表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/8

01 前触れ

このエッセイは事実に基づいていますが、個人の特定を避けるため一部脚色を加えておりますので、ご了承ください。


まず感染前の状況から語りたいと思います。

我が家は私と夫の二人暮らしです。

夫は会社勤め、例年健康診断はほぼA判定の健康体。

血圧や心拍数の数値が低過ぎて医者に心配されるレベル。

たまに腰痛等で整形外科のお世話に。

昨年は肺に陰が見つかりガンか結核かと心配しましたが、全く違う別の病気で半年ほど休職し薬を飲んだら治癒して10月から仕事に復帰しました。

私は主婦、少々中性脂肪が多く多血気味。

薬を飲むほどではないけれど血圧が高め。

時々、尺骨神経痛やばね指に悩まされてます。

要するに二人ともそろそろ身体にガタが出てくる年頃だということです。




コロナが流行し始めて以来、二人とも人混みにはなるべく行かないようにして外出時はマスクをし、用心をしていました。

マスクが不足した時には、キットを購入して夫もマスクを作ったものです。

初めてのミシンという割にはきれいに縫ってました。

今は不織布のマスクを使用しています。




ワクチンは4回受けました。

夫はファイザー2回の後、モデルナ、4回目はファイザー。

私はファイザー2回の後、モデルナ、4回目はオミクロン株対応のファイザー。

インフルエンザワクチンも受けています。

夫の職場は冬から春にかけて多忙になるため、インフルエンザになるわけにはいかないのです。

毎年、会社から社員とその家族のインフルエンザ接種に補助金が出されます。

おかげで結婚以来インフルエンザにはかかっていません。




そんな私たちが新型コロナの陽性になりました。

一体どこからウィルスは来たのか。

そこでまずは昨年末のことを振り返ってみたいと思います。

まず最初の異変は12月の半ばを過ぎた頃のこと。

夫が胸の痛みを訴えました。

息をしたり咳をすると痛いし微熱もあります。

つい三か月前まで肺の異変で難儀していたので、これはおかしい、再発したのかもと思い、お世話になってる呼吸器内科の先生に診てもらうことにしました。

待合室はいつものように混んでいました。

老人の患者が大声で何やらわめきながら歩き回っていました。

マスク無しです。

じきに家族の方に連れられて行きましたが、ちょっと恐ろしくなりました。

夫のほうはCTを撮った結果、全く肺に異常はありません。

先生の話では肋膜に癒着があって、それが引っ張られて痛むのだろうということでした。

帰宅後熱が上がりましたが、翌日にはだいぶ下がりました。

胸の痛みも治まりました。




数日後、すっかり調子がよくなった夫と墓掃除に行きました。

帰りはお昼近かったので、ファミリーレストランに入りました。

こういう場所では食べたらすぐ店を出るのが鉄則です。

この日、近くの席ではマスクをしていない爺様が仲間と大声で話に興じていましたので、私たちはいつも以上に早く食べて店を出ました。

田舎だと、店員と客が知り合いだったりするので、マスクについて注意がしづらいのでしょうか。

あるいは人手不足でそこまで手がまわらないのか。




夫の身に異変が起きたのは三日後の仕事納めの夜のことでした。



(背景色 白緑(びゃくろく)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ