08 あってよかった こうだったらよかったのに
さて、次はコロナと暮らしについて
1 乾燥機付き洗濯機よ、ありがとう
今回、一番役に立った電化製品は乾燥機付き洗濯機でした。
梅雨時や冬の時期、いつも役に立っているのですが、今回は特に心強かったです。
洗濯だけでなく乾燥も一台で完結し、寒い日に外に出て干さなくてもいいからです。
体調の悪い時は助かりました。
なお、コロナウイルスは洗濯洗剤で普通に洗濯すれば不活化されます。
またウイルスは70度以上で一定時間加熱すると死滅するそうです。
我が家のものは乾燥はヒートポンプ式なので70度以上にはなりませんが、すでに洗濯で不活化されているということで不安はありませんでした。
2 生活支援物資について
大変に心強かった生活支援物資。おかげさまでネットスーパーの配送までなんとか持ちこたえました。
でも……。
以下の話は都道府県によって違いがあるかもしれませんので御容赦ください。
こんなことを書くのは申し訳ないのですが、生活支援物資は完全ではありません。
一番驚いたのはお粥のレトルトパックがなかったこと。
意外でした。これがあれば食欲のない時、体調が悪い時に、さほど時間をかけずに食べることができるのに。
パックご飯がありますからそれを雑炊にという手もありますが、少し時間がかかります。
身体が辛い時に立ち続けて調理をするのはいかがなものか。
同じ理由でスパゲッティも。茹で時間が8分でしたが、身体が辛い時の8分は長い。パスタソースも別の鍋で温めないといけないし、面倒です。
それからレトルトのカレー。
美味しいし、身体が温まるのですが、喉の痛い人にはどうなんでしょうか。
今回、私も夫も喉はさほど痛まなかったので食べられました。
でも、数年前風邪で喉の痛みが強くなった時は、カレーはしばらく食べられませんでした。
というわけで支援物資は完全ではないことを念頭に、備蓄をしておくことをお勧めします。
パックのお粥、好きな魚や肉の缶詰、果物の缶詰、好きなお菓子……。災害用の備蓄食料にも使えます。
それからアイスクリームも冷凍室に。
熱で食欲がない時、冷たいアイスなら食べられるということがあります。
量は少なくていいので、スーパーに売っている箱入りのものが便利だと思います。あずきバーも箱入りの小型のものでちょうどいい大きさでした。
3 医療保険とMy HER-SYS(マイ ハーシス)
私達は重症化しなかったので医療費は検査費程度で済みました(休日だったので加算はありました)が、それでも陽性判定前に咳止め薬等を買ったり、それなりに負担はありました。
これを補ってくれるのが個人で加入している医療保険です。新型コロナの自宅療養に対しても入院とみなして保険金が出ます。
私も夫もそれぞれ加入していました。
でも、保険金を請求できたのは夫だけ。
保険金が支給されるには実は条件があります。去年の9月25日までは条件はなかったのですが。
その条件とは「保健所への発生届の対象となる方」、すなわち以下のいずれかの方です。
・65歳以上の方
・入院を要する方
・重症化リスクがあり、かつ所定の新型コロナウイルス感染症治療薬の投与または新型コロナウイルス感染症罹患により酸素投与が必要な方
・妊娠されている方
とまあ、ずいぶん条件が厳しくなっています。
これで夫は「保健所への発生届の対象」となったのです。私は条件から外れるので保険金は出ません。
さて、保険会社に保険金を請求するために提出するのはMy HER-SYSの療養証明書です。
これが実は厄介なのです。
My HER-SYSとは陽性者本人がパソコンやスマートフォンで自身や家族の健康状態を入力できる機能です。
保健所から届くショートメッセージにURLとIDがあるので、それを使って登録するのです。
この時点ですでに問題が。
入院を要する方や重症化リスクのある方で治療薬や酸素投与が必要になるほどの容態の人が自分で登録できるものでしょうか。
さらに65歳以上の方(夫はこれに該当します)。幸いにも夫はパソコンやスマホの扱いには慣れていますが、それでも入力や療養証明書の表示にてこずってました。
もっと高齢の方の場合、スマートフォンのショートメッセージや登録に戸惑う方も多いのではないでしょうか。そもそもパソコンやスマートフォンを持っていない方もいるでしょう。
My HER-SYSの療養証明書がなくても他の書類で代用できるものの、保険会社のサイトを見ると、「保健所・医療機関の負荷に配慮し、極力、My HER-SYSによる書類準備をお願いいたします」と書いてあったりします。
My HER-SYSを使って欲しいのなら、65歳以上の方にもう少し優しいシステムにして欲しいと思います。
と、ここまでいろいろ書いてまいりましたが、こんなことが書けるのも、ほぼ治癒したからだと思います。
治癒してもウイルスが身体のあちこちに潜んでいるという研究結果もあるようなので、安心はできませんが。
もしかしたら私や夫の体内に静かに彼らが滞在しているかもしれません。
ただ、比較的軽く済んだのはワクチンのおかげだと思います。
私は子どもの頃に、水ぼうそうとおたふく風邪を経験しています。
その頃はこの二つの病気にワクチンはありませんでした。
どちらも新型コロナよりも私を苦しめました。
水ぼうそうでできたあばたは今も私の頭髪の下の皮膚に残っています。
また数年前には帯状疱疹にかかりました。子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが私の体内に潜んでいて、免疫力が低下したのにつけこんで発症したのです。
おたふく風邪の時は熱が高く、二日ほど記憶がとんでいます。
もしあの頃ワクチンがあれば、あばたもできず、大人になってから帯状疱疹にならなかったと思います。
おたふく風邪で苦しむこともなかったでしょう。
今は二つともワクチンがあるので、私のように苦しむ子どもは減っていることでしょう。
新型コロナもワクチンがあります。
そのおかげで私も夫も比較的軽症でした。
今まで何十回も風邪を引いていますが、一番ひどかった風邪にくらべたらずっとましでした。
(一番ひどかったのは、発症後、咳が二カ月余り続いた風邪、その次は喉をやられて声が出なくなった風邪)
ワクチンについて様々な意見があるようですが、ワクチンがあるだけ新型コロナはましです。
予防できるし、かかっても比較的軽症で済むのですから。
皆様に打ってくださいと強要するつもりはありません。
世の中には体質によって接種できない方もいますから。
でも、ワクチンを接種したおかげで軽症だった夫婦がいることをたまには思い出してください。
そうそう忘れていけないことが。
いくら軽症であっても、熱があったり倦怠感があると、つい我儘になってしまいます。
自分のことで手一杯で、他人に優しくできなくなります。
精神的に不安定にもなります。
そのせいでしょうか、喧嘩にまではなりませんでしたが、その直前までいったことがありました。
「病める時も健やかなる時も」という誓いの言葉をドラマや映画の教会での結婚式シーンで耳にします。
特に気にも留めていませんでしたが、「病める時も」とわざわざ言うということは、「愛し敬い慰め合い共に助け合う」ことが「病める時」はとても難しいということなのかもしれません。
未熟な私の話なので、読者の皆様には当てはまらないかもしれませんが。
最後に現在闘病中の方、後遺症に苦しんでいる方の少しでも早い回復をお祈り申し上げるとともに
新型コロナのために命を失った方々の御冥福と御遺族の皆様に穏やかな日々が戻ることを祈って筆を擱きます。