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聖典の女子高生リフレ

※12月21日、文章校正、誤字修正しました。ご報告ありがとうございます!



私は今年で14歳となった。

背が伸びなくてちょっとばかり幼く見えるけど前世で言うところの女子中学生だ。

ただこの学園は14歳で入学するのが一般的なので同級生はほとんど16歳となっている。

エステレアもクロエもエクレアも16歳で私と同い年はフェリスだけ。

そう考えると、私達は女子高生ということになるのだろうか?

学校のシステム自体が違う以上、前世と比較しても栓のないことではあるのだが……たまに思い出すのだ。

こうして、油ぎったおじさんと2人で部屋にいると。

なんかパパ活してるみたいだと。



「……」

「ど、どうしたのかな? トモシビちゃん。ご機嫌斜めなのかな?」

「大丈夫」



気に入らないことはない。

この総主教は悪い人では……いや悪い人だったけど今では改心して私のペットになった。

もといパトロンになった。

あまりにも何でも言う事を聞いてくれるのでちょっと悪い事をしてる気分になるのだ。

実際に悪い事をしたのは総主教で、私はそれを許した慈悲深い聖少女なのだけれど。



「おじさん」

「パパって呼んでくれないのかな?」

「どうしてペットが、パパなの?」

「ブヒュッ!?」



変な音を出して総主教の息が止まった。

残念だけど私のパパはお父様1人だけなので、この人はいくら貢いでも単なるおじさんだ。



「……おじさん、クロエの聖典、ちゃんとしてる?」

「もちろん飛ぶように売れてるよ。聖少女トモシビちゃんの記録だからね」

「そっか」



腐っても総主教は総主教である。

実は前々からミサでクロエの聖典……新訳聖火書を販売してくれるように頼んでいたのだ。

宗教的な集会に異教の聖典を持ち込むなどはっきり言って冒涜以外の何者でもない気がするが、一応私は正教会においても聖人という神の代行者であるため、それを讃えることに異論は出なかったようだ。

クロエの聖典自体もいささか妄想に走る傾向があるとはいえ、ただひたすら私の言葉や行いを記録したファンブックみたいなものなので受け入れ易かったのだろう。

そもそもクロエの教団自体がゆるい集団なのである。本家の聖火教と違ってはっきりした戒律などもない。



「そ、それでねトモシビちゃん。ちょっとでいいんだよ。ちょっとだけ……ミサに顔を出して、私の膝の上で」

「……パパぁ?」

「ブヒュッ!?」



私のパパ呼ばわりに総主教は再び息を止めた。そしてそのまま口をタコみたいにして私を見る。

目の色が変わってる。

怯えてるような態度だが、何かされることを期待しているようなマゾヒズムに満ちた顔がとても気持ち悪い。

私は右手で髪を耳にかけると、座っている総主教を見下ろした。



「パパが、娘のペットになるなんて……すっごく、恥ずかしいんだよ?」

「ご、ごめんね……おじさん調子に乗っちゃったよ。そんなことしないよね。トモシビちゃん清楚だもんね」

「ん」



おじさんの息が荒い。

私が顔を近づけただけでこれだ。

……冗談でもパパ呼ばわりはやめよう。

洒落にならない気がする。

油ぎった中年男性の性欲を侮ってはならないってエステレアも言ってた。

総主教は私欲しさに国家叛逆に加担したような人物だ。

あんまり刺激すると何を仕出かすか油断はできない。

私の中身が清楚かどうかは疑問が残るけど、見た目はこれでもかというくらい清楚になれるのが私である。

そんな穢れなき聖なる美少女を膝に乗せて愛でたいというのも彼の本心であり、そんな美少女に服従して虐められたいというのも本心なのだろう。

このおじさんはそこらのロリコンおじさんよりずっと業が深い。

聖職者のトップがこれでよく信者がついてくるものだ。

まあそんなねじ曲がった中年男性のリビドーを受け止めることができる私も人のことは言えないのかもしれない。


実のところ、あの内乱後のこの総主教と正教会への対応には苦労した。

何しろクロエの教団……いわゆるトモシビ教を弾圧した相手だ。

その上、御神体たる私を掠め取ろうとしているのだからクロエもトモシビ教の信者も怒り心頭である。

その怒りはこんな感じで正教会がトモシビ教を認め、全面的に便宜を図る方向で一応の決着はついた。

トモシビ教幹部のフレデリックなどはいずれ正教会を乗っ取ろうと画作してるようだが、このおじさんもそこまで甘い相手ではない気がする。



「あと、私の報告した、悪魔のやつは?」

「あ、ああ……とりあえず方針は固まったよ。各地の騎士団の情報共有を密にして……」



まあおじさんはもう私には逆らえないとは思うが、乗っ取りまでするのはいかがなものか?

私もクロエの教団だから保護しているけどトモシビ教を国教にしたいとかそんな願望はないのだ。

クロエが自由に活動できればそれで良いのである。


そんなわけで私は教団同士で丁度良い落とし所を見つけてもらいたいと思ってる。

将来どうなるかは神のみぞ知るといったところか。

まあ彼らの神は私なのだけれど。







「どうでした? トモシビ様」

「売れてる、って」

「そ、そうですか……ぐふふ」



クロエは不気味に笑った。

こんな笑い方だけど喜んでいる事を私は知っている。

正教会の信者をトモシビ教に変えた喜びではない。

単純に自分の著書が広まるのが嬉しいのである。

私はお城に用意された聖少女の間のソファに、靴を脱いで体を投げ出した。



「つかれた」

「いけませんお嬢様、はしたないですわ」



総主教のおじさんの相手をした後、議会にも出席したのだ。

相変わらず眠くて話をあまり聞いていなかったけど許して欲しい。

議会に出る話題などほとんどが事前に根回しで決まってるので私が口を出す事などないのである。



「でも私は、女子高生だから」

「ジョシコウセイ?」

「まったくもう……仕方がありません。せめて私の上でお寛ぎ下さい」

「そっちの方がはしたなくないですか?」



エステレアは寝転がる私を持ち上げ、自分の上に座らせて抱き締めた。

とても柔らかい。

おじさんとは違って全然忌避感はない。

エステレアは抱き締めたまま頬を頭や顔に押しつけてくる。

いつも自分で言ってるだけあってエステレアの座り心地はとても良い。

おじさん臭が塗り替えられていくのを感じる。



「さあこのまま4点責めをしてさしあげますからね。耳と尻尾と首筋でございます。クロエは足をマッサージして差し上げるのです」

「は、はい」



4点責めとはエステレアの全身とクロエをフルに使った欲望溢れるマッサージのことである。

マッサージは私も得意だがエステレアのは一味違う。

エステレアが優しく耳を噛んだ。

それだけでピクリと反応してしまう。

私はこれに弱い。

さらにその手が下半身に伸び……尻尾の付け根を揉む。

私のぷっくりしたお尻の少し上、そこに痺れが広がっていく。

私はこれにも弱い。

さらに首筋や頭を撫で上げると、えも言われぬ快感と恍惚感で頭がいっぱいになる。



「ふぁぁ……」



当然そこも弱い。

私は快感にはてんで弱い。

さらにクロエの神術が脚を揉み解す。

全身が敏感になり、背を逸らしてしまう。

目に涙が出てくる。

嫌なわけではない。自然と出るのだ。

大きな快感は痛みと少し似ている。



「お嬢様が悪いんですからね……あんな変態と2人きりになるなんて」

「ひうっ……」

「消毒でございますお嬢様。小悪魔ちゃんもたまには消毒が必要なのですよ」

「愛ですねぇ……」



クロエは全てわかってるみたいな顔でしみじみと頷いた。

それからエステレアは王様に夕食に呼ばれるまで時間をかけて私を責め上げた。

もといマッサージをした。

実際、変なところを触ったりはしない。

エステレアなりに私をリフレッシュさせているつもりなのだ、たぶん。

クロエはその様子をじっくりと見て時折写真に収めていた。

エステレアに負けず劣らずメイドとしてどうかと思うが、クロエとはそういう子である。

たぶんこれがまた聖典になるのだろう。

ちなみに不思議と疲れは取れた。



女子高生になるとスカート短くしたり派手になったりしますよね。

トモシビちゃんもスカート丈と派手さだけは立派にJKしてるのかもしれません。


※次回更新は12月27日になります。

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