幼少期編第二十二話
お待たせいたしました。
やっと更新できました。
寿さんの授業がある程度まで進み、ひと段落着いた頃
トントントン
「豊火だ、おやつを持って来たんだが食べるか?」
部屋の襖を開けて入ってきたのは豊火おじ様。
和服を着ているけど、料理をするときの前掛けを付けている。
どうやら、皆の為におやつを作ってくれていたみたい。
豊火おじ様の持つお盆の上には、美味しそうな羊羹が一切れづつ
三枚の皿に乗っている。
「どうもこんにちは、豊火さん。
有難く頂きます。」
「あ、豊火おじさんだ。
ようかん、おれも食べるぜ!」
「豊火おじ様、私も食べていいかな?
羊羹、とっても美味しそう。」
「おう、じゃあここに置いていくぞ。」
豊火おじ様はそう言った後に、皆で囲んで勉強していた机にお盆を置くと
ふと、視線を外して机の上にあった授業で使った本やノートを眺めた。
「何々、妖の歴史?また面白い物を勉強しているみたいだな。
なら、そんな話をしている君らに昔話をしてやろうか。
羊羹を食べながらで良いから、聞いてみてくれ。」
「楽しみです、どんな昔ばなしでしょう?」
「そうだな、人間に興味を持った一匹の妖についての話さ。」
「にんげんに、きょうみを持った妖?
どういう話だろう?」
「まあまあ、それを話しちゃ面白くないだろう?」
「それもそうなのかな。
じゃあ、豊火おじ様聞かせてください。」
豊火おじ様は少し深呼吸をすると、
ゆっくりと話し始めた。
「これはな、今からちょっと昔の一匹の獣から始まる話だーーー
昔とは言ってもちょっと前。
人も寄り付かないような深い山の中、ある獣の家族が住んでいた。
その獣の家族はピンと立った耳に、もふっとした尻尾を持ち
寒い時には皆で集まって丸くなりながら、寒さから身を守った。
獣の種族は狐と言った。
狐の家族は父親と母親と三匹の子狐で、
やんちゃ盛りの子狐達は毎日色んなところを冒険しに行っては
父親や母親に首を咥えられ巣に戻されていた。
そんな日常は突如として終わりを迎えた。
ある日子狐がいつもの様に周りを冒険していると、
何処からか足音が聞こえてきた。
それは自分よりも大きな足音を出しながら、
辺りを歩きまわっている様だった。
子狐は好奇心に駆られ、その足音の主を見ようとして
近くにあった木の枝を踏んでしまった。
パキッっと音がして、その足音の主はこちらを振り返る。
足音の主は、人間だった。
子狐は親から人間は、危険だと言う事をまだ教えてもらって無かった。
だから油断したのだ。
例え人間がこちらに火縄銃を構えていたとしても、
火縄銃が何かを知らなかったから。
「見つけたぞ!!忌まわしい妖狐め!!」
バアンッ
気が付けば火縄銃に撃たれ、額にケガをしてしまった。
そしてやっと子狐は人間が危険なものだと理解し、必死に逃げた。
危険な事を家族に知らせるため、必死に走った。
巣に着くと皆に危険なものが居るから、逃げようと言った。
それを聞いた家族と自分は
それぞれ散り散りに逃げた。
けれど撃たれてしまった子狐は、逃げている途中で体力が尽きてしまった。
しかし力尽きた場所が悪かったのだろう。
逃げている山の中で力尽きたのだが、
走っていた所は崖のような場所。
人間が追って来れないような場所を選んで走っていたのだ。
そして崖の下には川が流れており、
力尽きた子狐はそのまま崖から落ちてしまい、
川に落ちて行った。
とここまで話して豊火おじ様はふぅ、と持ってきていたお茶で喉を潤した。
そして私たちに少し問いかけた。
「さて、ここまで話したわけなんだが
聞いてどう思った?」
問われた私たちは少し悩んで、
寿さんが最初に口を開いた。
「今のところは、ただ人間に殺されかけた狐のお話
と言った感じですね。
やっぱり決めつけて殺そうとしてしまう人間は、
昔も今も変わらないんですか」
「なんできめつけできつねを殺そうとするんだよ。
もし、ようこってやつだったら見つかったときに
ようじゅつか何かをつかって、にげてるだろう。」
「ただの狐でも妖狐かもしれないって疑われるなんて
昔は今よりも妖にとっても、それ以外でも厳しい世界だったのかな。
今みたいに陰陽師とか隠れる術があまりなかったのかも」
それぞれの意見を聞いた豊火おじ様は、そうだな、
と言いつつこう続けた
「確かに今のところはそんな印象が強いだろう。
だが、この話にはまだ続きがある。
この先の話が一番重要な話になるんだ。」
そう言って豊火おじ様は再び話し始めた。
30日ぐらいには問題なく更新できる、、、筈です。




