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そんなことよりカレーが食べたい。  作者: すけさん
第一章 始まりのクミン
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 スパイス解説:クミン

言わずと知れた、カレーの骨格となるベーススパイス。

ところでこのクミン、実は単体ではカレーの味にならないのを皆様はご存じだろうか?


我々がカレーだと思っているあの味、どちらかというとターメリック(ウコン)の方がベースとなっているのだ。

私は個人的に実験をして、クミン単体で味を作るのとターメリック単体で味を作るのとを比べた結果、クミンはただのエスニック料理にしかならなかったのに対しターメリックを使った料理には不思議とカレーらしさを感じた。

(私は鶏肉にターメリックを振りかけて、オールスパイスをちょびっと、ブラックペッパーをゴリゴリぶっかけた鶏肉を焼いてみたら、フツーにチキンカレーっぽい味になりました。)


ではクミンの味とは何か?

そもそもクミンの発祥は地中海で、古代エジプトや中東、さらにはギリシャ料理などで使われるスパイスだ。

例えば中東料理の「ケバブ」などは典型的なクミンの味なのだが、ケバブはカレーか? と問われると少し違うと感じてしまう。

まさに「エスニック!」としか言いようがないのだが、共感いただけるだろうか?

アフリカ大陸から、中東、インド、東南アジアに南米までと幅広い地域で様々に活用されているオリエンタルなスパイス、これがクミンなのである。


ところで話はすこしずれるが、クミンは中世ヨーロッパでもそれなりに活用されていたはず(奥さんが旦那さんの帰りを待つために持たせるお守りに使ったり)なのに、料理としてはあまり話を聞かないのは、単純に生育分布の問題だろうと思う。

それなりに温かい気候かつ水はけのよい土地でないと育たないクミンは、発祥たる地中海沿岸ではとてもよく育つのだろうが、すこしでも北に行ってしまうともう土地が合わず、大規模な栽培は難しいだろう。

だから例えば地中海沿岸の南フランスあたりはまだしも、それより北へ行くと途端に生産が大変になってくる。栽培地域を調べると北ヨーロッパやロシアでも育てているような記録があるが、量はそれほど作れないように見受けられる。


古い昔のヨーロッパにはギリシャ、ローマに対する盲目的な憧れがあっただろうから南国産のクミンをありがたがる風潮もあっただろうが、社会情勢の変化とともにわざわざ栽培したり輸入したりすることも少なくなり、自然と大々的に使われるようなことはなくなっていったのではないかと個人的には推測している。


和製ナーロッパ的ファンタジー世界はヨーロッパを基調にしていることが多いので、異世界におけるクミンの取り扱いも同じようなものになると私は考えている。

クミンはどうしても育成できる地域を選ぶので世界的には流行らないだろうが、南国の華やかさを演出する異国情緒あふるる香辛料として異世界でも末永く愛されることだろう。


これをカレーという食べ物に昇華させるためにはニホンジーンの転移、転生を待たねばならぬのだが、北欧に近い緯度からスタートさせられるとスパイスの確保のためだけに赤道付近へ移動せねばならないため、浩二はいきなりの大変な長旅を余儀なくさせられるのであった。



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