神は、もはや人間の力では助けられない時のみ助ける。
帰りたい。
電車の中から、なんか変だな?とは思っていた。舞浜駅過ぎても、なんか、ファンシーな車内。
で、該当する駅に着いたら、ロリポップな女の子達で溢れている。いろいろと疲れたのか、俺。間違えた?駅?
だが、その中に間違って混ざり込んだとしか思えない人達がちらほらと見える。合っているな、うん。ナビにミスはない。
いや、この中を改札出て、この人混みに突っ込むのか。
「試される勇気」。
いや、それを人は「蛮勇」と称する。
とりあえず、大混雑な駅ナカのコンビニで飲料を購入するついでに、缶バッチが大量に付いたバッグを持っている彼女達の言葉に耳を傾ける。一体、何なんだ?
「「発起人」さん、会えるかな」
「えー、やだ。「発起人とペア」さん可哀想じゃん?ななさん結婚してたとか、休止したのそれじゃん。イヤ」
出てきた単語を調べる。
「ストプリ」というネットグループのコンサートが同一地点だと。ライブ以外は3Dとか2Dのみ。王子様路線なキラキラアイドル。
なんというか、別世界。現実世界でリアル「対」を体感した。片方は完全に「中の人」、片方は完全に「人」。しかも見た目からして大変厳つい。
・・・もう少し、加減ってあると思う。
どうしてこう、0か1なのか。
このキラキラした女の子達の中を歩くのは、別の意味で試される。紛れ込めないキラキラさ。どっちの公演に向かっても痛々しい。
帰りたい。
そんな気分で彼女達の話を聞きながら歩いている。
若い。キラキラ感に気圧される。
いろいろと、めちゃくちゃ寒い。
海沿いだからか、風が強い。
なんでこんなクリスマスイブを過ごしているんだろう。
いや、うん。
今からだと、一昨日のこと。
真夜中に趣味の散歩をしていたら、なんとなく、好奇心っていえばいいのか「私、気になります!」ってやつが抑えられなくなった。
もう、発作だと思っている。たぶん、みんなあるんだろう。こういうこと。まあ、クリスマスイブに行く気にはならない。知ってる。普通に同僚に平たい声された。
なんなら、全世界のクリぼっちさんが立ち上がって、宗教行事以外のクリスマスイベントをなくせばいいのに。
まあ、どちらにせよ恋人と過ごそうが家族と過ごそうが、どちらも無縁な俺は本当に1人だと実感させられる日だから、嫌いである。
と、いうことで手に入れたのは、この駅で知った「ストプリ」とかいうグループじゃない方のチケット。
帰りたい、いや、帰ろう。とりあえず、向かうけど。
気分は後ろ向きであった。