幸福には翼がある。つないでおくことは難しい。
しばらく、というほどではないが、歩道橋の上で分かれ道となっていた。
いや、さ。なんだよ、これ。
時間はtwilight。冬至近いからか、日没が早い。
真っ直ぐな道は「アバター」なアイドルグループ。
横に曲がる道は「演者」がいるギタリストの単独公演。
道は圧倒的に、まっすぐ進む人が多い。
ロリポップな若い女の子達がキラキラしながら歩いていく。
曲がる道は、寂しい。
中年は通り越した人生の先輩達がぽつぽつ。
今、めっちゃまっすぐ進みたい。
曲がる道に踏み込みたくない。
なんか、絶妙に、絶対にイヤだ。
だが、持っているデジタルチケットは曲がる道の先で使う。
笊で濾されたような分かれ道。まじかよ。
酷く虚しいが、道を曲がる。
何故、負けた気がするんだろう。
途中の広場。鳥が飛んでいるモニュメント。
真ん中には2人が座って、それを鳥が囲んでいる。
背景は、twilight。
綺麗だな。写真を撮る。
時間もギリギリだったし、寒いから、とりあえず会場に向かう。会場内は人が多い。まあ、寒いし。
「宇宙一のロックンロールサーカス」
2017年に同じ題目での公演はあるが、それ以降は使われていない。随分となんというか。タイミングの良さを感じる。
日本における最初のシングル。
もの悲しさが漂う「既視感」。サーカスの始まりのような楽曲なのに、どこか寂れている「音」。
まあ、いいや。って席に向かう。パイプ椅子。いや、まあ巡業するサーカスって考えれば正しい。完全に展示場。高低差がないから、これは見れないな。
番号からざっくり、席数的には6300から7000ぐらいか?
クリスマスまで観に来るとは、熱心だな。
そんなことを思いながら、席を探すが、ない。一昨日買うようなチケットである。末席なのは承知している。が立ち見は感染症予防対策違反になりかねない。
慌てて警備の人に聞けば、コロナ前の座席数であり、振替座席はあった。ベース側最後方のブロックの少し真ん中寄り。
モニターがほぼ真っ正面。
ステージは見れないが、モニターならなんとか見れそうだな、とつらつら思っていれば、目の前をどう見ても小学生が走り抜けていく。
・・・おい。なぜ、毎回小学生ぐらいの子を見るんだ。親よ、今日はクリスマス。もう少し考えろよ。
なんか、いろいろ考え過ぎているのか。頭が痛くなってきたが、とりあえず振替の席に向かえば、周りはすでに座っている。しかも、前後左右高身長系元ギターキッズ。パイプ椅子からどうやってもはみ出している。タオルから防寒具まで特徴的な幾何学模様バッチリ仕様。
深くは座れない。仕方なく腰をかけて話に耳を傾けているとグッズは既に売り切れているらしい。左隣のお兄さんはグッズのマフラーを自慢している。
この人たち、どうやって会場まで来たんだろうか。
目立ち過ぎるだろ。相変わらず、よくわからない。