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番仙奇譚  作者: 秋尾 萩
蛇の話
28/51

14

蛇の話、最終話です。

「あ、おはよう黒森くん。あれ?制服どうしたの?まだ衣替えじゃないよ?」

 学生服を着ずにカッターシャツだけの紅を見て有海が問いかける。


「あ、うん、昨日ちょっと破れちゃって……」


「なんで制服が着れないくらい破れるんだ?男子小学生じゃあるまいし」

 覚が突っ込む。

「いやー、まあ、なんというか」

 曖昧にごまかすが、周りは不思議そうだ。



 そんな時、後ろから声がかけられる。

「こ、紅!」

「はい?」

 振り返るとセーラー服を着た二人の女生徒が立っていた。

 それを耳ざとく聞きつけた有海が声を上げる。

「紅~~?」


「あ、桔梗さん」 

「桔梗さん~~?」


 桔梗の隣に立つ女生徒を見た紅は驚き声を上げた。昨日まで学ランだった紫苑がセーラー服を着ていたためだ。

「え?紫苑、さん?」

「紫苑さん~~?」


「えっと、朝からどうしたの?」

「……うん、あの、これ」

 そう言って紫苑は持っていた紙袋から学生服を取り出す。


「昨日私たちのために破れちゃったから……」

(いや、君たちのせいで、なんだけど……)

 紅はなんとかその言葉を飲み込んだ。

「私たちのため~~?」


「無いと困るだろう?もちろん新しい物はうちで用意するけど、さすがに一晩じゃ用意できなくて。私のだから少しきついかも知れないが、さ、着てみてくれ」

 そう言って学生服を広げ、腕を通すように紅に差し出す。


「え?これ着るの?僕が?」

「当たり前だろう。さ、早く」

 全く当たり前ではないが。


「でも紫苑さんが困るんじゃ……」

「私はこの通り予備でセーラー服も買ってあるから大丈夫」

 痛い。周りの視線が痛い。特に横からの視線が超痛い。


「いや、でもこれはちょっと……。別に暫くなら無くてもそんなに困らないし。」


 にこにこ笑いながら服を持ち続ける紫苑をそのままにする訳にもいかず、しぶしぶ腕を通す。


「すまない、少し小さいが2,3日ならなんとか着れそうだな。こうやって前を開けてるのもちょっと野性的な感じでいいな。うん。……昨日の夜ほどじゃないけど」

 にこにこと嬉しそうにつぶやく。


「「「野性的!?」」」

「「「昨日の夜!?」」」


「新しい制服が届いたら持ってくる。その時返してくれたらいい」

「あ、いや、制服は自分で……」

「「だめ!うちで用意する!!」」

「……はい……」


 まあ、原因を考えれば用意してもらってもいいだろう。

「じゃあ、クリーニングに出して返すから」

「いや!出さなくていい!!そのままで返してくれたらいい!!!」

 

 ザワザワ。周りの声が高まる。

 

「いや、それはさすがに」

「とにかく大丈夫だから!」


(おもしろいな~、この妹は)

 ニヤニヤと紫苑を見つめる桔梗。


「こ、紅。お昼は百合組で一緒に食べてくれないか?百合も楽しみにしてるんだ」

「え、あ、お、お昼はどうだったかな~?あ、佐取君と食べる約束してたんだ!」

 覚にバチコーンっと目配せして合図を送る。

「いや、別にしてないが?」

 ニヤニヤと即行で否定される。

「……」


「……だめか?百合にも必ず連れてくるって言ってしまったんだ……」

 しょんぼりと項垂れる紫苑。


「黒森くんはボクたちと食べる約束してるの!」

 横から有海が割り込む。


「穂村さん……。そうだ、穂村さんも一緒に来たらいい。久しぶりに一緒にご飯を食べよう」

 だが紫苑も引き下がらない。何としても紅を連れて行きたいらしい。


「来てくれる、よな?」

「ここで食べるよね?」


 痛い。周りからの視線が。



(あらあら、あらあら?これはさすがに?)

(す、すごい。さすが高校。修羅場、修羅場だ!)

 誤解ではなく確信するクラスメイト。


(あいつ、美少女姉妹まで!)

(まああれもどうでもいいでござる)

 妬んだり妬まなかったりする男子。


(あかーん。ちょっと、黒森君、有海ちゃん、有海ちゃんは!?)

(く、黒森君、し、姉妹丼!高校生のくせになんてマニアックな……)

(こっわ、黒森君こっわ。えっ?三人目?さらにSランクまで予約済み?こっわ)

 もう完全に女子から目を付けられた男、黒森紅。


この後、幕間が数話入る予定です。

初めて小説を書いてみて、本当に難しいものだと分かりました。

とりあえず中編(短編?)2話だけですが評価お願いします。以後は短編の予定です。

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