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燻る夢に月を添えてたべる
夢は決して拾ってはいけない。
それはかつて五線譜であったが,
直ぐに腹を下してしまうものだよ。
夢は決して拾ってはいけない。
とたんに火傷を負ってしまう
いつでも燻るものだからだよ。
今宵はひとしきり,おぼろげな月だから,
冷めたミルクは要らなかった
さびしさはガジュマルの木
孤独は備忘の宿木として
つま先はよもや水に浸されて
けれども雨期はすぎたらしいし,
今宵はひとしきり,おぼろげな月だから,
あなたのことを
胸に秘めておくことができそうだ。