第5話 ぷろっと
「ところでベアリングとタイヤをなんで作らせるんだ?」
正直、今ベアリングとタイヤを手に入れても受けられる恩恵は少ない
馬車につけてもいいかもしれないがそこまでの効果はないだろう。
「だから、、いってるでしょう、俺らは行商人でさぁ。」
風紀が呆れたようにそう言ってくる。そう、この異世界で当然のように元居た世界の技術を
売ろうとしているのだ。
「いや、まずいだろそれ、、、さすがに自分らの生産ルートが整わないうちから高く売れそうな技術を売るのはまずいって他の商人が目をつけて同じものを量産されようもんなら一巻の終わりだぞ!」
「何言ってんですかい?もう、できてますぜ?車」
「え?何?お前が作ったとかふざけたこと言わないよね?」
さすがに半年でそこまで行けるとは考えられないが
もし作っていたらそう、、、ロマンだ。
「んなわけないじゃぁないですかぃ、普通に科学技術は発展してますぜ?まぁ、正確に言うと科学っていうより魔法なんですがねぇ、、、」
まほう?え?そんなのあるのこの世界開、、
開拓するとか言ってた自分が恥ずかしい、そんな自分をよそに風紀は言葉を続ける。
「車があればタイヤを作っても問題にならないですし、ベアリングも近いものがあるんでそれを改良したことにすればいいんでさぁ。」
確か魔法があるとか言ってたし多分それを使わないようにする改良なのだろう。
でも、本当にそんなことをして大丈夫なのだろうか。上からなんか言われないだろうか。
まぁ、、、いいか。
「一応聞くけどこの世界のベアリングってどんな感じなの?」
この世界のベアリングによって大体の言い訳を考えるしかない。
もしあまりにも構造も何もかも違うのなら風紀を諦めさせたほうがいいだろう。
「これでさぁ」と風紀が出したものは球の周りを二つの輪が交差しているその間はかすかに緑色を帯びて光っている、そしてその二つの円の角度によって回転する方向が決まるようだ。
これなら光の部分を玉にしてみたと言い訳がつくだろう。回転できる方向は1方向になってしまうが
まぁ、問題はないだろう。
「そろそろつきますぁ、荷台の中に図面書いた皮があるんで持っといてくださぃ」
「皮?車作れる文明なら紙とかないのか?」
風紀に聞いた文明のレベルとみてきた物のレベルがあっていないのだ。
「あぁ、それは魔法を使うことを許されたのは貴族と帝国魔専学校の卒業生だけで、その上そのほとんどは帝国首都の研究所に勤務するから文明レベルが高いのは首都だけなんでさぁ」
「なるほど、だからこんなに文明レベルが違うのか、、、」
なるほど、首都が文明を独占している状態のわけか、達平はこれからの予定を組みなおす。
1、合流✔
2、就職✔
2.1、情報確保
3、パイプ作成
.
.
.
そんな風にしていると風紀が話す。
「さぁ、着きましたぜぇここがゴブハ村でさぁ。」