僕は君が嫌いだ
今日も暑いな」
俺は、身長が低く容姿も普通である夏美にそう言った。
でも彼女は何も答えてくれない。
2週間前にデートしてからずっとこんな感じだ。
クレープ食べて、映画を観て、一緒に手を繋いだ。
その日までは彼女は笑っていた。
そして休みが明け学校に着いて話しかけてみると、ずっとこんな感じだ。
ずっと彼女はとても辛そうな悲しそうな顔を焦点が合っていない目で天井を見つめていた。
でも、自分自体もなんか?この日常に違和感を感じていた。
まあ、気のせいか?そんな風に思っていた。やはり彼女が心配だ。
そんな彼女に俺は「クレープ屋また行こう」スルー。彼女は猫が好きだから彼女にこう言った。
「ペットショップ行こうよ」彼女は一度振り返ってこちらに向かって来たが、僕のことなど居ないかの様にスルーし目も合わせず教室に戻っていった。
そんなある日僕は学校の帰りに彼女の家に行くことにした。
しかし「居留守を使われるとまずいな」そこで彼女を家までつけることにした。
こうすれば、居留守を使われないで話すことができる!
そして授業が終わり夕陽が出ていた。
そして彼女の帰り道を追いかけた。
時に電柱、時にゴミ箱の後ろなどとまるで探偵みたいだなっとクスクス笑ってしまった。
そしてまた、ん?っと不思議な違和感だ何か見落としている様な、彼女が道を曲がってしまったのですぐに追いかけた。
あれ?夏美の家って反対じゃないっけ?っと思った時彼女は霊園の門の中に入っていった。
ん?家族の墓参りかっと思い霊園の中に入り不謹慎ではあるが、彼女にバレない様に人様のお墓の後ろで彼女を観ていた。
どこかで見たことある墓だな?っと思っていて彼女の方に視線を戻すと彼女は泣いていた。
「ごめんね」「ごめんね」っと謝っていた。なぜ?自分の家族の墓に謝るのかっと思っていたその直後、俺は金縛りにあったこの様に動けなくなっていた。
「〇〇くんごめんね」なぜ?俺に謝っている?ん?見たことあるっと思った墓は俺の墓だった。
「ふふっ」(笑)
そういうことか、これで全て繋がった。
電柱の時もゴミ箱の裏に隠れていた時の違和感も全てわかった。
泣いている彼女に歩いて近づいた、彼女は泣いている。夕日もそろそろ沈むなっと空を見た後に地面を見たそして影がない自分は彼女にまた一歩近づいた。
彼女が「私があの時猫なんか助けなければ」っと言った時全てを思い出した。
自分はあのデートの帰り彼女と手を繋いで歩いていた。
そして道路の真ん中に猫が足を怪我してうずくまっていた。
猫が好きな夏美は当然助けに行き道路に飛び出してしまった。
バスが爆走ですぐ目の前に来ているのも知らずに。
そして、轢かれそうになった彼女を俺が助けたわけか、、、、まあアニメでよくある死に方だなっと思った。
僕は彼女の隣に立ち手を握ろうとした。彼女の手と僕の手は交じり合うことなくただ、空中へただ投げ出されるだけだった。
そんな現実を僕は涙声で
「まあ、繋げるわけないよな」っと呟いた。完全に夕日が沈んだ後、雨が降った。空は雲一つない夜空の中僕の目からはポタリ、ポタリと滴る雨の水滴が地面に落ちていった。
彼女は僕の墓石に〇〇っと僕の名前を呼び水をかけてくれた。
そして彼女の目から一粒の涙が流れた。
俺は涙を流しているそんなお前が嫌いだ。