異世界チート作品と比較した司馬遼太郎の「国盗り物語」
「小説家になろう」を教えてもらってから約2ヵ月。
面白い様々な作品を楽しませてもらっております。
中でもランキング上位の作品は、読んでいてワクワクさせられます。
このワクワク感は、なんだか経験した事が有るなあ、と思っていたのですが、考えてみると司馬遼太郎の作品、中でも「国盗り物語 斎藤道三編」を初めて読んだ時と似ております。
そこで、ちょっとだけ両者の比較を行ってみたいと思います。
同様の比較分析等が、すでに行われているのであれば、この文章は直ぐに削除させていただきますので、ご指摘・ご指導よろしくお願いいたします。
国盗り物語の構成は
①主人公(後の斎藤道三)は、比叡山の貧乏学僧で、現状に不満を持ち寺を飛び出す。
②身なりをそれらしく整え、隊商護衛の職にありつく。護衛ミッションクリア。ステータスUP。
③富商の後家を篭絡し、入り婿となる。ステータスUP。手持ち資産UP。
④学僧時代の友人を頼って、京都から美濃へ行動範囲の拡大。マップ追加。
⑤美濃国で守護大名の弟に仕官する。ステータスUP。
⑥商人の特技「関所フリーパス」を使用して、京都~美濃間の高速移動を可能にする。
⑦京都で「商人」として資産を増やしながら、美濃で「武将」のランク上げ。
⑧京都の女房(熟女美人)以外に、美濃で側室(美女)と正妻(少女)を得る。縁故レベルUP。
⑨守護大名の弟を担いでクーデター。クーデター成功で、守護代にステータスUP。
⑪尾張・越前・近江と戦闘。勝利してステータスUP。
⑫クーデターで自らが戦国大名に。ジョブチェンジ。
と、いう具合に進んで行きます。
現状に不満を持っている主人公が、異世界に飛び出すきっかけが、強制的か自発意思であるかという違いはあるのですが、生まれ落ちた環境及び時代による思考に束縛されない事、その事がチート能力発現の原動力に成っている事、などの相似点が挙げられる様に思われます。
(現在での研究では、斎藤道三の業績は一代で成し遂げられたものではなく、親子二代に渡るものとの成果も出ているようですが、ここはあくまで、作品「国盗り物語」との比較です。)
ある意味似ているような構成の司馬作品としては、「花神」が挙げられるかもしれません。
主人公の村田蔵六は、村医者でオランダ語を習得したが為に、維新の動乱に巻き込まれます。
武力 0、体力 最低レベル の主人公ですが、合理的思考を武器に、四境戦争や上野戦争で無双します。
逆に、レベルUPして強力になった主人公ですら、技術の進展や時代の流れに取り残されて、破滅してゆく姿を描いた作品が、土方歳三を主人公に据えた「燃えよ剣」であるのかも知れません。
なんだか、まとまりの無い、締まらない文章になりましたが、異世界チート作品の幕の下し方を考えた場合、「燃えよ剣」方式というのは、一つアリかなあ、などと夢想しております。
じゃあ自分で書いてみろよ、と言われれば、とても無理としか答えようがないのですがね。へへへ。
歴史小説と異世界チートものを、ちょっと比較してみただけの文章なのですが、ジャンル分けとしてはどちらにも属さないので、エッセイかなぁと。
「その他」の「その他」にするべきなのか悩むところであります。