醜悪な男
掲載日:2026/07/21
暗い気分のときの妄想。
――同期の小説が賞をとった。
その知らせをニュースで伝え聞いたとき、俺はどう思っただろうか。
素直に祝福してやったのか?
いや、違うだろう。俺は嫉妬したんだ。
なんで――。
「あいつなんかより、自分のほうが。」
口に出かけたその言葉を、無理やり飲み込む。
ショックを受け、苛立ち、自分を責めて……。
幾度か繰り返してやっと、俺は自分の醜さに気づいた。
一度気づいてしまったらもう手遅れだった。
次第に、全身の力が抜けていった。
目線が下がって、背中が曲がって、指がスマホを離す。
ぼんやりと画面が割れないといいけど、そんなことを考えているととうとう膝が床についた。
――ガクン。
醜悪な自分を見つけてしまった男は崩れ落ちていった。
作者的には嫉妬くらい普通にするのではと思うのですが、彼はそんな自分が許せなかったようです。




