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Past:code ー無力な凡人と万能人ー  作者: 翠 紫代
第1章 始まりの一週間、唯一無二の万能人。
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第1話 自分のやれることは


ーーーーー東の空から陽が昇る前。


閑静な住宅街の中央に位置する小さな家のとても綺麗とは言い難い部屋の中で、小型のディスプレイを手に握り見つめながら学校への仕度を進める一人の少年がいた。



「うぁ~またで殺人事件かよ、マジかしかもめっちゃ近いじゃん...。」



ネットニュースのトップで盛り上がっていた記事を呆れた様に見ながら、仕度を進める。

最近この地域の近くで凄惨な死を遂げる遺体が発見されるようになった、いわゆる猟奇的殺人事件ってやつだ。

しかもこの犯行似通った共通点があった。



「『噂の事件の犯行後に残された文字の意味とは!?』か、なんでこういう煽るような取り上げ方するかな。」



この事件が起きた場所には意味不明な文字が残されていて、世間がこぞって取り上げていた。それだけじゃない事件に遭ったの遺体の凄惨さがなおのことこの事件を引き立たせているのだが。


人が死んでいることには変わりはない。



「酷ぇな世の中の反応ってやつは。」



頭を押さえて迷惑そうに言う。

そもそも、大衆の反応なんてこんなもんだろう。

人が死んでいようと、自分の周りで事件が起きなければ誰もが興味を失う。

その事件に何かしら、目につくような事ーーーーーーー


奇異な事が無ければ。


おもむろに時計を見る。

時計は6時になろうとしていた。



「うあっ!時間が無ぇ早くしないと。ーーーーー」



気づいたら陽が昇り始めていた。



「こんなの事になるんならだらだらすんじゃなかった!」


「糞がぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



途中、チラシなどが山積みになっている箇所で躓きながら玄関までの猛ダッシュを決め込む。



「痛ぇっ!なんだこれって...ん?」



玄関を出たところすぐに小包が置かれていた。

しかもなかなかに重い。

宛先は書いていないようだが...。

この家にはあまり親は帰って来ないので親への物ではないのだろうが。

無論、僕の物ではない。



「?まぁいいか。」



時間が無いので見ている余裕なんざ何処にも無い。

なので、家の中に入れ鍵をかけて駅まで休みなしで走っていく。ーーーーー



  ■■■■■ ■■■  ■■■■■■■■■■■■■■■



「ギリギリセーフか?これは。」



間一髪のところ電車に間に合った。

これで成績を落とす事はなさそうだな。

そんなことを思いながら、電車に揺られながら学校に向かう。


この少年、"倉田 瞬"の通う高校は自分の住まう住宅街から高校まで電車で1時間位かかる。

なので、朝早く起きて仕度しなければならない。

こうしてギリギリで高校に行くのはなにも初めての事ではない。ーーーーー


"結構毎回あることだ。"


そう思っている。



■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■ ■■



ーーーーーーそこから時間は経ち...。


陽も沈みかけている頃。

シュンは悩んでいた。



「どっちにしようかねぇ~。」



自動販売機の前でものすごく悩んでいた。



「う~ん、これを買ったら電車賃が無くなる...。でも、水を飲みたい。」



シュンの財布の中身はとても殺風景だった。

これは運命の選択だ。

喉の乾きに負けるか、ここで耐えて家に早く帰るか。


少年は後者を選んだ。



「家に帰るか!」



そうだそうしよう。シュンはそう考え自動販売機を後にした。



「こんなことで悩んじゃだめだよな、ははは。」



シュンはこんなどうでもいい事をしながら。

帰路を急ぐのであった...。ーーーーー



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



ーーーーーすっかり陽が沈んだ頃。

シュンは住宅街の道を歩いていた。

辺りは暗く街灯がポツン、ポツンとある程度だった。

暗く静けさもあったので、少し怖くも感じた。



「いやぁ、こんな遅くなっちゃったなぁ~。」



頭を掻きながら、自分の優柔不断な考えに後悔していた。

もともとこんな事になったのも自分が悪い。

そんなことは解っている。ただ、ーーーーー



「もっと明るくなかったけ?」



この時間いつもならもうちょっと明るく、家々の灯りも見え始める時間なのだ。

何故か、この日はどこの灯りも点いてはいなかった。



「あれぇ?皆、外出中なのかなぁ?」



少年は何かしら悪いものを感じた。

別に霊感や何かがある訳じゃない。

ただ、ーーーーー


何かがおかしい。



「どういうこっちゃこれは?なんだよこれ。ーーーーー」



新手のイタズラか何かならいいが、この空気感はそんなんじゃない。

なんだろう、もっとこう言い表せない淀んだ空気だ。


ーーーーーすると、自分の横を何かが通りすぎたような気がした。



「なんだ今の?」



シュンには何が通ったか解らなかった。

人のような感じのシルエットだったような気もしたが。

きっと見間違いか、何かだろう...。

そう、信じたかった。


だが、シュンの脇腹から紅く赤い液体が飛び散った。

足元のコンクリートを真っ赤に染める。

シュンはそのまま地面に倒れた。



「はは..ははは...こんな事ってアリかよ。」



血液が辺りの地面を染め付ける。

どんどん感覚が鈍っていく...。



「なんだよ..僕はここで...死ぬのか...。」



意識が遠のいていく。

このままでは死ぬ。



「まだやりたい事.....色々あったかな..。」



まだ意識がある、まだ死なない。

喉が痛い。

とても苦しい。

このまま僕は、土に還るのか。ーーーーーー



「...死ねるか..こんな...ところで。ーーーーー」



すると突如、少年の体は光で覆われた。



「なん..だ...これ。」



落ちていくような感覚に襲われ、必死に手を伸ばす。

でも、手は上がらない。



「....もう一度..やり直...したかったな。」



ーーーーーーー少年の意識はここで途切れた。

この後、シュンがどうなるかこうご期待!

1話を見てくださりありがとうございます。

これからも頑張っていくので宜しくお願いします。

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