06 肉が食べたい アイスが食べたい
病院から帰宅してすぐに麻黄湯を服用しました。漢方薬は食前に服用するのが基本です。
この麻黄湯、鼻づまりを改善する効果があるということで、鼻水が少し楽になりました。
漢方は効き目がゆっくりというイメージがありますが、身体に合うとよく効きます。
(余談ですが、足がつった時には芍薬甘草湯が効きます。効き過ぎです。説明書には症状のある時だけ服用し連用は避けると書いてあるので、ちょっとやばい漢方かもしれません)
それはともかく、夕食は数日ぶりの肉でした。
私は鶏肉と大根の煮物の缶詰、夫は鯖の味噌煮の缶詰をおかずにパックご飯を温めて食べました。
食欲はさほどないのでこれで十分でした。
でも、私の脳は満足していないようでした。
缶詰の鶏肉では物足りない、肉が、ステーキが食べたい。
身体は受け付けないのに、頭では肉が食べたいと願っていたのです。
なんとも厄介な身体です。
その夜は37度台の熱だったのでアセトアミノフェン錠のお世話になることはありませんでした。
明けて3日。
私の体温は薬のおかげか38度台になることはなく37度前後をうろうろしていました。
夫も熱はほぼ平熱。咳だけが残っていますが、夜眠れないということはなくなりました。
ちなみに夫に処方された薬は三日分。前日2日の昼で終わりでした。
熱が上がった時だけ飲む解熱剤だけが残っています。
パルスオキシメーターの数値は二人とも正常の範囲内でとりあえず一安心です。
食欲はさほどないので、二人とも食事の量は多くありませんが、三食食べました。
レトルトのチキンカレーも食べました。
残念なことに、チキンはよく煮込まれ過ぎて原型をとどめていませんでしたけれど。
ますます肉が食べたくなりました。
ステーキ、豚の生姜焼き、鶏の唐揚げ、ハンバーグ、牛丼、すき焼き……。
でも、ウイルスのせいなのか、いつもの量が食べられないのです。
買い物にも行けないので肉が手に入らないし。
ネットスーパーのサイトで生鮮食品を注文しましたが、4日、5日の分はすでに注文終了しており、配達可能なのは6日だけ。
昨日のうちにサイトを見ておけばよかった。
後悔しても仕方ありません。
缶詰やレトルトで我慢するしかありません。
食べたいのは肉だけではありません。
熱が上がってくると、なんとなく冷たいものが欲しくなるのです。
アイスクリームが食べたいと。
でも、アイスクリームの買い置きはありません。
冷凍室にあるのはあずきバー一本。
箱入りで買って残ったものですので、サイズはやや小ぶりです。
それでもその時の私には固いあずきバーが救いの神のように思えました。
夫には申し訳ないけれど、最後に残っていた一本をいただきました。
冷たさとあずきの甘さが私の心を満たしました。
そうそう、前回を読んだ方は気になっているかもしれません。
血の混じった痰は出なくなりました。
薬が効いたのでしょうか。
処方されたトラネキサム酸は出血を止める薬ですから。
パルスオキシメーターの数値が正常なところを見ると、呼吸器に異常はないようです。
さて、5日になりました。
夫の療養最後の日です。
この日、私は肉らしい肉をやっと食べられました。
咳以外はすっかり元気になった夫の運転でお昼に〇クドナルドに行きネットで注文、Paypayで支払い、ドライブスルーでチキンのバーガーを受け取ったのです。
店員と現金の受け渡しをすることなく買えたのです。
店員とやり取りするのは商品の受け取りだけ、それも数秒のこと。
双方マスクをしていますから、感染の確率はかなり低いのではないでしょうか。
ネットの力恐るべし。
帰宅後、私はチキンを貪り食いました。
ステーキではありませんが、私は満足でした。
そして、処方された最後の薬を飲みました。
残っているのは38.5度以上になったら飲むようにと言われたアセトアミノフェンだけです。
ところで、これを読んでいる方々は私たちが二人とも床に臥せっているのを想像されているのではないでしょうか。
新型コロナ陽性者だから安静にしていると。
いえいえ、それがそうでもないのです。
実は夫は陽性判定の出た日の午前中、風呂場の換気扇掃除をしていました。
さすがに陽性の出た直後は熱が上がったので、そんなことはできませんでしたけれど。
でも、よほど熱が上がらない限り起きて、あれこれやってました。
作らなければならない書類をパソコンで作ったり、ア〇ゾンプライムを見たり。
私も微熱程度なら洗濯をしたり(正確には洗濯機を作動させるだけですが)、風呂掃除をしたり(38度以上の熱が出ない限り入浴していました)、三度の食事(簡単なものですが)を作ったりしてました。
暇な時は鼻をかみながら駅伝やネットを見たり。
さすがに普段より集中力に欠けているような感じでしたので投稿はできませんでしたけれど。
二人とも起きて日常の家事や用事をこなし、趣味に興じていました。
いつもの六割から七割程度のエネルギーしか出せない感じでしたが。
勿論、マスクをしてのことです。
恐らく私たちはワクチンを打っていたので、寝込んでしまうほどではなかったのだと思います。
打っていなかったらこんなものでは済まなかったでしょう。
おかげさまでチキンを食べた頃から、だいぶ身体の調子がよくなってきました。