古い記憶
雨やら風やら吹き荒れていますねぇ。
気が付けば、すべてがなくなっていた。
目の前に広がる光景はいったいなんだ?
赤く燃え盛る炎、ほとばしる殺意の籠った術、散っていく命。
辺りはまるで地獄、作られた地獄。
僕たちが何をやったと言うのだろう。
ただただ、人間には干渉せず自分たちの規則で暮らしていた。
それなのに、何故?
僕達が、何をした?
叫んで、泣いて、伝えても
「お前たちが居るのが悪い!お前たちなんて居なければ!」
言葉も、思いも、願いも、何もかもが届かない。
どうして僕たちを襲った?
お前なんて居なければ?
むしろ僕たちの力を借りてやっと生きていられる弱者のくせに。
お前たちの為にいくつの命が散って、帰ってこなくなったと思っている?
昨日笑いあったあいつは?
いつも美味しい料理を作ってくれていたあの人は?
小さい手で僕の手を握って、うれしそうな声を上げたあの子は?
生まれたばかりだった赤子の命さえ、すべてなくなった?
あぁ、憎い。憎い。憎い。
人間が憎い。すべてが憎い。
僕たちを、僕以外をなくした僕が、世界が、すべてすべて憎らしい。
いつか必ず、復讐してやる。
その為には人間に紛れよう。
憎らしい人間の真似をするのは
殺意に耐えるのもやっとだけれど、復讐の為だ。しかたない。
紛れて、欺いて、仲間のふりをして、そうして油断をさせて。
復讐の刃を突き刺すんだ。
でも、その前にしなきゃならないことがある。
みんなに、謝らなくちゃ。
ーーーーーごめんなさい、僕だけが生きてしまって。
必ず、あいつらを破滅に追い込んで
僕たちの仇を取るから。
だから、待っててね。
たとえ、僕の命を変えてでも、
復讐してやるから。
そうしてすべてがなくなった後の大地で
叫んで、誓って、倒れて、そして起き上がって
復讐の為、少年は歩き始めた。
たとえその歩き始めた道が、
己の命を削るものだとしても。
今回も読んでくださりありがとうございました。




