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020.5 side:真紀

一人称の方が書きやすいですね。やっぱり

あんびりーばぼーです、ママ。

今ウチの目の前に女神が降臨してる。

いや、ちがくて。

あまりの出来事に現実がどっかいっちゃってた。


ウチ、いつものように店の手伝いをしていたんだけど。

今、ウチの前にとんでもない人がいる。


なに?このザ・パーフェクトって感じ。

女の夢が凝縮されたような人。

あ、これ梵女の制服だ。

高校生なんだ。

え?高校生?

これで高校生???

だって、え?・・・む---いや何でもない何でもない。

えっと、この人ウチの店でなんか買うんかな?マジで?

もっとモールとかのブランド専門店とかが似合う感じなのに。


と思ってたら、なんかその人ウチの前に来るんですけど!?

逃げた方が良いかな、コレ?


「あの、これ置いてますか?」


・・・・えっと、アノコレオイテマスカってどういう意味だっけ?


・・・・・・・?


ああ、違うってコレ。

ちょっと本気で思ってしまった・・・恥ずかしぃ~。

顔が真っ赤になるのがわかるけど、なんとか声を絞り出した。


「ああ、えっとどれですか?」

「これです」


そういって、女神は前髪を纏めていたヘアピンを見せてくれた。

それはどこかで見覚えのあるヘアピン。

あれ?これって・・・

そうだ!

この前、翔太に売ったヘアピンじゃん。

二本セットで300円ぐらいのやつ。


「ああ、これって」


ウチそういって手を伸ばしたん。

そしたらすいっとヘアピンが引きもどされちゃってウチの指が空振った。

あれれ?と思ってその人を見たら、ちょっとビックリした。

あの女神さまのような綺麗な顔を、前髪がほとんど覆い隠してしまって、印象がまるで違ちゃってた。

前髪ひとつでここまで変わるの?

詐欺じゃん。

そんな感じでマジマジと見つめてしまったウチ。

ヤバ。

失礼だったかなと反省。

でもその人はニコリとウチに微笑み返してくれた。

えへへ、なんか照れるね。

おっといかんいかん。

ウチはすぐに営業用に頭の中を変えた。


ああ、うん。

思い出してきた。


あれは確かに店にある。

ウチは視線をヘアピンの置いてある場所に送った。

どうやらその人もウチの視線で気付いてくれたみたい。

ありがとうといってそっちに歩いて行った。

ああびっくりした。

でもすごいね。

もうモデルとかそういう枠に収まらないよ。あの人。

写メとっちゃダメかな。

ダメだよね。

そんなことを思ってたら、またその人が私に聞いてきた。


「あの、これ。ここにあるだけですか?」

「へ?」

「できればあるだけ欲しいんですけど」

「あるだけ!?」


ヤバ。

声が裏返っちゃった。

何人かのお客さんがこっちを見てる。

うぅ~ハズイ。


「えと、少々お待ちください」


そう言って私は逃走、もとい在庫を確認しにいく。

なに?あれってそんなに流行ってたかな?

そんな感じではないんだけど。

小中学生がつけるような、ちょっと可愛い系のやつ。

あれ?

でもあの人もなんでそんなのつけてるんだろ?

もっと、こう落ち着いた感じのが似合う気がするんだけど。

・・・まぁそれでも、十分美人なんだけどさ~。くそぅ。


あった。

二本セットで5個。


ウチはそれを掴んで、その人のもとへ向かった。


「えっと、あと5個ありました」


そういうと何故かその人は少しがっかりしたみたかった。


「追加で取り寄せとかできます?」

「取り寄せですか?おいくつほど?」

「えっと、じゃあキリよく100個お願いします」


・・・・・ナンデスト?


マジで?

それほど!?それほどなの!?

このヘアピンが?

正直この人みたいな美女が付けるデザインじゃないんだけど。

私のセンスが古いの!?

300円のヘアピンが100個ってことは、えーっと、いくら?

3万円!?

ヘアピン1種に万単位かけるとか、どういう人?

え?え~~~・・・いや、まあ、こっちは客商売だしぃ。

買うっていうならもちろん取り寄せるよ?

注文書に品番と数を記入して、相手の住所諸々を書いてもらう。

ふーん。姉崎・・・何て読むのかなモエエ?モモエ?・・・あ、モエか。

ウチ漢字苦手だからなぁ。

姉崎さんは今ある分を購入して、すごい嬉しそうに帰って行った。

長いこと店番してたけど、こんな日もあるんだなとウチは思った。



後日、そんなに流行ってるのならと別口で20個ほど発注してみた。

結果としては、売れた。

うん。売れたよ。

それもあっという間に。

全部同じ人だったけど、ソッコーで買い占められた。


まあ姉崎さんなんだけどね?


姉崎さんが来るまでは誰も購入した人いなかったから、

きっとあの人だけの流行なんだろうなぁというのはわかったん。


あぶなかったね。

不良在庫とかうちみたいな店はマジ勘弁だから。

姉崎さまさまです。




ついでに他のヘアピンとかどうですか?

いらない?

あ、そですか。

ちなみに萌絵さんは服を買いに行きません。

呼びつけます。家に。

なんで買うのにこっちがわざわざ行くの?って思考。


まぁ翔太に呼ばれたらホイホイ行くんですけど。

むしろ呼ばれなくても行くまである!

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