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空の飛び方  作者: ノーネアユミ


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19/22

飛べなかったのは

 ショウは暗い室内にいた。


 息が苦しいしなぜか怖い。頭や首がゾワゾワする。


(早く出ないと)


 あせりながら窓から外に出たのに、外にあるのはまた部屋と窓。


(絶対にここから出てやる)


 ショウは次の窓を開ける。その次に立ちふさがる窓も。


 何個か目にやっと空が見えた。




「一人でここまで来れたようだね、えらい」


 隣にはトビナガ先生がいた。


 ショウはえへへと笑う。


 外の空気は気持ちが良い。


 お日様がさんさんと光る砂浜に二人は立っていた。


「安全な場所は見つかったかな?」

「う~ん‥少しは」


 先生はうれしそうに目を細めた。


「探し続けるのだよ、本当に安全になるまで」


 それに、とトビナガは続ける。


「安全な場所にたどり着けさえすれば、空も飛び放題になるだろう」


「え、飛べないのってそれが原因だったの?」


 ショウはおどろくと同時に納得した。


 たしかに保育園にいた時はよく空を飛んでいた。

 小学校に入った後も、今のクラスになる前までは時々飛べていたかもしれない。



「君の心は軽やかさがたりなかったのだろうね」


 トビナガ先生はうなずいて袋を取り出す。


 ショウが駅前で買ったのと同じ袋。中身はもちろんドーナッツ。


 二人は甘いドーナッツをむしゃむしゃ食べた。


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