幼少期編第四話
遅くなりましたが、何とか今日中に更新できました。
危なかったです(汗
「さて、とりあえず色の種類はこれで良いだろう
後、服の形は和服にして、
大きくなっても和服に
今のうちから慣れておけば
後から苦労しないからな。」
「そうね、じゃあ亜絡これでとりあえず
二着ほど今すぐ作れるかしら?
他のは後日でもいいから。」
はい、と言うわけでやっと服が決まりました。
色は、、、何故か二十種類ほど
色の違う布が広げられていますね
おかしいなぁ、最初は少なかったはずなんだけど
段々と布の数が増えて行ってたんだよなぁ、
鵺黒さんと水華お姉さんにそれを聞いてみても
「和服はいくつあっても困らないだろう?」
「零ちゃんは女の子でしょう?
だからお洒落な和服は沢山あってもいいと思うの。
お洒落するの零ちゃんは、嫌?」
と言われ、さらには水華お姉さんの
きらきらとした目を向けられては何も言えなくなった
そうして今繰り広げられている会話に至るというわけです。
二着、と言われて差し出された二枚の美しい色をした
布を水華お姉さんから亜絡お姉さまが受け取ると
「分かったわ。だけどご飯を食べてから取り掛かるわ。
豊火がご飯を作り終わってこっちに視線を送って
うっとおしいから。」
と言った。亜絡お姉さまが向いている方を
見てみると、豊火おじ様がそーっとこちらを
見ていることに気づいた。
|ω・)じー
「う、、、すまん。ご飯は作り終わったがそっちはなかなか
終わりそうになかったからな、待っていただけだ。」
「あら、もうご飯が出来たのね。
それなら亜絡の言う通りご飯を食べましょうか。」
「そうだな、零もお腹が空いているだろうしな。」
『別にそんなにお腹は————————ぐぅぅぅぅぅ————————、、、。』
、、、どうやら気づかないうちにかなりお腹が空いていたみたいだ。
皆を見ると、肩を揺らして笑っている。
そんなに笑わなくてもいいじゃないか、と
じーっと一番笑っていた豊火おじ様に視線を向けると
笑いを収めつつ皆にこう言った。
「くくく、零お嬢ちゃんのお腹は元気だな。
それじゃあ、台所の隣の部屋に行こうか。
その部屋にある食卓にご飯は並べてあるからな。」
「分かった、じゃあ零、とついでに亜絡と水華で
ご飯を食べに部屋に行くか。」
「なんか、ついで扱いされた気がするのだけど、、、
まあ、いいわ行きましょう。
後で、和服は作るわ。」
「ちょっと鵺黒?ついでにって何かしら?
仮にもあたしたち古くからの友人よね?ねぇ?」
「いいから早く行くぞ、零に早く食べさせてやりたいからな。」
なんだかんだ言つつ皆いっしょに廊下を歩いて
いい匂いのする部屋へと入った。
そこにはすごく美味しそうな和食の数々が
湯気を上げながら並んでいた。
それぞれ座布団の上
(私は鵺黒さんの膝の上だった。正直すごく恥ずかしいです。)
に座って手を合わせていただきますと言って食べ始めた
私はなぜか鵺黒さんにあーん、とされながら
おかゆを食べた。すごく美味しいおかゆだった。
『わぁ、美味しい!
これ全部、豊火おじ様が作ったの?』
「おう、俺が一から炊いたり焼いたりして作った料理だ。
ちゃんと零お嬢ちゃんにもそのおかゆを作ったからな。」
「流石は有名な料理人だっただけはあるな。
豊火を呼んでおいて正解だな。」
え、有名な料理人?豊火おじ様が?
少し意外に思って、鵺黒さんに聞いてみた。
『え、豊火おじ様って有名な料理人だったの?』
「あぁ、昔知り合ったときから豊火は少し変わり者で
人間の生活に興味を持っていて、
特に料理について興味を持っていてな
人間の世界に行って料理を学びたいからと
その時人間と交流があってなおかつ妖力が強かった俺に
人間の事を教えてくれと頼み込んできたんだ。」
「そんなこともあったなぁ。
俺にとってはすこし恥ずかしい思い出ではあるが。」
「まあ、自分で人間に化けることが苦手で
俺に人間に化けれる妖術を掛けてくれって
土下座してきたぐらいだからな。」
『え、妖狐の豊火おじ様が?
妖狐って化けるのが得意そうな印象があるのに。』
「実はな、妖狐はそれほど人間に化けるのは上手ではないんだよ
俺たち妖狐よりも、化け狸とか狸の奴らの方が人間に化けるのは上手いんだ
ほら、キツネ七化けタヌキ八化けって言うだろ?」
『へえ、意外かも。それで頼み込んだ後どうなったの?』
「その後は、条件付きで人間の世界で人間に化けて
料理を学ぶことを約束させたんだ。
一つは六十年で人間の術を切る事
一つはいつか豊火の手料理を俺に作る事
この二つだ。
それで六十年たって妖術が切れるころには
有名な料理人として
火加減の達人なんて呼ばれていたな。」
火加減の達人、、、。豊火おじ様のワイルドな見た目には
似合わない繊細な二つ名だと感じるのは私の気のせいかな?
「う、その二つ名は止めてくれ。恥ずかしくなる。」
「ちょっと、箸が進んでいないわよ。
せっかく火加減の達人さんが作ってくれた料理が冷めるでしょ。」
「、、、水華、あとで覚えておけよ。
しかしそうだな、俺の作った料理が冷めて食べられるのは嫌だな。
話はこれくらいにして集中して食べるか。」
「そうだな、話が長すぎたな。」
それからは皆黙々と食べ、少しして皆は食べ終った。
「ふう、ご馳走様。それじゃあ私は和服を作ってくるわ。
二着作り終わったら声を掛けるから
それまでは、あの部屋に入らないでね。
それじゃ。」
亜絡お姉さまはそう言って立ち上がって
さっきの部屋へと向かったみたいだ
「あたしもご馳走様。
多分今日からこのお屋敷に世話になると思うから
部屋の場所を決めてくるわ。
そのつもりで呼んだのよね、鵺黒?」
「そうだな、いろいろ人間の事に
詳しい水華が居ると楽だからな。
好きな部屋で生活してくれ。」
『え、水華お姉さんこのお屋敷に住むの!?』
「あぁ、零をましてや赤子は育てたことがないからな
水華には俺と一緒に零の保護者になって貰いたいからな。
さすがに亜絡は仕事が忙しいだろうから無理だが
豊火は専属料理人としてこの屋敷に住んでもらおうと
思っているが、零は嫌だったか?」
『ううん、すごく嬉しい!これからよろしくお願いします
豊火おじ様、水華お姉さん。』
「えぇ、これからもよろしくね零ちゃん。」
「あぁ、これから美味しい料理をたくさん作ってやるからな。
改めてこれからもよろしくな、零お嬢ちゃん。」
『こちらこそ、改めてよろしくお願いします。』
「さて、零はこの後どうしたい?
俺は暇だから、どこかに連れて行ったりも出来るが。」
改めて挨拶をした後、鵺黒さんにそう問われた。
この世界を見てみたいとは思うけれど、
出歩くにはまだ知識が足り合いなと思ったので
鵺黒さんからまた話を聞いてみたいなと考えた。
『もし迷惑にならないなら、また鵺黒に質問しながら
話をしたいなって思うんだけどいいかな?』
「そのぐらいなら全く問題ない。また俺の部屋に行こうか。」
そう言われすっと抱えられると、今いるご飯を食べた部屋から出て
鵺黒さんの部屋に向かった。
読んで下さりありがとうございました。