家を本気で継ぎたいと思ったからです。私はもう腹を括りました。どうかッ私にこの家を継がせて下さい!私はッ!皆から慕われるこの家をッ!家族をッ!次の世代まで、私のこの手でッ!守りたいんです!だからッ!だからどうか私にッ!この家を継がせて下さいッ!」
「………本気……なのね?」「……ッ!はい、私アリシア=ロサ・スフィアにこの家をどうか継がせて下さいッ!」「………ですってよ皆様……」「……ッ!?」「御嬢様、私感激致しましたっ!どうか私に御嬢様を支えさせてください!」「まさかあの我が儘御嬢様がこんなことをお考えになってたなんて私っ気付きもしませんでした!もう少し我が儘でいても良かったんですよ?」「そうですよ!御嬢様はまだデビュタントすら済ませていないのにこんなことをお考えになられるなんて………っはもしやうちの御嬢様稀代の天才なのでは?……可愛いうえに天才ってもう最強すぎます!うちの御嬢様マジ天使!」「アリシアちゃんこの家を継いでくれるの?ホントッ?お父様感激で涙が~…うぅっぐすっ」
………あ~何でうちの使用人がほぼ独身か分かった気がする……リチャードって珍しいタイプだったんだなぁ………こりゃゲーム内のアリシアがあんな我が儘娘になるわけだわ…はぁ…なんだかもう逆に尊敬すらしてきたわはは……てか皆なんで居たの?え?分かってる筈ないし…まさか毎日居たの?……怖いから聞かないようにしよ……「……みっ、皆、喜んでくれて有難う、でも料理長、それよりは料理は?」「……っは!申し訳ありません御嬢様、直ぐに御持ちします!」
この後はアリシアを褒めるだけの会話でしたのでカットさせていただきまーす。
あ~なんか沢山褒められて疲れちゃったな、取り敢えず家庭教師を着けて貰えることになったし、今日はゆっくりしてよ~
コンコン(ドアを叩く音)「は~いどちら様ですか~ってリチャードか、どうしたの?」「いや~何となく暇になっちゃって、遊びに来ちゃった☆」「ヘ~まぁ良いけど、中は入る?」「良いの?おじゃましま~す」
「家族でもない男と二人きりなのに扉閉めるとか貴族の令嬢のクセに警戒心ね~な~その内取って食われるかもシレネ~ぞ?俺はしね~けど!」「……リチャードって本当に態度変わったよね、ふふっ、昨日までが嘘みたいだなぁ」「それはお互い様だろ?俺もアリシアも以前から態度が全くのベツジンみたいに変わってんだから」「それは……そういや そうだね………ふふっ、はは、あっはは、んふっ、ふっふふ」「ナニ笑ってんだよ?」
「いやぁ?、特に他意は無いんだけど何だか笑いが込み上げてきちゃってさ」「ふ~ん?ソ~ユ~もんか?」「そ~ゆ~もんだよ」
「ふ~ん?そ~ゆ~もんか、そ~ゆ~もんなのか、ふ~んそっか」「一目惚れとかとおんなじようなもんじゃない?、ほら、今まで会ったことすらなかったのに急に好きっていう感情が込み上げてくる…的な?」「…ぶっ!ふふ、はは、フッハッハッハッハッハ!」
「どうしたの!?急にわらってさぁ!」
「…んっふふ、いやアリシアを見てると急に笑いが込み上げてきちゃってさ」「はぁ!?私の顔が面白いっていうの!?」「いや、何だかアリシアの顔が面白いんじゃなくて何だかアリシアを見てると急に笑いが…」「私の存在自体が面白いっていうの!?」「いや、そこまで言ってな、ふふっ、あっはは、ヘヘ、いやマジごめ……も~無理マジお腹痛…ふっふふハッハッハッハッハ!」「あ~!もう五月蝿い!笑いが収まるまで部屋の外で待ってなさい!」
~20分後~
「いや~笑った笑った、マジで一生分笑った気がするわ、ヤベ思い出しただけでまた笑いそう」「笑ったらまた追い出すぞゴラァ、マジでどんだけ笑ってんだよ、普通に引くわ、てか仮にも人の部屋であんな大笑いすんなよ」「''仮''にも、なんだな、つまりはこの部屋は俺の部屋になる可能性があると」「いやあんたが自分の部屋かのように寛ぐからでしょ!あとこの部屋にはずっと住み続けるつもりだから!誰にも譲らないから!」「いやいやそれは俺とアリシアと結婚して一緒に住めばかいけt…」「はァァァァァァ!?リチャードのせいでしたくない妄想しちゃったじゃない!クビにするよ!」「ゴメンゴメン、それにしてもしたくない妄想って…言い様酷くない?自分で言うのも何だけど俺って結構顔は良い部類に入るくない?」「顔は良くても性格は最悪だけどねっ!」「顔が良いのは認めんのなww」「うっさい!笑うんじゃない!バーカ!リチャードなんか四肢が爆散して粉々になっちゃえばいいんだ!」「いや言い方言い方、俺が悪かったのは認めるけどまぁなんとも酷い言い方ですね!?」「うるさいうるさい!屋敷の皆に聞いたら絶対私は悪くないって言うし!」「そりゃアリシアLOVEのゲキ甘使用人ズと両親なら言うだろうなぁぁ!?」「ふん!あくまでも自分の罪を認めないつもりだな!」「いや認めてる認めてるて!謝るから許してって」「ふん!私のして欲しいことが分かったら許してあげる!」「おし了解だぜ。謝って欲しい?」「違う」「何か買いたい?」「惜しい」「何処か行きたい?」「うん」「レストランに行きたい?」「惜しい」「カフェに行きたい?、それも最近オープンしたとこ」「…正解だから許してあげる」「おしじゃあ何時行く?」「………は」「いやだから行きたいんだろ?カフェ」「うん、そうだけど」「だ~か~ら~カフェ何時行くのって言ってんの」「いや…私のして欲しいことを当てるだけだから別に行かなくて良いんだよ?」「………マジ?」「うん」「あ~マジか~……で?何時行く?」「いや…私の話聞いてたの?」「でもその後行くか行かないかは俺の勝手だろ?」「いや私の勝手なんだけど…」「で?何時行く?、明日で良いか?」「あ~もうそっちに任せるよ」「分かった、じゃあ明日の朝迎えに行くから」「うん、分かった準備して待ってる」「あぁ、じゃあまた明日」「うん、バイバイリチャード」
「料理長」「はいなんでしょう御嬢様」「私明日ごはん要らないから」「………え?今なんていいました?最近少し耳が悪くって」「だから私明日ごはん要らないから」「………なんでっすか~~俺と俺の作った料理嫌いになったんすかぁ~」「いや…そう言う訳じゃなくって、明日出掛ける予定があって…」「なんでっすか~」
この後なんやかんやあって無事?許して貰った
次回 リチャードとデートの回!