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幼少期編第二話

少し遅めの投稿、許して下され。

6/4修正しました。

6/10修正しました

翌朝、日が昇りきる少し前に鵺黒は目が覚めた


「、、、安心して寝ている様だな。

 この(あやかし)が隣に居るというのに、、、。

 さて、いつ起きるかな。」



鵺黒は布団の隣で寝ている零を、微笑ましそうに見つめながら

頭を撫でていた。

鵺黒は目覚めて隣にいる零を見るまで、

零と会ったのが夢ではないかと思っていた。

人間のそれもこんなにも小さく柔らかい赤子に会って

自分の 妖 という存在を受け入れられたのが

妖として生まれてきて初めての事だったからだ。

まあ、その赤子は転生者と言われる特殊な赤子ではあったが。


「しかし、この子には食べるものも着るものも

 まだ用意が出来ていないな。

 ふむ、仕方がないあいつらを呼んでみるか。

 もしかしたら俺よりも赤子について詳しいかもしれない。」


そう言うと、鵺黒はそっと布団をめくって抜け出して

零に掛け直した後、部屋にある窓を開けて

おもむろに懐から出した3枚の紙にそれぞれ囁いた。

するとその紙は見る見るうちに3羽の鳥へと姿を変えて

開けていた窓からそれぞれ別の方向へ飛び立った

鵺黒がそれを見届けていると、窓を開けた為入ってきた光で

零が眩しそうに寝返りをうった


「あぁ、窓を開けたから光が入って眩しかったのか。

 まだ零が起きるには少し早い時間だ、もう少し俺も寝るとするか。」


鵺黒は開けていた窓を閉めて、布団で眠っている零の隣に入った

しばらくすると部屋からは二人の寝息が聞こえ始めた







「、、、んん。」


「おや、起きたのか?零。」


なんだろう、朝から耳元で私好みの声が囁いている気がするが

疲れすぎて幻聴が聞こえるのだろうか


「さて、あいつらはいつ来るかな。

 とりあえず、零、起きてくれ朝だぞ。」


私はまだ寝ていたいなーとその優しそうな声を聞いて

微睡んでいたが、


「零?起きないなら、、、襲ってしまうぞ?」


「ばふっ!?(えっ!?)」


襲うぞと言われたので慌てて起きた。すると

にっこりと笑った鵺黒さんの顔が目の前にあってびっくりした

そうだった、私は異世界で転生して赤子になっていたのだった

にっこりと笑って鵺黒さんはそう言った


「ちゃんと起きてくれて何よりだ。

 さて、とりあえず零はお手洗いに行かなくても大丈夫か?」


『あー、特に食べたり飲んだりしてないから大丈夫。』


「そうか、なら下に降りるか。零、抱き上げるぞ。」


『はーい。あ、その前に鏡のある場所に

 連れていって貰いたいな』


「鏡のある場所か?なるほど、

 もしかして自分の姿を見たいのか。」


『うん、まだ自分では自分の姿を見たことが無いから。』


お手洗いは行かなくていいのかと聞かれたが、

特に済ませたい訳ではなかったし、

恥ずかしかったので断った。

鵺黒さんは私を抱き上げると、タンタンタンと階段を下りて

お願いをした鏡のある場所に連れて行ってくれた。

その鏡がある場所は洗面台だった。その洗面台に嵌めてある鏡を

見やすいように少し前に体を近づけてもらい、

自分の姿をじっと見てみた。


『、、、なかなかの美人な見た目で転生したんだね。

 中身が私でもったいないくらいだよ。』


鏡をみると幼いながらに、将来大きくなったら美人になりそうな

顔の整った赤子の姿があった

普通の日本人の持つ色合いで、普段の鵺黒さんとおそろいの

黒い髪に黒い眼の色合いだった


『良かった、金髪とか青い目とかじゃなくて。

 やっぱり普通の黒髪黒目がいいよね』


「いや、最近は黒髪黒目は少ないと思うぞ。

 むしろ珍しいはずだ。」


え、珍しい?この黒髪黒目が?

とっさに言われたその言葉に少し疑問がわいた。


『珍しいの?黒髪黒目って。』


「あぁ、もともと黒色の髪というのはこの国には少なかったんだ。

 そしてある時から黒い髪は、不吉だと言われるようになった

 理由は黒は夜や穢れを意味すると考えられていたからだ

 そして、人間の中で黒い髪で生まれた子供は

 忌み嫌われ、捨てられたり隠されるようになった。

 そして零は妖力が強いから、さらに疎まれるかもしれない」


そうなんだ、、、。あっちの世界では普通の日本人の色だったから

こっちでも同じだと思ったけど違うんだ。


『そうなんだ、、、。それで、私のその妖力って言うのは強いの?』


「あぁ、初めてこんなにも妖力が強い赤子に会ったくらいだ。

 町に出かけるときは気をつける必要が有るくらいにはな。」


『このままじゃ町に出られないの?』


「そのままの髪色だと、俺も零も妖に襲われるだろうな。

 俺はこっちの姿だと妖力が一切分からないようにしているし、

 零は強く美味しい妖力を持っているから、

 その妖力に誘われて妖が襲って来るぞ。」


『そうなんだ、あれでもそもそも何で人間の私が 妖の力 の

 妖力を持っているの?もしかして私も鵺黒と一緒の妖?』


そうなのだ、今言われて気が付いたのだが鵺黒さんは

‘‘私が強い妖力を持っている’’と言ったのだ

人間の私は、普通に妖力を持っていておかしくないのか、

そう思ったのだ。鵺黒さんにそう言うと、


「実はそこが不思議でな、普通の人間は 霊力 と言われる

 妖の持つ妖力とは違う力を持っているのだが、

 零は妖の持つ妖力を持った()()()()()なんだ

 もしかしたらだが、零は内側に強い妖との縁を持ち

 その妖の妖力を貰って、生まれてきたのかもしれないな。」


『強い妖、、、例えば?』


「例えば、か。そうだな、それこそ神話に出てきた八岐大蛇や

 神に近いと言われる天狐とか俺よりも強い妖だろうな。」


へー八岐大蛇とか天狐っているんだ。ちょっと見てみたいかも

あっちでは神話とかアニメとかでしか聞いたことがないし。


『鵺黒より強い妖っているんだね』


「それは確かに俺も始祖の鬼と言っているが、

 多分初めて鬼と名乗ったからだろう。

 他の奴らは童子とか名乗っていたからな。

 それで俺の後から鬼と名乗るものが増えて、初めて鬼と名乗ったから

 鬼の始祖と言われているのだろう。俺もそう名乗ってはいるがな。

 実際にはほかにも俺より前に生まれている酒吞童子とかがいるわけだしな。」


『なるほど、そういう意味の始祖って事なんだね』


「あぁ、実際にはそう言う意味で俺は言っている。

 さて、そろそろあいつらが来ると思うが、、、。」


『誰か呼んだの?』


「あぁ、料理ができる奴と服を作れる奴、

 後は、昔に知り合った友人を一人呼んだが、、、

 流石に急には無理————————。」


コンコン


「早く中に入らせてくれ、荷物が重たいんだ。」


「急に呼ばないでよね。」


「鵺黒~来てやったから早く開けなさいよ~。」


「来たみたいだな。ちょっと玄関に行くか。」


『私が居ても大丈夫?』


「安心してくれ、一応まともな奴は選んだからな。」


そういいながら鵺黒さんに抱えられて洗面台から離れて、

玄関の方へ向かった

玄関の扉を開けてみると、、、


「ほう、この子のご飯を作れって事か。

 初めまして、俺は妖狐の豊火(ほうか)と言う。

 よろしくな、お嬢ちゃん。」


もふもふの耳と尻尾を出した真っ赤な髪と目を持つおじさまと


「へえ、なかなか可愛らしい女の子の赤子ね。

 これは服の作り甲斐がありそうね。

 初めてお目にかかるわ、私は女郎蜘蛛の亜絡(あらく)よ。

 服を作るのは任せて頂戴。」


上半身は女の人の体で下半身が蜘蛛の紫の髪と茶色の目を持つお姉さんと


「あら、可愛い赤子ね。初めまして、

 あたしは白蛇の水華(みか)って言うわ。

 ぜひとも、水華お姉さんって言ってくれると嬉しいわ。」


最初その人は白い髪に赤い目を持ったお兄さんだったが

私が瞬きをすると白い大きな蛇になった。

そして自己紹介を終えるとまたお兄さんになった。

そんな三人の妖の方々が、玄関に立っていた

そしてすごく、皆さんキャラが濃いです。


読んで下さりありがとうございました。

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