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聖女ではありませんでしたが、聖騎士様に溺愛されそうです  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中


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103/142

102:あの時の約束の……

 翌日は、いつもよりのんびり起きることになった。

 そしてメイドのリリスとララは、王都観光を行う私のため、素敵なドレスを着せてくれた。


 明るい水色の身頃には、白のレースで蝶がデザインされている。

 スカートには、身頃と同じレースの蝶が舞うチュールが重ねられていた。

 バックには、大き目のフリルのリボンが飾られ、実にオシャレ!


「アリー様、髪はいかがいたしましょうか!」


 リリスとララに聞かれ、どうしようかと考えていると、扉をノックされた。

 リリスが「はい!」と返事をしながら扉を開けると、そこにはランスがいる。


「おはようございます、ランス様!」


 挨拶をしながら、頬がほころんでしまう。


 朝からランスは、なんて爽やかな姿をしているの!


 淡い水色のシャツに白のタイとベスト、上衣とズボンはサファイアブルー。そこに合わせた白の革のブーツが、とても素敵! 白のタイに飾られた自身の瞳と同じターコイズブルーの宝石もとても美しいし、いいアクセントになっていた。


 額に巻かれた包帯が、サラサラの前髪の隙間から見えると胸が痛むが、あとは完璧。


「アリー様、おはようございます。以前、髪飾りを送る約束をしていましたが、実は昨日の夕方、屋敷に完成品が届いていたのです。本当は昨晩渡すつもりでしたが、ロキが爆弾発言をするので、つい忘れてしまい……」


 そう言いながらランスは、ホワイトブロンドの美しい髪を揺らし、私のそばにやってくる。そして目の前で水色の箱の蓋を開けた。


「まあ!」「素敵!」


 リリスとララが声を揃える。

 箱の中には、ランスがタイにつけているのと同じ、ターコイズブルーの宝石がめしべ、花弁が銀細工で表現された、とても美しい髪飾りが収められていた。


「なんて繊細な作りで美しいのでしょう! これをいただいてもいいのですか?」

「ええ。アリー様の髪に飾っていただきたく。受け取っていただけると、光栄です」

「喜んでいただきますわ! ありがとうございます、ランス様。とても嬉しいです」


 心から嬉しくなり、笑顔が止まらない。

 そんな私を見て、ランスの顔も体も、キラキラと輝く。


「リリス、アリー様の髪につけてもらえるかい?」

「勿論でございます、ランス様!」


 リリスは私の髪をとかすと、左耳に髪をかけ、それを押さえるように髪飾りを留めてくれた。


「いかがですか、ランス様、アリー様」


 リリスに言われ、鏡を見たランスと私は、思わず鏡の中で目を合わせる。

 これは王都から村へ向かう道中。

 スイートアリッサムを髪に飾った時と同じだ。


「リリス、気に入ったよ、ありがとう」

「リリス、ありがとう。これで問題ないわ」


 ランスと私が同時に答えるので、リリスは驚きながらも喜んでいる。


「ではこれで準備は完了ですか、アリー様?」


 ランスの整った顔が、喜びで上気している。


「はい! 準備は完了です」


 椅子から私が立ち上がると、笑顔のランスが告げる。


「今日は朝食をレストランでとろうと思います。ララ、アリー様のカバンを」


「承知いたしました、ランス様」


 私がララからカバンを受け取ると、ランスは自身の手を差し出す。

 ランスの手に自身の手をのせると、彼は私をエスコートして歩き出した。


 エントランスに着くと、既にそこには馬車が止まっており、中にはロキが待っていた。


 今日のロキは、レンガ色のセットアップに、自身の瞳の色と同じ栗色のタイとブーツ、シャツはクリーム色で、マルーン×オレンジの縦縞のベストという、赤髪との相性も完璧なコーディネートをしている。


「おはよう、アリー嬢! デートの邪魔かもしれないが、ランスの奴はまだ聖騎士だからな。ここは王都だし、アリー嬢と二人きりでは、俺と違い、あらぬ噂になりかねない。ということでお邪魔虫として、同行させてもらうよ」


 そう言って長い脚を組むと、ロキが微笑んだ。


「おはようございます、ロキ様。お邪魔虫なんて、そんな! 護衛も兼ねて来てくださるのでしょう。いつもありがとうございます」


「アリー嬢、そうとは限らない。俺とアリー嬢のデートに、この鉄仮面がお邪魔虫かもしれない」


 ロキとそんな軽口を叩いていると、ジルベールのことを思い出してしまう。

 ナオミとジルベールは、今頃どうしているかしら?


 そんなことを思いながら、馬車に乗り込む。


「では、出発してくれ!」


 ロキがまるでこの馬車の主のように、御者へ合図を送る。

 ゆっくりと馬車が動き出す。


「これから向かうのは『猫の隠れ家』というお店で、夜間勤務明けの宮殿の騎士や兵士もよく足を運ぶカフェです。焼き立てのパンを半分にして、よく焼いたベーコンを片方にのせ、もう片方にポーチドエッグをのせ、卵黄を使ったソースをたっぷりかけて食べるエッグベネディクトが有名なのですよ。きっとアリー様も気に入ると思います」


 ランスがそう説明すると、ロキはさらにこんな情報も教えてくれる。


「アリー嬢、『猫の隠れ家』は、カスタードプリンも美味しいぞ。きっとアリー嬢なら、エッグベネディクトをペロッと平らげ、カスタードプリンもパクッと食べることができるはずだ」


 二人の話を聞いているだけで、お腹が鳴りそうになってしまう。


「何より王都で、一番と二番人気の男と食べる朝食だ。きっと食が進むぞ」


「まあ、ロキ様ったら。でもそうですね。確かにお二人との朝食。嬉しくて、沢山いただいてしまいそうですわ」


 そう私が答えると、ランスが優美に微笑んで尋ねる。


「アリー様、勿論、一番は自分ですよね」

「いや、鉄仮面、そこは俺が一番だ」

「ロキは少し黙ってほしい」


 まるで兄弟喧嘩の二人を、微笑ましく眺めていると『猫の隠れ家』に到着した。

お読みいただき、ありがとうございました!


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心の準備ができた方はご覧くださいヾ(≧▽≦)ノ

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