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こちら役割代行サービスです  作者: 月霜 覇夜
序章 ~始まりの物語~
4/25

4.レイチェルの役割

最後の方のセリフを少し変えました。

 ズキズキとした頭の痛みに意識が覚醒する。私はどうなったのかしら……。というか、何があったんでしたっけ?確か卒業記念パーティに参加してた気がするんだけれど、貧血で倒れたのかしら。


 薄っすらと目を開けると、白を基調にした部屋の中にいた。自室のベッドには劣るが寝心地の良いベッドと落ち着くクリーム色の照明、周りから隔離するためのカーテンが見えた。保健室に運ばれたのかと思ったけれど、この部屋には窓がなかった。


「ああ、目が覚めたのね。良かったわ!気分はどうかしら?」


 ぼぅっと周りを見渡し現状を確認しているとカーテンが開かれ、薄ピンクのふわふわした髪が印象的な女性が入ってきた。口調はキリッとしているのに、どこか庇護欲をそそる雰囲気をまとっている。こんな女性学園にいたかしら?


 そしてもう一つ気になるのが……


「まだ少し頭がズキズキとしますが大丈夫。失礼ですがお名前を伺ってもよろしいでしょうか?どこかで声を聴いたと思うのですけど、思い出せないんです。あっ、私はレイチェルと申します」


「レイちゃんね。私はオトメ。分からないのも仕方ないわ。姿を見せたのは今が初めてだから。頭痛は……ごめんなさいね。強制的に交代した影響が貴女にも出ちゃっているのよ」


「れ、レイちゃん……。ん?姿?強制交代?えーと、此処は一体?」


 オトメさんはベッドの近くにあった椅子に腰かけると手に持っていた紙の束を私に見やすいようにベッドの上に広げながら説明をしてくれた。オトメさんってフレンドリーな方ねぇ。


 え?さっきから一応貴族なのにため口が気にならないのかですって?レナード様とのお忍びでよく下町とかもうろつきましたし、私も王子と一緒であまり身分に拘っておりませんので。そんなことよりも、説明に集中しなくては!


「この紙は資料ね。此処は《役割代行サービス》の本部、ローレ!の保健施設ね。作り話みたいなものだけど、レイちゃんが元居た世界とは別の世界よ。別の世界っていうか世界の狭間?」


「役割代行サービス………………。ああっ思い出した!貴女、あの詐欺師さんの仲間ね!!」


 もしやこれは詐欺師さんによる誘拐では……?私はオトメさんから距離を取る為ベッドの上をジリジリと彼女がいるのと反対側に移動する。


「う~ん、とりあえず落ち着いてよ。まぁ、何も知らない人からすれば嘘くさいものねぇ。詐欺だと思われても仕方ないよね。私も最初思ったもの。説明を続けるとレイちゃんは本とか読む?」


「(最初はってどういうこと?)まぁ、本がない人生など無に等しいと思っております」


「いいねぇ、本好き!お嬢様ってどんな本読むの?小説とか読む?」


「そうですねぇ。本であればなんでも読みますが、私は小説とか好きですよ。特に冒険物は心惹かれます。史実を基にしたものも、創作物も。」


「なるほどね。なら、話が少しは分かりやすいかも。物語には主人公とか悪者とかいるでしょ?そういう人たちをを私たちは(アクト)と呼んでいるの。まぁ特別な役割を持っている人のことね。小説には決められた物語があって、一人一人に役割が割り振られているでしょ?実はね、私達にも小説と同じように決められた役があって本来はその役割をまっとうしなきゃいけないの。」


 決められた役?それではまるで……。


「私達も物語の登場人物みたいじゃないですか。」


 私がそう言うとオトメさんは問題を解けた子供をほめるような笑顔を浮かべる。


「その通り!私達は神界と呼ばれる創造神の住む世界の住人に創られた物語の登場人物!世界は神界の住人が物語を生み出すたびに新たに誕生しそして滅びることがないの。一度生み出された世界は例え魔王に滅ぼされようとも、エンディングを迎えたとしても、本を最初から読みなおすように何度でも繰り返すの。」


 時々わからない単語もあって正直、理解が追い付かない。しんかいって海の底って意味じゃないですよね。そうぞうしん……創造の神様。つまり、神様の住む世界。本当に他に世界がたくさんあるのならば、私達の世界にいるという創造神シラハカイアもその世界の住人なのかしら。


「それでは、私に与えられた役割とはいったい?」


 オトメさんはえーと、と言いながらベッドの上にある資料を一枚取り出す。その紙をみると私の……絵?みたいなものが止められていて、箇条書きで文字が書かれているようだった。どれどれ?


「レイちゃんの本来の役割は~、1.将来のお妃さま。相手はレナード王子とでております」


「2.学園に入りしばらくして王子が主人公を気に入り、彼の実家の宿屋に遊びに行くいべんとで王子に連れられ初登場」


「3.王子が成長するためのキャラクター。王子が幼い時にお忍びで出会い、何度か遊んだことのある少女と学園で再開する。少女は魅了魔法で王子を誘惑しようよするも王子はすでにレイちゃんに好意を寄せているため魔法がきかない」


「4.魅了魔法を悪用し、王子に見えないところで私に嫌がらせをする少女を王子は主人公達に協力を仰ぎ捕まえ、王子と私の仲が深まる。王子がメインのいべんとである」


 書かれている内容に首をかしげる。私は学園に入ってからは王子とお忍びで散策をしたことがない。というより冷たい目で見られるだけで、学園に入学してから好意なんて感じたこともない。資料から顔を上げ、確かめるようにオトメさんを見る。オトメさんは真剣な表情でうなずいた。


「学園に入ってからの物語が違う……?」


「そういうことになるわね。私達が代行できる条件は色々あるけど他者の手によって物語が変わって悲惨な目に遭う人の救助だったり、自分の役目を放棄したいと願った人の物語を改竄するためとか色々あるの。」


 何だか私、実はとんでもないことに巻き込まれていませんか?

序章はもう少し続きます。

早く仕事させたい・・・。

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