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第四話 格落地(ランクガイ)


僕は現在、帰宅部への入部試験をクリアして、学校から家へと帰宅しようと、校門のに向かう最中。


現第21位のゼスくんと仲がいいと言う理由で、突如”非正規乱闘エンカウント”を申し込まれている。


「あの…困ります!僕全然強くないですしそれに…」


「だからこそ…だろうがぁぁぁ!!!」


何とか断ろうと焦りながら苦し紛れに言った僕の一言に耳を貸さず、彼は突如としてその右手から大量の”肉”を生成し、その質量で僕は押し出され、校舎のいくつかを破壊しながら宙を舞う。


「く!なんとか…」


剣でガードした、故に直撃は避けたが、さっき叩きつけられた衝撃で、背中の骨の何本が重度の打撲を余儀なくされる。


(まずいな、このまま一方的に喰らっていたら、流石に持たない…)


僕は勇気を出して、彼との戦闘を続行する決意をし、その両手に剣を握る。


「新たな技の名は…”双剣”」


二刀流、ただそれだけだが、これだけでも彼への勝ち筋を作るには十分だ。


「そんな剣直ぐに折ってやるよぉ~」

「折れませんよ、僕には技がある…」


次の一撃、とてつもない量の肉が学校中を巻き込んで、僕の方へと向けられ放たれる。


「魔王一心流…」


それに備へ、僕は姿勢を低くし、両手に握られた剣を腰辺りに持っていき…


「抜刀ぉぉぉ!!!乱舞!!!」


抜刀乱舞、それは両手に握られた剣を超高速で動かし、対象をみじん切りにする技…。


「テメェ―…」


「抜刀…」


彼が動揺した隙を突き、僕はすかさず抜刀による高速移動で一気に彼との間合いを詰め。


「抜刀!起承転結!!!」


起承転結、抜刀と共に相手の体の四ケ所の急所に剣撃を加える技。


「ぐはぁ!」


急所とは突けば必ず死ぬ場所、そこを斬られたのだから、確実に生きてはいない…


「浅く斬りました、まだ息はあるでしょう。やめましょう、こんな無意味なこと…」

「【おいおい、萎えること言うなよ…遊びはこれからだろう?】」


そこにいたのは、肥大化した脂肪の化け物だった。


「これは…」

「【驚いたか?肥満だよ…脂肪を盾にしてお前の攻撃を受けきった。】そして…」


その直後、彼の脂肪は血しぶきと共に周囲へと飛び散り、その肉体は完成する。


「これが、真の俺の姿、どうだ?見惚れてしまうだろう…」


それはあまりにも完璧な肉体、全てにおいて無駄のない完全な生命。


その大きさは先ほどの肥満と比べればはるかに劣る一般的な成人男性の体格…


しかしその美しさ、完璧なバランスと来たら、肉体美と言わざるを得ないレベル。


それ以上にその性能…


「いくぞ❤」


”規格外”


「ぐはぁ!」


タックル、たった一発のそれでまるで弾丸の如き威力とスピード。


「あーれれ?腹に風穴あくと思ったのに…」

「僕も…少しは修行したんですよ…」


そう、これはゼスくんとの特訓で得た技、”受け身”。


その受け身ただの受け身に非ず、完璧なタイミングでのけぞり、相手からのダメージを最小限に抑え、あまつさへ…


「魔王一心流奥義ぃぃぃ!!!」


それを利用する…


「受け身流しぃぃぃ!!!」


先ほど喰らった威力を利用したカウンターを直後に放つ、すると彼は驚いた様子でこちらを睨むが…


「ビクとも…しない…」

「当然だろ、俺の技で俺が死ぬかよ…」


その直後、彼は僕の腹に手の平を当てて…


「”肉膨張”」


(ヒューン!…バーン!!!)


その直後、僕の肉体は内部から肥大化し、爆発する。


「よかった…腕一本で…」


しかしそれはフェイク、僕は腕一本を犠牲に、彼の意識を誘導し、直後に剣で彼の心臓を貫こうとする。


「残念…もうそれきーーーーかね!」


しかし、彼の肉体はあまりにも固く、僕の持つ鉄の剣では貫けない。


「終いだぁぁあ!!!」

「君がね…」


直後、彼はある違和感に気づいた、振り下ろそうとした左手がない…


「な…に…」

「見てよ…ほら?」


そして僕が彼に見せるように掲げたのは、さっき犠牲にしたはずの右手…


「さっきの膨張は君自身の腕さ、君のしかけた大規模攻撃のおかげで発生したこのグラウンドの砂埃を利用させてもらった…」


僕は肉膨張を向けられた直後、彼の認知機能より遥かに早く彼の背後を取り、その手の向きを無理やり押し曲げ、彼自身の手に向けられるよう仕向けた。


「うわぁぁぁ!!!俺の…手がぁ!手がぁぁぁ!!!」

「下手な芝居はやめてよ、どうせ直ぐ生えてくるのに…」

「ハハ…わかってたのか…」


彼の能力はこの戦闘でだいたい理解した、自身への超速再生と、脂肪or筋肉の増殖と膨張で間違いないだろう。


「良かったよ…」

「何が?」

「僕と”相性”の良い能力みたいで…」

「はぁっ!そりゃーどうかな?」


そう言って彼が繰り出してきたのは、巨大な肉の剣…


「それには硬度がない、骨でもない限り、ダメージは…」

「いらねぇーよ、硬度なんて…こいつを切り裂いてみな…”飛ぶぜぇ!”」


そう言って斬りかかって来た彼の攻撃を剣で受け、切り裂くと中から大量の脂肪が飛び出る…


「うわぁぁぁ!!!」

「それに、肉は閉まる…そして筋肉に至る。」


そう言った彼の肉に包まれ、僕は必至の抵抗をするがその直後、剣と僕の全身が微動駄にしなくなる…


「これは…」

「”肉之手クレアス・ケイル”」


それは巨大な、皮膚を剥されたような見た目の巨大な腕…


「うわぁぁぁ!!!」

「閉まれぇ!閉まれぇ!閉まれぇ!!ぶっつぶれろぉぉぉ!!!」


巨大な手に握りこまれて、絶対絶命。


剣は震えない、全身は動かない、どうすれば…


「剣士が剣を振るえなきゃおしめぇーよ…」

「…」

「おっ!死んだが…」


(グキグキグキグキ)


その直後、響き渡るグロテスクな音…それは骨が折れるような…いや…


(こいつ!関節を外してやがるのかぁ!?)


直後、僕が取った行動に一早く気づいた彼はもう一度その手を握りこむような動作をする。


「”軟体”…魔王一心流…”無刀”…”変幻魔道”」


それはまるで触手のような、力など入るはずの無い鞭のような拳の刃…


切り裂く速度は音速を超え、一切の拘束おも完封する無類の剣技…


「剣を必要としない剣士なんて…聞いたことねぇーぞ…」

「魔王は全身凶器と言う話を聞いたことはないかい?僕はこの技術を”彼”から学んだ…」

「21位か…」

「そうだ…」


僕が地面に降りたとうと落下していると、彼はすかさず落下地点の地面から大量の肉を放出させ、筋肉と化すことで凄まじい打撃を与えようとしている。


「魔王の剣技…これを覚えた瞬間から、万象一切は僕の敵じゃないと確信している…」

「何言ってやがる?中二病かぁ?」

「言ってもわからないなら見せよう…僕の身に着けた剣技を…」


僕はすかさず両手に鉄の剣を生成し、彼の生み出した筋肉の塊を超高速の連撃で切り裂く。


「ばかな…」

「魔王一心二刀流…”無尽連撃斬”」


それは彼曰く、鍛え上げ、研ぎ澄まされた剣技は、少量の動きで結果を生み出す。


つまり、動きを最小限に抑えることで無駄をなくし効率化故に体力の減少を抑え、無尽蔵の連撃を可能にする。


「なめやがってぇぇぇ!!!」


彼が次に作り出したのは、銃…その手を筋肉を生み出す砲台に帰る。


「死にさらせぇぇぇ!!!」

「魔王一心二刀流…」


僕はすかさず彼の向けた無数の砲撃に備え、両手の剣を両脇に両足を大きく広げて守るのではなく打つ構えへと変更する。


「どうしたぁ?胴体ががら空きだぞぉぉぉ!!!」

「良いんですよ…全て”斬る”ので…」

「ははぁ~ん、分かったぞ。てめぇーあの21位といるうちに自分も最強になったと勘違いした口だな、良くいるんだよなぁ~強い奴の舎弟になったからって自分も強くなったと勘違いする奴…でもそれは大きな間違いだ…テメェーは弱いぃ!格落ちの格落地ランクガイのボケナスだぁ!何も変わっちゃいねぇー成長なんてしちゃいねぇー…万象を斬る?笑わせんな片腹痛いぃぜぇ!…」


彼は語った、確かに僕は勘違い野郎かも知れない、僕はまだ彼にも当然この剣技を生み出した魔王にも劣っている。


まだ森羅万象なんて切れやしないでもぉ!


「二人には無いものが…僕にはある…」

「はぁ?」


そう言った直後、意味の無い向けられた肉の塊にする当たっていない僕の剣が人振り…


「はぁ!どこ斬ってんだよ…」


虚空を切ったそれに、笑いを飛ばす目の前の彼の肉体が…


(ブシャァァァ!!!)


「は?…」


血しぶきを上げた…


「終わりです…」


その後、向けられた全ての肉の砲弾を僕は全て捌き泣き叫ぶ彼の元へと駆け寄る。


「なんだぁ!何が起こったぁぁぁ!!!」

「液体金属の斬撃です、僕の鉄を剣の摩擦で溶かして放ちました…」

「そうか…だから…」


鉄は熱をため込む性質がある、高温の鉄は摂氏1538℃、焼きただれた断面は再生が遅れ修復を困難にする。


「もう終わりです…」

「まだだ…まだもう片腕がぁ!」


(キン!)


即決だった、彼がこれ以上暴れないよう、念のため両腕両足を全て切り裂いた。


「貴方の能力では内臓は修復できない、だから胴体や首から上の攻撃を異様に割けていた…胴、首、頭は残しておきます…遅れてもいい…再生してください。」

「待てよぉ!」

「はい?」

「なんで殺さない…俺は負けたんだぞ。」

「…」


殺し合いが黙認されたいるこの学園で、格落地ランクガイ同士とは言え勝利者はライバルを減らすために殺すのが通例だ。


そんなのわかっているが、僕はあえてそれをしたくなかった。


「勝敗において勝者に与えられる絶対の権限、生殺与奪の権を握るのは僕です。君を”生かす”も殺すも僕の自由…ならば僕が君を生かすこともまた自由でしょう?」


その答えに彼は驚き、そして僕がなぜその選択をしたのかそれは妖刀を持つゼスくんの側にずっといたからこそ…


(命を奪う事は容易い…でも生かそう…ここは戦場じゃない。学校なのだから…)


学校とは学ぶ場、間違いを犯したら学べばいい、死んだらそれもできなくなる。


だから生かす、いつか彼と殺し合いではなく、一クラスメートとして…


楽しく”試合”をしたいから…


「あの新入生…なかなかやりますね…」


第九位 生徒会会計


「平均レベル…能力で言えば劣等もいいとこだがあの剣技とこの短時間で身に着けた吸収力に類まれなる判断能力…何より己は彼の戦い方が好きだ…」


第二位 生徒会会長


「でしょでしょう、僕のとこの新入生は凄いよねぇー」


第三位 久我部長


「けぇ!そんなに騒ぎ叩てるほどか?あんなのその辺にいくらでもいるだろう。」


第十位 風紀委員長 雷電先輩


僕らの戦っている側で、一堂に集う天限と呼ばれる者達。


それは僕とゼスくんの異様な活躍を見て警戒し手の事なのかはたまた…


「雷電、君に風紀委員として彼ら二名を…」


「”粛正”…だろ?」


その牙は、気づかぬうちに僕らの側へと…近づいていた。

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