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COLORs  作者: 目黒九六
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0/0/0.開幕

或所に魔女がいた。

世界でただ1人の魔女が生きていた。

その魔女は色を操る事が出来るだけであった。

色を操る事のできた魔女は世界に色を散りばめた。

魔女が生み出したのは世界が単色である世界。

赤色は怒りを顕にし争いを孕んだ。

青色は哀しみを纏いただ涙を流した。

緑色は何もしなくなりその時に身を委ねた。

黄色は眩しく視界を阻み全てを見るのを忘れさせた。

黒色は何も見えず前に歩むことを諦めさせた。

白色は過去も未来も創り出すことはなかった。

世界に色を与えた魔女は居なくなった。

世界でただ1人の魔女は消えた。

或所に魔女などいなかった。


ただ、そんな物語から始まる。

白い。

白い。


ただ白い世界。

その白い世界に少女がいた。

少女がいた、と言えるのか、“少女であったモノ”があった、と言うべきか。

ソレは、自身の血液と他者の血痕とで血塗れである。

そして、ソレは蹲り両手を腹に抱え握り締めていた。

その両手の中には、手に収まる程の白い小さな板状の何かが収まっていた。

身体は小刻みに震えている。

生きてはいるようだが、今にも死んでもおかしくない程に瀕死の状態であった。


ソレは顔をあげた。

赤に染まりつつある透き通った白い髪が頬を撫で、特徴的な赤色の目を覗かせる。

赤い目は焦点は定まっておらず、しかし、ただ一点を見つめているような感じがした。

ただ一点、そこに失ったものを探しているかのように。


そして、ソレ―――少女は口を開いた。


「―――エリーゼ、助けにいくね―――」

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