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<第二十章>エピローグ

それでは、毎回のことながら次作の宣伝ということで。

__________________


尋獄3(GENESIS CRADLE)


ディエス・イレ対イミュニティー決着。


 イミュニティーへの総攻撃を行う直前、ディエス・イレの本部は突如謎の部隊の襲撃を受け壊滅した。

 誰もが予想だにしなかったその事件から二日後。

 黒服の総帥である白居と、イミュニティーの代表である六角に繋がりがあることを知った巳名截(/曲直悟)は、六角が所有する屋内人工都市「常世国」へと来ていた。

 ディエス・イレの壊滅。六角と白居の関係。

 調査を進めるうちに、截は行方不明となっていたある人物の姿を目にする。

 ディエス・イレのボス。東郷大儀だ。

 そしてそれを境に、常世国のあちらこちらから無数の感染者があふれ出し始める。

 東郷を止めるべく奔走するうちに、截は懐かしい二人の人間と再会する。

 そしてその出会いは、彼らの運命を、未来を。ひとつの方向へと導いていた。



 最終章前編、尋獄3(GENESIS CRADLE)

 どうか投稿時にはこちらもよろしくお願い致します!

<第二十章>エピローグ



 水憐島から少し離れた海岸。島と直結している橋から見て、斜め数百メートルにあるこの位置に、丁度水から這い上がった一人の男がいた。

 男の名前は岸本源一。今日一日の事件をその身で体験した一人だ。

 付けていたマスクを外し、背負っていた潜水具を脱ぎ捨てると、一仕事終えたかのように彼は大きな伸びをした。

 あの時、悠樹たちが阿修羅を倒した直後。岸本は魚人の集団に襲われ、死んだ。少なくとも、悠樹たちからはそう見えていた。

 だが、彼は死んでなどいなかった。彼のことを良く知っている人間ならば、彼がそんなことで死ぬわけがないことは分かりきっているだろう。

 彼は「計画的」に彼らの死角に己の身を滑り込ませ、ワザと死の瞬間を悟られないようにし、それを偽造した。魚人が覆いかぶさった瞬間、死んだのは彼ではなく、魚人自身だった。

 彼は、岸本は、本来ならば最後まで生存者たちと一緒に行動するつもりだった。だが、途中であることに気がつき、態々実力や姿を偽ってまで潜入していた努力を捨てた。

 そして横谷広に仕掛けていた小型盗聴器から知った潜水具を利用し、こうして島を脱出したのだ。

 髪の毛を結んでいた紐を解き、長めの髪を垂らす。そしてそこに染み込んだ水を切っていると、目の前に明かりが点いた。

 二台の黒いバイクだ。

「遅かったな」

 岸本は両手を腰に当て、不機嫌そうにバイクの持ち主たちを見る。

「こっちにも色々とあったんだよ。大体、お前に手助けなんか必要ないだろ。らしくない」

 声をイラつかせながら、その内の一人、若い男が文句を言った。

「クスクス、お前たちが来ないからまんまと草壁に逃げられた。殺すつもりだったのに」

 作ったような笑顔をその男に向けながら、岸本は腕を組む。

「はあ、何言ってんだ?」

 先ほど文句を言った男とは別のバイクの主が、透き通るような綺麗な声で聞き返した。

「何でもないさ。それで、色々あったて、どういうことだ?」

「キツネ。あんたがディエス・イレに売っぱらった博士が、紀行園で一大事件に巻き込まれたんだよ。この馬鹿が勝手にそれを助けに向ったんだ」

「高橋博士が?」

 綺麗な声の主、翆の言葉で岸本は、いや、キツネは意外な事実を始めて知った。

 ――横谷広は草壁が別の仕事をしていると言っていた。僕から逃げたことを隠すためのでたらめだと思っていたが、あの女の姿が何処にも見えなかったのはその所為か? ……まあいい。

「面白そうだな。後で詳しく教えてくれ」

 何が起きようとも、自分の企みを阻害することは出来ない。今回駒として利用した横谷晶子のように、全ては自分の思うがままだ。

 キツネは誰に見られるとも無く口元を緩めると、静かに背後の水憐島を振り返った。

「そう、全ては十五年前のあの時から」

 悪魔よりも悪魔らしい、ニヒルな笑みを浮かべながら。

 全てを知り尽くしているかのような目で。

 燃え盛る水の牢獄を、嘲るように見つめた。

 

 




 ご読了ありがとう御座います。

 尋獄3の執筆は他の小説の修正が終了次第、行います。

 投稿時には是非そちらの方も読んで見て下さい。

 それでは、ここまで読んでくれた皆さん。

 本当にありがとう御座いました。

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