幼少期編第九話
う、間に合わなかった、、、orz
「ごちそうしゃまでちた。」
けぷっと息を吐きながら手を合わせて言うと、
皆が微笑ましそうに私を見ていて少し恥ずかしくなった。
皆はすでに食べ終えているので、私が食べ終るのを見ていたのだ
ま、まだ小さいからゆっくり食べないと綺麗に食べれないんですぅ。
その意味も込めて、料理を作ってくれた豊火おじ様や
水華お姉さん、鵺黒さんにジトっと視線を送ると
笑いながら皆が言った。
「おう、美味しく食べてくれてこっちも嬉しいぜ。」
「そうね、零ちゃんの美味しそうに食べる姿は
小動物みたいに可愛くて見てると微笑ましくなるわ。」
「そうだな、じゃあ食べ終った事だし、それぞれアレを出そうか。
ちゃんと用意できてるよな?豊火、水華。」
「あぁ、もちろんさ。」
「当たり前でしょ?」
「やこく、あれってにゃに?」
そういえば、ご飯を食べ終わったら何かを渡すって
言っていた気がするけど、そのことかな?
そう思って聞くと鵺黒さんは丁寧に答えてくれた。
「今日は零の誕生日だ。だから誕生日のお祝いの品を皆で用意したんだ。
ここには今居ないが、誕生日は祝いたいという亜絡からも
さっきお祝いの品が妖術で届いた。」
と言うと鵺黒さんはそっと少し大きい綺麗な桐の箱を私に見せた。
「零、開けてみるか?」
私はその箱を受け取ると私は畳の上に置き
その箱を少し眺めた。
「うん。こにょはこ、なかには、なにがはいっているんだろ?」
そっとその蓋を開けてみると、中には一枚の手紙と
白色の胡蝶蘭の刺繡が見事な赤い着物と
着物に合わせた帯が入っていた。
「わぁ、しゅごくきれいなきものだね。
このきものって きょうのおひろめかいで、きていいのかな?」
「着てほしくて亜絡はこの着物を贈ってくれたんだろうから
今日はこの着物を着てお披露目会に出るとしよう。
そう言えばその箱に手紙が入っていたが読んだ方がいいか?」
「うん、おねがい。」
「じゃあ読むぞ。零へ————————
零へ
お誕生日おめでとう。
誕生日と言う事なので、
私からはあなたの誕生日の花の胡蝶蘭を刺繡した着物
と着物に合う帯を贈ります。
亜絡より
これで以上だな。流石は亜絡だな、良い布を使っている様だ。
大事にしような、零。」
「もちろん、たいせちゅにきるよ。」
もう少し大きくなっても、多分亜絡お姉さまの技術で
裾の布を下ろしたりして、着れるようになっていると思うから
せめて五歳くらいまでは着たいなぁ。
そっと桐の箱に広げていた着物を入れた。
あんまり触ると何かの拍子で壊しそうで少し怖いから。
「さて、亜絡の次は誰が零に渡す?」
「そうだなぁ、次は俺が渡そうか。
これを。零お嬢ちゃん、お誕生日おめでとう。」
「ありがとう、ほうかおじちゃま。これは、、、あめざいく?
すごい、こちょうらんとちょうちょ?」
豊火おじ様から渡されたのは、胡蝶蘭の形と蝶々の飴細工だった。
胡蝶蘭は前の世界で見た胡蝶蘭と見分けがつかないくらい
丁寧に作られていた。
蝶々も持っている手のひらから、
今、飛び立つように感じるくらい翅も触覚も本物の様に見える。
職人さんでもこんなに細かく本物に似せて作るのは難しいと思う。
しかし、豊火おじ様は不安そうな目で私を見ていた。
「あぁ、俺には贈り物と言って出来るのは料理だから
形が残らないから喜んで貰えるかは分からなかったが、
飴細工なら得意だから作ってみたんだ。
どうだろう、気に入ってもらえたかい?」
「うん、もちろんだよ。こんなにこまかくて、しあわせな
たべられるおくりものができるのは、ほうかおじちゃまだけだよ。
だから、らいねんもたべられる、しあわせなおくりものがほしいな?」
「っ、、、そうか、そう言ってもらえると嬉しいもんだな。
分かった、来年も食べられる贈り物を贈るよ。」
「あらあら、良かったわね豊火。
初めて言われたんじゃない?食べられる贈り物が嬉しいって。」
「うるさい、水華。余計な事は言わないでくれ。
次は水華が渡すんだろう。」
「そうねぇ、あたしが贈るのはこれよ。」
そう言って水華お姉さんがドドンッと効果音が付きそうな勢いで
取り出したのは、、、小さな瓶と、お、お酒の壺!?
すぐにゴチンっと痛そうな音が聞こえて、水華お姉さんの方を見ると
頭を抑えて涙目になっていた。
「痛いじゃない、どうゆうつもりよ豊火。」
「いやいや、そっちこそどうゆうつもりだよ。
鵺黒に言われていただろう、
零お嬢ちゃんの前で酔っ払えばお前を酒にするぞって。
忘れたわけじゃないなら、なぜ出した?お前が飲むつもりか?」
「、、、本当に飲ませるつもりは無いよな?
前にも言ったはずだよな。」
「そんなわけないじゃない。
流石に鵺黒が居る前ではそんな真似しないわ。
これは護身用よ。これは自分に対して悪意のあるものが居て
逃げたいと思ったときに、これを被らせたら眠らせることが出来るのよ。
後は、気絶している者に飲ませて起こすことも出来るのよ。」
「なるほど、お前の手作りの護身用道具か。
それでその壺に入っているのを、
こっちの小さい瓶に入れて携帯出来るのか。」
「そういうものなんだ、、、。でもなんで、ごしんようのどうぐを
わたしにわたすの?きけんなことでも、おきるの?」
「そうだなぁ、これからずっとかもな。
何せ色も妖力も霊力もすべてが危険になりうるからなぁ。
本人は自覚が無いのが怖いところだよ。なぁ、鵺黒。」
「だから今日のお披露目会と、水華の贈り物があるんだろう。
ただの人間にも妖にも、狙われる様になるかもしれないんだ。
俺も守れるような物は渡すつもりだからな。」
「まあ、そうでもしないと零ちゃんが危ないもの。
それで、鵺黒は何を渡すの。」
「俺は、、、これだ。」
鵺黒さんはすっと懐から細長い物を取り出した。
よく見ると、鈴の付いた紅白の髪紐だった。
「わぁ、かわいい。これはかみひもだよね
まもるものっていってたけど、どうゆうもの?」
「これは特殊な妖術と霊術を組み合わせて、効果を付けたものだ。
これを付けていれば、妖力、霊力の二つを抑えてさらには
いざとなったら攻撃妖術が放たれる。
これも護身用だ。こうやって、ほら、見ただけではただの髪紐だから
いざとなった時も相手を油断させやすいだろう。」
鵺黒さんはそっと髪を触ると髪紐を付けてくれた。
頭を揺らせば、控えめにチリン、チリンとなった。
「ありがとう、やこく。そうゆうことにならないようにするよ。」
「そうだな、それが一番だな。
さて、そろそろお披露目会の準備をしようか。
お昼になっているから、零はすこし眠っておくといい。
夕方になったら起こすから。」
「はーい。」
「じゃあ、俺たちも準備するか。水華、手伝え。」
「分かったわ、じゃあまた後でね、零ちゃん。」
そう言って、皆それぞれの場所へ散った。
私はお昼寝をするために、鵺黒さんの部屋に行き
少しワクワクして眠った。
読んで下さりありがとうございました。
今度は確実に間に合わせます。




