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「パパほんと優しい。鉄拳の一つも見舞わないなんて、マジ仏」

「ええんや。一般市民さんに乱暴はよくない。それに、拳ってのは簡単に振るうもんちゃうんや。ほんまに必要な時に、俺はこの拳を使うんや」

「あ、やっば胸きゅんやっば。なんでパパはパパなの? もうマジパパと結婚したいんだけど、どうにもならない?」

「ほな、来世では必ずお前を迎えに行く」

「パパそれ以上やられた心臓止まるから手加減して」


 朧気な意識の中、結局俺は組長の恐怖に屈し、柚葉の万引きなどなかったと説き伏せられた。


「これでこの話は終いや」


 そう言って、大根とがんもと卵と牛すじのお金だけを置いて、前崎親子は店を去っていった。

 店の入り口を掃除していた田村君は丁寧に彼らにお辞儀、組長はニヒルに腕を上げ、柚葉は気さくに手を振り帰っていった。


 なんだったのだ。一体。


「店長、大丈夫じゃなさそうッスね」


 見りゃわかんだろ、バンド崩れが。てめえのせいでこんな事になってんだぞ。


「まあ、これで一件落着ッスね」


 どこがだ。いや、まあ確かに命あるだけでも良かったか。結局何を奪われたわけでもない。

 これで、これで良かったんだ。これ以上深入りなどすれば、災いが降りかかるだけだ。


「田村」

「はい?」

「てめえはクビだ」


 お前だけは許さんがな。


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