子供は親に何を期待するのでしょうか?
恵美の態度は次第に乱暴になり、何を親に求めているのかわからない...
翔子の育った家庭は、決して豊かと言える収入ではなかったが、両親は子供達が惨めな思いをしないようにと、できる範囲で幸せを与えてくれた。そんな親の努力に感謝していたから翔子も自分ができるお手伝いはすすんでやっていた。
と言うか、その頃は共働きの家庭では当たり前の事で、鍵っ子も当たり前だった。
今みたいに放課後の児童クラブなんて無かったから。
躾もそこそこ厳しく、親の実家に行くと、正座をし、三指で季節の挨拶をさせられていた。
させられていた...と言うのは、心の中では、よその家ではこんな古くさい挨拶はしていないことを知っていたからだ。
そんな育ち方をしたからか、子供の頃の絵美にも少し厳しい生活マナーを躾けていたかもしれない。
成長と共に、世の中の環境やルールが変わり、それに合わせるように翔子の親としての態度も変わり、絵美の親としての翔子を見る目も変わってきたのだろう、いつしか、翔子も自覚のないまま娘の言いなりになるようになり、絵美は母親を下に見るようになり、挙げ句の果て「毒親」と言い放ったのだ。
まてまて.....
おかしいじゃないか?
毒親って自分の思い通りに子供を支配したい親の事だよね?
今の私って、娘の都合の良いように扱われてるよね...?
と翔子は思った。なのに毒親なのですか?
夜中に電話。
絵美からだった。
その日は、同僚と遊んで来るから迎えは要らないと言っていたはず...
寝てるんだから、出なくてもいいよね?タクシーもあるんだし...
そう思い電話に出ないでいるとメールが来た。
『そろそろ帰りたいんですけど~』
は?で、?
『〇〇にいますね~』
どういうことですか?『迎え、いるの?』
に対して返事なし。渋々、〇〇に行ってみると
「寝てた?起きてたでしょ?私のこと、心配でしょ!だから来ると思ったよ」
とケラケラ笑いだした。
でも、タクシーで帰ってきてもいいんじゃないかと声をかけると
「親でしょ!」
と言い放ち睨んできた。
「だから、毒親だって言うの!娘が職場でイヤな思いして憂さばらしに飲んできてるんだよ!察しろよ!」
と言い、運転している翔子の頭を叩くのだった。
それ以上暴れられないように、ただ黙って家に向かって車を走らせていた。
ただ、黙って....
親子関係は崩壊に向かっている




