↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女ではありませんでしたが、聖騎士様に溺愛されそうです  作者: 一番星キラリ@商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
64/142

63:なぜここへ?

 ランスがあの場に駆け付けることになった経緯として、副修道院長と私に話してくれた内容は……。


 王都に戻ったランスは、私がつけているペンダントを元に、王立ローゼル聖騎士団の諜報部に協力を仰いだ。その結果、ペンダントの実物を元に、調べを進める必要性が生じた。


 つまりランスは……私を王都へ連れて行くため、再び村へ来てくれていたのだ……!


 王都とこの村は遠いので、ランスが到着した時、既にティータイムの時間に近かった。そのまま修道院を尋ねたランスは、修道院長と面会をして、事情を説明。修道院長としては、来るものを拒まず、去る者を追わずが、基本スタンスだ。後は本人の希望次第となったが、私はホリデーマーケットへ行っていた。それを知ったランスは、村で一軒だけの宿をとっていたので、そこで私が戻るのを待つことにしようとしたが……。


 修道院長は私の近況として、マイのことを最後にランスに話した。私の同室者であるマイは、どうもシャドウマンサー<魔を招く者>に傾倒している。私に対しても、黒い物や赤い物を持っていると欲しがり、昨日も私にそう言った物を要求し、暴力を振るおうとしたと。そしてそのマイは現在、失踪していることを聞かせた。


 その話を聞いたランスは、マイが私を狙う可能性を考える。


 日曜日のホリデーマーケットは人が多い。私を見つけられず、手ぶらずで終わることも考えられた。ただ、ランスは王立ローゼル聖騎士団の紋章のついたマントを着ている。聖騎士がホリデーマーケットにいると分かるだけで、犯罪率はグッと下がった。


 特に聖女を敵視するシャドウマンサー<魔を招く者>は、聖騎士を無視できない。よって私が見つからなくても、マイがランスに反応するかもしれない。


 その期待も込め、ひとまずランスはホリデーマーケットへ向かった。


 だが懸念していた通り、ものすごい人混みで、私を見つけるのは難しい。ただ、私とナオミがどんな服装をしているかは聞いていた。しかもジルベールと三人で動いていることも。


 それらの情報を元に、また私達の行動傾向を考え、ランスはやみくもにホリデーマーケットが行われている広場を歩き回ることはしなかった。店の店員などにヒアリングをして……。


 ホリデーシーズンを記念したスタンプやレターセットを売っているお店を発見した。そこは飲食店のように、大量に人が押し掛けるわけではない。客足が絶えることはないが、店員は接客を余裕持ってできる。


 さらに私が手紙を書く可能性を考えた時、この店に足を運ぶ確率は高いと考えた。もし商品を購入するなら、それはホリデーマーケットを訪れてすぐではないだろう。邪魔になるし、修道院に戻る直前に立ち寄る可能性が高い。


 例年、ホリデーマーケットに出掛けた私とナオミは、夕食の時間には修道院に戻っている。それは平時の門限の時間であり、孤児院時代からそこで過ごす私には、夕食までに外出から戻ることが習慣化されていた。


 ランスがスタンプやレターセットを販売するお店を見つけたのは、間もなく日没に近い時間。ということは、直近でこのお店に私が立ち寄ったに違いないとランスは考え、店員に話を聞くことになる。


 そこでつい数分前に、ランスが言う三人組がスタンプやレターセットを購入したことが明らかになった。しかも購入後、どちらの方角に向かったかも分かったのだ。


 確認すると私達が向かった方角には水路があり、そこには沢山のベンチがあり、この時間、恋人同士でにぎわうという。つまり二人組が多い中、三人組は目につきやすい。


 見つけられる。


 そう確信し、ランスは私を探すことになった。


 一方の私はジルベールとナオミを残し、一人、逆流して歩いていた。その行動は、人探しをしているランスからすると、目立つ。つまり、私をすぐに発見できた。でも距離がある。急いで私の方へ向かおうとするが、なぜか私は細い路地へと入っていく。


 不安を覚え、走り出したいが……。


 人の流れには、逆らっていない。ただその路地へ行くには、道幅分の歩く人を横断し、向かわなければならない。


 ようやく路地に到着すると、ガラス片をまさに私へ振り下ろそうするマイを、ランスは目の当たりにする。その後は騎士として訓練した瞬発力と判断力で、マイの排除に努めたというわけだ。


 これを聞いた副修道院長は「ランス様は、騎士としても聖騎士としても、大変素晴らしい力をお持ちですね」と感嘆し、私はまさに大ピンチの時に駆け付けてくれたランスに、感動していた。


 ランスが話し終える頃には、食事も終わっている。


 副修道院長から「では今日のところはそろそろ」と言われると思った。だが……。


「ランス様とアリーは今日、きちんと話す時間をもてましたか? 状況を聞くと、警察署で話を聞かれ、修道院へ戻るのも馬車と馬とで別々。そして現在に至っているように思います」


 まさに副修道院長が言う通り。

 ランスと二人でじっくり話す時間は、もてていなかった。

 警察署に行く時はマイを連れていたし、マイに余計な情報も与えたくなかったので、ランスとはほとんど会話していない。おそらくマイは、ランスを通りすがりの聖騎士だと思ったことだろう。偶然現場を目撃し、私を救出したと思っているはずだ。


「これからそれぞれ就寝のための準備もあるでしょうし、ランス様は宿へ戻る必要もありますよね。ですから30分ですが、このままこの執務室で、お話されますか? 私は30分したら戻ってきますので」


 この有難い申し出を受け、ようやくランスと私は二人きりで、話をすることができるようになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページやタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●9/2発売●
バナークリックORタップで書報ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●本編完結●
バナークリックORタップで目次ページ
やらかしてしまったモブ令嬢です
『やらかしてしまったモブ令嬢です 』

●新連載●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに
『悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●出版社特設サイト●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!②
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!② 』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』は
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

●[四半期]推理(文芸)2位●
バナークリックORタップで目次ページ
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~
『悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~』

●現実世界の恋愛物語●
バナークリックORタップで目次ページ
せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~
『せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~ 』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。