宿題
ショウの体がスカスカになる。
「次にここから飛び降りてみよう」
ショウは自分が学校の屋上にいることに気がつく。
「分かった」
「飛ぶときには下ではなく遠くを見たまえ」
先生に言われた通り遠くをながめ、ショウはジャンプした。
トン、体はすぐに地面につく。夢の中なのでもちろん痛くない。
「今夜の授業はこれでおしまい。起きている時も周りの景色や出来事を注意して
よーく観察するように。これ宿題ね」
あたりはボンヤリとかすむ。
ショウは目をさました。
(夢の続きが見れた)
ふあ~とあくびをしながらショウは思い出す。
(まわりを観察かぁ)
夢の出来事を信じるなんてバカバカしいけど、その日の通学路はキョロキョロ
しながら歩いた。
窓から外を見ている猫、ブンブンとぶハチ、格好良い車、工事中の家。
(何にもないって思ったけど、結構あるもんなんだな)
夢の鳥のおかげで学校に着くまで楽しめた。
夢だから飛べる、ではなく夢だから物理法則を少しだけいじって
飛べるってスタンスで書いています。
この回のショウ君にはまだできていませんが自身の密度を下げる
イメージができれば飛ぶことも可能なはず。