問題
助けてくれたのはもちろんトビナガ先生。
先生の体はあったかくてフワフワする。
周りも明るくなってショウはホッとした。
「君は‥何か大きな問題を持っているのだね」
先生は真面目な顔でつぶやいた。
「大丈夫だよ。先生のおかげで毎日観察にいそがしいから、学校のことは帰り
ながら全部忘れられるようになったし」
心配させないようにショウが急いで答えると、ギュっと抱きしめられてしまう。
「親御さんは知っているのかい」
「うーん、悪口は嫌だってはっきり言えばいいんだってさ」
そうした結果はさらに悪口が悪化する。
「学校の先生は」
「遊んでいるだけだからゆるしてあげなさい、だって」
それはショウを傷つけて楽しむ遊びなのに。
「仲直りに‥握手までさせられた‥」
気持ちの悪さがショウをおそう。
息がくるしい。
「君には空を飛ぶことが必要だったのだね」
トビナガ先生の後ろにぽっかりと大きな窓が開いた。
「ここから出なくては、背中に乗りなさい」
そして先生とショウは外に飛び出す。
飛翔感がショウをつつみこんだ。
曇り空を切りさいて町の上空を二人はただよう。
ショウは思いきり息をすった。




