幼少期編第七話
前回の話のラスボスの表記、皆さん何を想像したのでしょうか。
私のイメージとしては、小〇幸子です。
あの人は本当にラスボスのイメージが強いです。
そしてこの世界に来て何か月か過ぎて、
私は一歳を明日に控えました。
ちなみに明日は誕生日会兼、私のお披露目会の予定です。
最初はちょっとしたお披露目会の予定だったらしいのですが
「、、、十枚くらいしか招待状を出していなかったはずだが。」
と鵺黒さんの手には十枚よりも多い返信の手紙が、、、。
どうやら鵺黒さんの私を家族に迎えた事が
色々な妖さんの興味を引いたようで
沢山の妖さんが来ることになったみたいです。
今はその準備が忙しいみたいで、
豊火おじ様と水華お姉さんは食材とお酒などを用意しに出かけています。
鵺黒さんはお部屋で何か準備をしているみたいで
お部屋にこもってます。
私?、、、庭を望める縁側でのんびりしていますよ。
、、、幼児に手伝える事、、、無かったんですよ、、、。
「あちたは、わたちのおひろめかいかぁ。
ちょっとふあんだなぁ。」
そう言えば、私喋れるようになりました。
ある時鵺黒さんに
「零、そろそろ声を出して喋ってみないか?」
『そう言えば、ずっと念話で話してしてたんだっけ
なんか普通にみんなと喋っている気分だったよ。
それじゃあ、やってみるよ。』
「あ、、、ア、、、にゃこく、、、やこく、こりぇでいい?」
「あぁ、ちゃんと喋れるみたいだな。
なら、これからは非常事態以外はそうやって声を出して喋るように。
一応聞き取れるくらいには喋れているみたいだからな。」
「うぅ、ちゃんと、ちゅたわって、いりゅならいいけど、、、。
はちゅおんが、ところどころ、あやちいのは、みのがちてね?」
「追い追い、発音をきれいにしていこうな。」
「あい。」
と言うわけで声を出して喋るのを頑張ってしているところです。
最初は、あ、、、ア、、、とカオナシみたいな声になったけど
そこはご愛嬌ってやつですよ。実際に喋ってみると、
思ったよりも喋りずらいんですよね。本当に。
さてと、話を変えまして、実は今すごく暇なんですよね。
皆忙しくて、話し相手がいないから正直に言えば寂しいんですよね。
だからすこーし好奇心が湧いたので、目の前に広がっている
立派な日本庭園を散策してみたいと思います。
え、勝手なことをしたら鵺黒さんに怒られるだろうって?
やだなぁ、お庭ですよ?迷うわけ、、、無いでしょうヤダー(棒)
前の世界では方向音痴だったんだろうって?
いやいや、冒険者と呼んでくださいよ(笑)。
いつも刺激的な帰り道でしたよ。おかげで知り合いが沢山いましたよ。
「ゆうがたまでに、もどりぇば、いいよね。
それじゃあ、しゅっぱーちゅ!」
こうして私はお庭の散策へと、歩き出した。
さあ、楽しい冒険の始まりだ!
~数時間後~
「、、、ここのおにわって、こんにゃに、ひろいかったのね、、、。」
、、、見事に迷いました。
意外と生えている草木が背が高くて、おかげで方向感覚が失われました。
今何をしているかと問われれば、木の根元で雨が止むのを待っています。
少し歩いたあとに、雨が降り出してきたので慌てて近くに生えていた
木の根元にうずくまりました。
辺りは少しずつ暗くなり、雨はすぐにはやみそうに無かった。
「、、、かってに、でなけりぇば、よかった、、、。
やこくに、あやまらなきゃ、、、。」
するとガサガサっと近くから、葉をかき分ける音がした。
そして、下駄のカラン、カランと言う音が
こちらに向かって音が大きくなった。
そして私の目の前で音は止まり、私は顔を上げた。
「、、、こんな所に居たのか、零。」
「あ、、、やこく、、、。」
そこには、傘を持たずにびしょ濡れの鵺黒さんが、私を見下ろしていた。
「なんでこんな所に居たんだ?」
「ご、ごめんなさい、わたちが、わたちが、わりゅかったの。
ひとりがしゃびしくて、おにわにいって、じゃまになりゃないように
あそぼうとおもって、、、。」
すると、鵺黒さんはしゃがみこんで私の頭を撫でた。
そして私を抱き上げて、私に謝った。
「悪かった、零が小さい子供だと分かっていたのに
傍に居てやれなかった。
小さい子なら不安になっても仕方がないというのに
俺は零に寂しい思いにさせてしまった。
零の気持ちを軽く見ていた俺にも責任がある。」
「わたちこそ、ごめんなさい。
もうかってに、どこかにはいきましぇん。」
「あぁ、出来れば今度からは声を掛けてくれ。
次からは何かをしていても、零よりも優先順位を下げて
寂しい思いはさせないから。
さあ、屋敷に帰ろうか。」
「あい。」
そうして、私のお庭の冒険は鵺黒さんに見つけてもらって
終了した。
これに懲りたので、次はもうこんなことしません。
、、、多分。
「ただいま、遅くなった。」
「ただいま~、思ったより時間がかかっちゃったわ。」
私と鵺黒さんがお屋敷に帰ってきて、
一緒にお風呂に入ってさっぱりした後、
風呂敷を背負った豊火おじ様と水華お姉さんが帰ってきた。
「おかえり、ほうかおじちゃま、みかおねえしゃん。」
「おかえり、二人とも。それで買い出しは無事に済んだのか?」
「あぁ、ちゃんと要るものは買ってこれたさ。
ところで、宴会になると思って大量に買ってきたが、問題無いよな?」
「あぁ、多分酒だの料理などは大量に用意することになるだろう。
水華、酒は用意したか?」
「えぇ、あたし自慢の手作りのお酒はたくさん用意しているわ。
樽単位で良かったのよね?」
「まあ、妖は酒を飲むのが好きな奴ばっかりだから、問題ないだろう。」
「それじゃあ、ちょっとこの荷物を置いてきたら、
食事を作るからしばらくの間待っていてくれ。」
そしてその後、豊火おじ様が作ってくれた食事を食べて
食べ終った後に、私が冒険をしてしまった話をして
鵺黒さんと一緒に怒られて、誕生日の前日は過ぎて行った。
読んで下さりありがとうございました。
ちなみに、私は方向音痴ではありませんよ?
ちゃんと、家に帰れますから。
、、、友人が私を導かなければ。