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4/11

少し遅いけど、前書き

異世界転生ものというのは偉大な形式だと僕は思う。

どんなセンスのないバカでも異世界転生ものを書くことができるからだ。

ステータスやらギルドやらの設定を、細部を詰めて整合性をとることなしに、貧しいゲーム体験を元手に、なんとなくで書くことができるのがすごい。

特に「レベル」という概念を持ち出す人たち。

あの人たちに羞恥心というものはないのだろうか?

羞恥心がないのは、この現代日本で生きるためには絶対に必要なことだ。

彼らが、これからの日本を支えるのだろう。


あと、あれだな。既存のなにかしらを異世界転生したことにすれば、それなりにオリジナリティが出るような感じになるのもすごい。

料理人、総理大臣、風俗嬢、ローマ教皇、ニート、何かしらのオタク(オタク的にも大したことない連中)といった凡庸な何かしらが、異世界に転生するだけでジャンクフードみたいな情報しか食っていない頭も胃も貧しい低能どもから「やべえ」みたいな賞賛をもらえるのが、これまたすごい。


異世界転生もののことを考えるときに、僕は腐女子のことも考える。

彼女たちも素晴らしく偉大だ。

「責め」と「受け」の単純な二項対立に、任意のなにかしらかの代入して、お決まりの凡庸な操作を何回かしただけで、彼女たちは自らの据えたカビ臭い性欲を満たすことができるし、「私たちは、普通の人たちが知らない愉悦を知ってるマイノリティなんだ」みたいな楽しい気分で生きることができる。

人権意識の希薄さ(実在する男性同愛者のことなんて一秒も考えたことないだろう)と純粋な社会性の低さを、ゲロみたいな選民意識でマスキングして、楽しく生きている。

なんて偉大な形式なんだろう。


僕は上段に立って、異世界転生ものや腐女子(タイピングするだけでおぞましい造語だとは思うものの)を馬鹿にしているわけではない。

僕もセンスのない、低能なバカの一人だ。

その証拠に、異世界転生ものを読みふける休日だってあるし、今年65歳になる父は、母に隠れてスライムになる系の異世界転生ものアニメを見ている。


僕はこの偉大な形式に敬意を払う。

主人公は、凡庸な何かしらかの行列に加わり、これから異世界へ転生する。

彼は、大きな力を手に入れ、おっぱいの大きい白痴気味の美少女と出会い、作者のトラウマが投影された人気者の調子乗ったバカを痛めつけたりして、愉快な旅を繰り広げることになるだろう。

読者の皆様、どうか応援してほしい。

彼が最後まで冒険できるよう、僕も祈っている。


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