幼少期編第二十三話
すいません、遅くなりましたね。
30日に更新できると思っていたんですがね、出来ませんでした。
「子狐の命はそこで散ったかのように思われた。
しかし子狐は生き延びることが出来たーーーーー
子狐が落ちた川は、少し流れた先の小さな村の近くを通っていた。
子狐はその川の流れに乗って、村の近くの川辺に流れ着いた。
流れ着いてから数刻が経ち、逢魔が時になった頃
一人の少女がとぼとぼと川辺に近づいていた。
「はぁ、やだなぁ。なんであんな事になっちゃったんだろう。
、、、あれ、なんか居る?」
いつもは只々石しか転がっていない川辺に
何かが寝そべっていた。
気になった少女は何かに向かって走って行った。
近くまで来た少女は、しゃがみこんで様子を見た。
「これは、、、犬?うーんでも何だか尻尾が犬に比べてもふもふだなあ。
まさか、狐?でもなんでこんな所に居るんだろう?
小さいからこの狐は子狐みたいだけど、ここに居たことを
大人たちに言ったら殺されてしまうだろうし、、、。」
少し悩んだ後、少女はよいしょっと言いながら子狐を
抱えて立ち上がると和服に付いた砂を払った。
「とりあえず、誰にも見つからないように世話をしよう。
このまま見過ごすなんて出来ない。
しばらくは近くの森にこの子を置いておこう。」
ひとり呟きながらそう決心すると、
近くの森へと急いで走った。
「ほら、お前の分だよ。
たんとお食べ。」
「グルルルル、、、スンスン、、、パクッ。」
保護してから数週間が経った。
毎日とは言えないが世話を根気よく続けたおかげで
子狐は最初に出会った時よりも元気になっていた。
「よしよし、だいぶ元気になってきたみたいだけど、
まだもう少しかなあ?
威嚇してくるのは、まあ、野生の子狐だから仕方が無いけど、、、。
でもまだちょっとふらふらしてるしなぁ。」
「キュウン?」
「とりあえずここに残りのご飯を置いておくから、
ここからあまり出ないようにね。
ここから出たら、大人たちに狙われるかもしれないから。
それじゃ、またね。」
「、、、キュン。」
少し寂しそうに聞こえた鳴き声は果たして
少女に聞こえたのかは誰も分からない。
このまま子狐の世話をもう少し続ける日々があるのだと、
そんな考えを持っていた時だった。
ある日の事、それは起こってしまった。
「ふわあ、う~~ん、良く寝たぁ。
さてと、今日も一日頑張ろう。」
寝床から少女は起き上がると、
簡単な食事を済ませて家から出た。
少女の家には少女の他には誰も居ない。
毎日一人で過ごすことが多かった少女にとっては
保護した子狐の存在はとても大きかった。
「今日は、とりあえず畑のお手伝いをして
それからあの子のもとに行こうかな。
さてとそれじゃあ、」
ふと、何かの気配を感じた少女は
空を見上げた。
「、、、あれは、、、何?」
空に居たのは炎を纏った何か。
次第に炎が薄れて現れたのは、人型だった。
しかしよく見ればその人型には額から生える角があり
手には盃と徳利を持ち、
ニヤついた顔でこちらを見下ろしていた。
「ふーん、ここがニンゲンの住むところか。
仲間から聞いたニンゲンの住むところがあるって
聞いてここに出たってわけで、
とりあえず、さっさと燃やしちまおうか。
ニンゲンの悲鳴を聞くのは心地が良いしなァ?」
すると手に持っていた物を懐にしまい込むと
片手を天に向けて炎の球体を作り始めた。
そしてあっという間に大きくなった炎を持つ腕を
「精々いい声で鳴くことだな、ニンゲン。
じゃあな。」
降り下ろした
キャーーー
助けてくれぇぇぇぇ
ギャーーー
いやぁぁぁぁぁぁぁ
一瞬にして炎は村のあちこちに飛び火して
たちまち辺りは一面の炎に包まれた。
「なんで、、、こんなことするの?
私たちは何も悪いことしてないのに!」
思わずそう叫んだ時、不意に目の前に影が差した。
ぱっと顔を上げるとそこに居たのは
先ほどまで空に浮かんでいた、人型だった。
「何も悪いコトしていない、ねぇ。
妖か、と疑いを掛けては同じニンゲンを、
多く殺しているような奴らが、よく言えるよな。
俺からしたらひどい妖より、よっぽど人間の方が怖いねぇ?」
少し怒ったような声色で告げられたその言葉は
村を燃やされて怒りしか頭にない少女には
煽りの言葉にしか聞こえていなかった。
「なら妖たちはどうなの!?
人間を喰らったり、人間を惑わして
人間を殺して笑うような貴方みたいなのが居る、
妖たちは悪い事をしていないって言えるの!?」
そう少女が叫び返すと人型は、
はぁ、とため息をつきこう続けた。
「自業自得だろ、そんなもの。
それに、ニンゲンを喰らうのは魑魅魍魎がほとんどだ。
俺みたいな人型をとってるやつは
人間を喰らったりすることはほとんどない。
ま、姿かたちが人間と違うからって
妖を拒絶するような心根を持った奴らなんて
いずれにせよ、自ら身を滅ぼすだろうさ。」
そして、まあそんなわけで、と言うと
「同じニンゲンの為に、
見せしめになってくれや。
お前もこんな事になった俺か、同じニンゲンを恨みながら死んでくれ。
そうしたらお前も俺と同じ妖になれるかもなァ?」
嗤いながら、また手に炎の球を作ると
今度は少女に向けて振り下ろした。
これで私は死んでしまうのか、
なんでこんな死に方になってしまうのか
もう、逃げようとする心も無くなってしまった少女は
迫りくるであろう今にもこちらに来そうな、
大きな炎の球を見つめながら、あの子狐はどうしよう
私が保護したのに最後まで傍に居れなくてごめん、
そう考えて瞼を閉じた。
「グルルルルッ!
ギャン、ギャン!」
「、、、え?」
聞き覚えのある獣の威嚇の声が聞こえた少女は、
目を見開いた。
そこに居たのは、少女を守るように背を向けた
少女が保護をした子狐だった。
最初の頃によく向けられた
「なんで、お前が、ここに居るの?」
突然現れた子狐に振り下ろしそうになった腕を
人型はいったん止めた。
「なんだァ?この子狐は。
まあ一匹の獣が混じったところで
殺す事には変わらねえし、そのまま一緒に死んじまえ。」
しかし炎の球を消すことは無く
そのまま振り下ろされた。
ドンッ
ゴオオオォォォッ
しかし少女の意識は途絶えることは無かった。
先ほど体に受けた衝撃はいったい何だったのか
衝撃のせいでしゃがみこんだまま
不思議に思いながら、瞼をゆっくり開けると
そこには先ほどの人型が作った炎を身に包む子狐の姿があった。
「お前、どうして。」
それを目にした人型も驚いたようで
感心したような態度をとっていた。
「ほう、この俺様が作った業火を
見に包んでも死なねえとは
これはこれは驚いたなあ。」
「ギャン?ギャン、ギャオーン!」
子狐も人型が自分の体を見回している事に
気付いて自らの体を見ると
炎を身に包んでいるのに全く熱くないことに気が付いた。
「その様子だと今まで気づいて無かったみてぇだな。
なるほどな、子狐、お前は妖狐だな。
だが妖狐としての力は小さい。多分先祖に妖狐が居て、
炎に対する耐性だけを受け継いだんだろうな。」
珍しい物を見るように人型は子狐を見た。
その目は先程まで人間に向けていた目よりも、
どこか和らいだものになっていた。
「妖狐?、、、お前、妖だったんだね。」
少女が確認するように子狐の背に向けて言うと、
子狐はパッと後ろを振り返り、
申し訳なさそうに鳴いた。
「ッキューン。キュウン。」
「大丈夫、私はお前を嫌いにはならないよ。
私を守ってくれたお前を嫌いにはならないからね。」
そんな場面を見ていた人型は、少し疲れたように
はぁ、と片手で頭を抱えた。
「あーめんどくせぇ!
妖狐とは相性も悪けりゃ、敵にも回したくねぇ奴らじゃん。
っち、興が削がれたな、とりあえずこの村は消すが
お前らは生かしといてやるよ。
せいぜい、いきな。」
そう言うと、人型は村に上がる炎に巻かれて消えて行った。
残された一人と一匹はお互いの顔を見ながら、
どうしたら良いのだろう、と考えた。
「どうしよう、お前は妖狐?だったんだよね
なら同じ妖狐の居る元へ行って生きた方が良いと思うのだけれど。
お前は、どうしたい?」
すると子狐は、離れたくないとでも言う様に
少女の傍へと寄った。
「キューン、キューン。」
「はあ、お前が良いなら良いけどね。
けど、本当にどうしたらいいんだろう?
村は焼けてしまっているし、家も多分焼けてるから
取り出す物も無いよね。」
しばらく焼けていく村を眺めつつ、
ふと、独り言をこぼした。
「、、、妖よりも人間の方がよっぽど怖い、か。」
私はここの村での事しか分からないけど
他の町ではそう言う事があるのかもしれない。
けれどこうやって直接関係のない人達を
見せしめにするのは間違ってる。
なら、
「この目で様々な事を見よう。
そうすれば何が良いのか悪いのかが分かる筈。」
私一人でなんとかできる物ではないのはよくわかっている。
だからこそ、
「ねぇ、お前私についてきてくれるんだよね?」
「キュンキュン。」
「なら、少しだけ私に力を貸してほしいの。
私一人だけでは出来ないけれど、お前と一緒なら
何とかなると思う、、、多分だけどね。」
「キュウン?」
少女はさて、そろそろ動かないとね。と
服に付いたほこりを払いながら立ち上がる。
そして子狐と共に焼けた村を後にし、
その場から去った。
そうして一匹の子狐は、一人の人間に日常を壊され
また一人の人間に救われた。
子狐はその後も少女が死んでしまうその時まで、
共に生きて行動を共にしたという。
少女が亡くなってしまった後、子狐は少女以外の人間の事も
少しだけ気になって人間の世界に行ったとか、ないとか。
これで昔話はおしまいだ。」
ふう、とため息をついてお茶をすする豊火おじ様。
少しだけ、聞きたいことがあったから聞いてみた。
「ねえ、豊火おじ様。その子狐は少女と一緒に居て
幸せだったと思う?」
すると豊火おじ様は、そうだなあ、と少し間を置いて
「幸せだったんじゃないかな、子狐は。
少女に出会ったおかげで人の良い所も悪い所も、
全て幸せに変わったと、俺だったらそう思うな。」
どこか懐かしむような顔で豊火おじ様はそう言った。
それを見た私は、
「そっか、幸せになれたんだね
それなら良かった。」
と豊火おじ様に返事した。
「ああ。
さてと、これ以上お邪魔するわけにはいかねえから
俺はこれでお暇するか。勉強頑張れよ。」
豊火おじ様はみんなが食べ終えた羊羹の入っていた皿を
お盆に乗せて、襖を開けて出て行った。
すると寿さんが、今日はもう終わりにしようか。と言った。
「今日の課題は豊火おじさんの話の感想を書く事。
次の授業までに書いてきてね。」
「わかった。かんそうを書けばいいんだよな?」
「うん、ちゃんと読める字で書くんだよ?
じゃないと課題を増やすからね?」
「わかってるって。」
「それじゃあ、寿さん授業有難うございました。
またお願いしますね。」
「うん、今度からは普通の授業だからね。
それじゃあ、帰ろうか八重。」
「おう、早くかえって書かないと
うまくかんそうが書けないかもな。」
こうして、今日の授業は終わった。
なかなか普段聞けないような話も聞けたから、普段とは違った授業だった。
またいつか、こんな話を聞いてみたいな。
12月は、、、20日が最後、、、30日に更新できるかなぁ
ちょっと状況次第ですが、あと一回は今年中に更新はしますので。
30日に更新していなかったら、多分1月1日に更新すると思います。
ではでは。




