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#2.5 中編

「ハーフリングが消えた魔法陣がこのような場所に繋がっているとは…。全く世界は広いな…」

 解説しよう…。

(する必要があるのかは…。突っ込まないでいただきたい…)

 ハーフリング(スノー)が、街外れに施されていた魔法陣を使用してるのを見て、追跡してみたら(モードレッドの)古城に転送されたのだが、このような場所へ私 (ランスロット)は初めてきた。魔洞窟の中にいかにも雰囲気のあるこのような城が建っているとは感慨深いものだ。世界は広くまだ未開の地があるに違いない…。

 いやいや…。

『魔法陣って、人は使えませんでしたよね…』

『魔力がない人はね…。最近、魔力を宿している人間は数少ないからね。まさか、スノーくんが連れてきたのが、魔道に優れているランスロット王とは…。魔法陣を踏みさえすれば、転移魔法が勝手に発動するだろうね…』

 以前、ヴィヴィアンは魔法陣で移動したが、魔力を保つ主人や私と一緒に転移するのは問題ない。スノーはハーフリングである。僅かではあるが魔力を宿している。

 前もって聞いたモードレッドの説明を要約すると、スノーが帰りの魔法陣を使用した際、違和感を感じたモードレッドは門外へ施されている魔法陣を確認に行った。まず、スノーが転送され戻ってきたのだが、程なくして、ランスロットもその魔法陣から現れた。

 モードレッドはランスロットのことを一方的に見知っていたので、すぐにログレス国王ランスロットだと気づき、追い返すことも可能ではあったが、後々、人間との摩擦が起きてもいけないと思い直して、応接室に通したそうだ。

 加えて、モードレッドは主人とランスロット王の関係性を知っている。幾度となく、先の大戦の話をしているのだし、主人の名前、会話の端々から、主人がランスロット王の王弟だと推測するのは簡単だ。主人も隠しているわけではない。言葉を発することができないので、皆、知らないだけだ。

 主人を配慮して、私だけが呼びだされたのだろう。

『何で…。魔法陣は誰でも使える仕様なんですか?城へ誰でも侵入できるのは警備に問題ありでしょう?』

『正直言って、誰が来ても私に勝てるわけないよ。だから、自由に行き来できるようにしているし…。本来、あの魔法陣は見つけにくいものなんだ。魔法陣が使ったものを覚えるから、一度でも通れば、辿りやすくはしているけどね。魔法陣が少し緑色に浮かびあがるんだよ』

 確かに、モードレッドが作成した魔法陣は、近くまでいけば、綺麗な緑色が発光して地面へ紋が刻まれる。

『記憶機能なんて…。さすが魔王…』

 私は口で棒を咥えて、必死に魔法陣を描かないといけないのに…。悔しい…。

『魔王って呼ぶのはやめてよ。実力は…。それほどでも…。あるけどね』

 謙遜という言葉を知らないのか…。モードレッドよ…。

『ですが、モードレッド様は攻撃魔法を使えないでしょう?』

 この魔王は歴代最強と言われるだけあり、魔法の威力破壊力は半端ない。ただ、モードレッドはコントロールができないので、人ひとり攻撃するだけで、世界を破滅に導くかもしれない…。

 世界は言い過ぎかな…。一国は軽いだろうけど…。

 本人もそれを自覚しているので、攻撃魔法を一切使用しないのだ。

『うん。まぁ…。そうだね…』

 何故か言いにくそうに(正確にはテレパシーを躊躇うかのように)モードレッドは続けた。

『ここだけの話なんだけど…。この城は悪意を持ったものが侵入してくると、亜空間へ迷いこませて、グルグル回って一生閉じこめちゃう仕掛けがあるんだよね。だから、何かしようと企んでくるものには容赦ないんだよ。元々の城の主人と私の血縁には動作しない仕組みなんだけど…。城の持ち主は…。悪意からは縁遠い精霊だし…。私の肉親はみんな死んじゃったからね…』

 それって…。私も何なら亜空間で彷徨うかもしれない一匹なんじゃぁ…。

 私はたまに…。否、かなりの頻度で、モードレッドに悪意もって接しているからだ。

『マーリンは大丈夫だよ。きっと…』

 私の沈黙の意図を察したらしい。

『だって、今まで大丈夫だったじゃないか…』

 事後、報告というのですよ…。これは由々しき問題です‼︎

「これはこれは…。視線でやり取りしているようにも見えるが…。念話でもしているのかな?」

 テレパシーで会話を繰り広げていた私たちへ視線を投げて、目の前の今差し迫っている由々しき問題が口を開いた。

 くっ鋭い…。一国の王ともなると観察眼が違うのだろうか…。

「そういうわけではありませんよ。お茶が冷めましたか?新しいものを用意しましょう」

 青色のガラステーブルに白磁のティーカップが二脚置かれており、モードレッドには並々とランスロットには半分くらいの紅茶が残っていた。

「いやいや…。結構…。折角、淹れてもらったものを無碍にしたくない」

 ランスロットは優雅に指を伸ばしてカップに触れる。

 おや…。王様なのに…。貴方も勿体ないおばけを信じている方ですか?

「それよりも…。あの男と一緒にいたブラックドッグだね?」

「何のことでしょう?どこにでもいるただの犬ですよ…」

 おいっ…。こらっ…。誰がただの犬ですって⁉︎

 モードレッドは態とらしく、私の毛並みを頭から背中あたりを何度も撫でおろす。

 物申したいのだが、ケンカになりそうなので、ここは芝居を打つことにした。

 尻尾を徐に振って舌を出す。

 心地良さそうなただの犬…。

 でも、王は私をブラックドッグだと言っていた。ただの犬でないことはバレバレなのだが…。

『マーリン‼︎何で⁉︎ランスロット王と会ったのは、一瞬だけだったって言ってたよね‼︎』

 なるほど…。動揺しているんだな…。モードレッド…。

『そうですよ』

『だったらどうして、マーリンのことをアーサーと連れ立ってたブラックドッグって確信しているのさ。こっちは有耶無耶にしようと試みているのに…』

 いつも冷静なランスロットが青褪めている。

 ランスロットの主人への溺愛ぶりは世間に広く知れ渡っている。生きていることを知れば、無理矢理でも連れて帰ろうとするだろう。

 主人の身元が割れれば、連れ戻されることを危惧しているのだろうか…。

 アルムの小屋のただの居候であれば、主人をいつでも訪ねれるが、ログレス王ランスロットの王弟ともなれば、立場上、魔王が頻繁にキャメロット城へ足を運ぶことは難しい…。

 主人のことになると、平静を失うことがありますね…。モードレッドは…。

 私も負けず劣らずですけど…。こればかりはね…。キャメロット城へ戻るなんて選択肢を主人が選ぶわけないのに…。

 ふと、カップから顔をあげたランスロットが、モードレッドの表情に気づいた。

「どうかしたのか…。顔色が思わしくないようだが…。すまぬ‼︎誰かおらぬか‼︎」

 モードレッドを配慮したランスロットは、大きく手を合わせて叩く。何事かとゴーレムが顔を覗かせた。

「いえ、大丈夫です。ご心配には及びません…」

『モードレッド様…。ここは、体調が優れないことをアピールして帰ってもらった方が良かったのでは…』

 視線が交差する魔王とブラックドッグ…。

 そして、いそいそと退出していくゴーレム…。時遅し…。

『しっ…しまった…』

 失態ですよ…。モードレッド…。

 動揺を読みとられてはいけない。モードレッドは慎重に質問を選んだ。

「…何故。その男がここにいると思われるのですか?」

「まずはそのブラックドッグだな。元々、希少な精霊であるし…。そのような凛々しい面構えのブラックドッグは一度見たら忘れられぬ。素晴らしい毛並みだ」

 あの一瞬でそこまで認識していたとは…。

 私が先日出会ったとき、ランスロットには垣間見られた程度だ。主人の退散に伴って、すぐにあの場を離れた。

 どうよ‼︎モードレッド‼︎王の私への評価は妥当だ‼︎

『ちっ!』

 むぅ…。テレパシーで逐一舌打ちしなくても良いんじゃない?

「ですから、これは私が飼っているただの犬ですよ」

 まだ、言うか⁉︎

 だが、私もその言葉に従い、相変わらず尻尾を揺さぶっていた。

「何を言う…。貴公も相当な…」

 悪よのう…。

と、ランスロットの台詞が続くことを私は期待したが、予想は裏切られる。

「魔力の持ち主と見た。今は抑えているようだが…。あのゴーレムたちの魔力源は貴公であろう…」

 そうだから、気配を辿って、モードレッドの居場所を特定できなかったのだ。ランスロットが転送される寸前で、モードレッドは気配を隠したのだろう。

「ふっ…。何のことだか…」

「まぁ、良かろう…。だが、このような立派な城の主人なのだから、ただの人ではあるまい…」

「ご想像にお任せいたしますが…。こちらからはお伝えすることはございません」

 二人の攻防戦…。冷静さをお互い装っているが、見えない火花が散ってる。

「うむっ…。それはこちらが勝手に来訪し、無礼を働いているにもかかわらず、丁寧にもてなしてもらっているのだから、構うことはない」

 ゴーレムが使用人として働いているあたり、普通の城ではない。

 人ならざるものと薄々気づいているのに、準備されたものを疑いもせずに口にするというのは、豪胆といって良いのか、無謀というべきなのか…。

 モードレッドに気を逸らされて、中断していた話の続きをランスロットは進める。

「アーサーという男のことだが…。男が滞在していた宿屋に忘れ物があってな。聴取を行ったときに中身を改めさせてもらった。お菓子作りの道具で珍しいものが多々あったが、武器などはなくてな。あのような手練れの荷物ではなかろうと、皆は言ったのだが…。私は気にしてしまったのだよ。それで、何日か見張っていたところ、あのハーフリングが受け取りに来たんだ。それで、跡を尾けたわけだ」

『暇かよ…』

 おやおや…。モードレッドらしくない悪態ですね。

 私はテレパシーで聞こえているが、ランスロットの耳に入っていない。

 一国の王がそれ程、暇であるはずがない…。モードレッドも承知している。ランスロットはそれでも多忙な時間を割いて確認したかったのだろう。

「それは、私がとある男に依頼して購入したものです。先日、貴方の仰っていた宿屋に忘れてきてしまったと話していたので、あの子に頼んで取りに行ってもらったのです」

 モードレッドの口からすらすらと戯言が出てくる。敢えて名前は伏せたまま伝えた。

「では、そのとある男に会いたい…」

「彼は簡単にはつかまらない人でして…」

「だが、貴公は

『男に依頼した』

と私に言ったね…。簡単につかまらない男に、おつかい事なんて依頼をするだろうか…」

「…面倒くさい」

 モードレッドが短く呟く。同感ではあるが…。

「んっ…。何か言ったかな…」

 モードレッドがチラリと私へ視線を送った。珍しい…。何の目配せだろう…。

「彼は私の恋人です。貴方のような美丈夫に引き合わせたくはありません」

 一瞬…。私の頭の中が真っ白になった。

 以前、スノーがヴィヴィアンを牽制した技を思いだす。しかし、スノーの戯れとは全く空気が違う。

 いやいやいやいやいやいやいや…。

 何を血迷ったことを言っているんだ‼︎モードレッド‼︎ふざけるのも大概にしろっ‼︎私の主人に対して‼︎無礼旋盤‼︎そこに‼︎そこに‼︎なおれっーーーー‼︎

 心の中では雄叫び狂っていたが、だが、ここで平静を失ってはいけない。今までの温厚で気立の良い犬の演技が無駄になる…。

 だが、私はずっと振り回していた尻尾をモードレッドへぶつけて、抗議の意を唱えた。

『痛いよ!マーリン!』

『またまた、魔王様とあられる方がこんな事で痛みを感じるはずないでしょう…』

『仕方ないだろう…。こうでも言わないと…』

「貴公は男性であろう…」

 ランスロット王はやはり洞察力に優れているようだ。

 モードレッドは女性に見紛うほど、可憐な美しさを誇っている。月光のような煌めきを放つ真っ直ぐに伸びた金髪。碧い湖面へ優しく落ちた木漏れ日のような虹彩を宿す瞳。真っ白な肌は滑らかで艶めく。一般人はこのモードレッドの容姿に惑わされる。

 本日は立領で身体の線を浮きだしになっている長めの白上衣、ゆったりとしたシルエットの同色のパンツを着こなしている。襟から胸にかけての青薔薇の刺繍は見事なものだ。

 まぁ、背は主人よりも少し高いですし…。所作は品やかですが、歩き方が颯爽としていて凛々しく、胸圧はありますけど、胸が真っ平なんだから男性だと分かると思うのですよね。どうして、皆、懲りずに騙されるのでしょうか…。

 あっ…。私は匂いで雄雌の区別がハッキリと分かります。何せ、ブラックドッグなもんで…。

「男性が男性を愛してはいけませんか…」

 モードレッドは芝居を続けているのだろうか…。それとも本気で話しているのだろうか…。

 正直なところ、モードレッドの主人に対しての発言は色々と物議を醸しだしてはいるが、友愛だと思っていた。もしくは、家族への愛情を何故か主人に追い求めているようで…。だが、魔王の心中など私が分かるはずもない…。

「いや、構わない…。恋愛は自由だと思っている…」

 寛大なお言葉…。ありがとうございます。

 それは異種間でも宜しいですか?私、人型にもなれるようですから…。

 親族からの許しを得て、主人と添い遂げられるかもしれないという希望に胸が高鳴るが、プブリウスが私を人型にする魔法は禁じられてしまったので、何か他に手立てを講じねば…。

「では…。やはり…。あの者はアーサーではなかったか…。アーサーは女性が恋愛対象だった…」

 はいっ…。主人の恋愛対象はがっつり女性ですが…。

 私、微力ながら努力してみせます。

 主人が私の心の意志を聞いたならば

『オレの意向も汲んでくれ』

と言われそうだ。

 分かってますよ…。主人…。モードレッドへの対抗意識を燃やしただけです。本心ではありませ…。いや、やっぱりあるかな…。

「恐れながら、アーサー様とは?」

 モードレッドは白々しく、ランスロットに尋ねた。

「私の弟だよ…。おや…。まだ、名乗っていなかったかな…。私が誰か知っていて、丁重にもてなしてくれたのだと思ったのだが…」

 ランスロットは頬を手に乗せて、余裕のある笑顔を湛える。

「私の名はランスロット…。ログレス王国の王である。アーサーは弟だ…」

 相手に身分を見抜いていることを知られているのだ。王だと名乗ったランスロットを今更モードレッドは気に留めることもなかった。

「ログレス国王ランスロット様の王弟はお亡くなりになられたと伺っておりますが…」

「そうだな…。だが、遺体がなくてな。信じられんのだよ…。粉々に要塞が瓦礫と化していたのだから、見つからなくても仕方ないのだが…。まだ、どこかで生きていそうで…。先日、会った男の眼差しが…。身長、体躯が似ていてな…。名前も同じであったし…。風貌は全く違っていたんだが…」

 ヴィヴィアンの元から立ち去るとき、主人は顔を背けて、ランスロットと目を合わせてもいないが、ランスロットは一瞬で主人の特徴を捉えたようだ。外套で覆っていても主人のスタイルの良さは隠しきれないらしい…。

 主人は高身長であるが、だからといって、主人の身長で個人の判別はつきにくい。体格は確かに神が与えたもうたと称賛できるほど、立派なものではあるが…。それで懸念を抱くとは…。ランスロットは相当ブラコンを拗らせている。

 主人は闇の精霊女王であるニムエ様の加護を授かったため、太陽の日差しのような黄金の髪、萌ゆる新緑を連想させる瞳が闇色へ変貌した。

 それはそれで黒々した艶やかな髪も、黒曜石のような底知れぬ深い闇色の瞳も囚われるほどに美しい。

 だが、主人の纏う雰囲気は人に恐怖心を与え、怯えさせる。

「左様でございますか…」

 モードレッドは素っ気なく答える。ランスロットは首にかけていたペンダントトップを指で摩りながら笑って口づけた。

「あぁ、悪あがきであろう?」

 その一連の行動を不思議に思い、私はランスロットを見上げる。ランスロットが私の視線に気づきペンダントを手から離した。ペンダントトップが微かに胸元で揺れた。

「今日は王弟殿下を…。似た男をお探しに来られたのですか?」

「そうだな…。それが一番の目的であったが…。アーサーではないにしろ、会わせてはもらえぬだろうか?どんな男か、興味はある…」

「彼は惚れやすい体質でして…」

 そんな体質でしたっけ?主人…。

 嘘も方便とはいえ、散々な言われようである。

 まぁ、誤解を受けるにしろ、女性には常に優しく紳士的ではありますが…。

「申し上げたように、貴方のような見目麗しい方に会わせるほど、私は寛容ではありません。それに、彼は宿屋に忘れ物をしただけです。貴方の仰るアーサー様に似た男だと特定できないのでは?」

 静かだがキッパリとした口調でモードレッドは断言する。

「貴公ほど麗しくはなかろう?」

 それは、モードレッドほどではないにしろ、王自身が見目麗しいと認めているんですよね?

 あぁ、やだやだ…。こちらにも謙虚という言葉を知らない方がお一人…。

 確かに、ランスロットも精悍な顔立ちで多くの女性の心を掴んでいるのだろう。熱く逞しい胸元に抱き寄せられたいという女性は数多くいそうだ。涼しげではあるが、人好きのする柔らかく和やかな目尻が印象的で魅了される。

 街中で目立たないよう騎士仕様の服装である分、勇ましく見えるが、高貴な印象は隠せない。

「気が多い人なんです…」

 モードレッドは根気強く断っている。

「ならば…。依頼をさせてもらえないだろうか?その男はヴィヴィアン嬢の願いも聞き入れてくれたであろう…。貴公の頼みにも応えてくれている。報酬は払おう」

 ランスロットも負けじと引き下がらない。

「彼が…。そのヴィヴィアン様の願いを受けた男だと限らないではありませんか。承服しかねます」

 ヴィヴィアンはどこまでランスロットに話したのだろうか…。モードレッドの古城のことをランスロットへ伝えていないと良いが…。

 何度も拒むモードレッドに、ランスロットは大きくため息をこぼした。

「男に会うことは諦めよう。だが、依頼を受けるかだけ、聞いてはもらえないか?私の王妃グィネヴィアの行方を探してほしい…」

 モードレッドは絶句した。

「彼女は出産直前に私のもとから去って…。消息不明なんだよ。方々探しているのだが、6年経った今も何ら手がかりが掴めないのだ…」

 ランスロット王よ…。貴方は男が主人だと疑っているうえで…。どこまで主人を翻弄するおつもりですか…。

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