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第3回目~第3821156回目

***




 とまあ、こんな感じで、転生が始まって最初の頃は酷いもんだった。

 転生したら即死。

 即死したら転生。

 たまに即死しないかと思ったら、窒息と凍結で15秒じっくり首を絞められる。


 砂漠や凍土に覆われた星に転生することもあった。

 即死はしなかったが、あれは……ん?


 ……いやいや。

 ふふ、そう来たか。

 とんでもない。むしろ逆さ。


 確かに、砂漠や凍土の世界ではしばらく生存できることが多かったな。

 しばらくといってもせいぜい数分程度だが。

 けどね……そこでは、その星の有毒な大気が全身をゆっくり犯し、眩暈、耳鳴り、幻覚、最後には割れるような頭痛に苦しめられながら死ぬことになる。

 舌を噛んだり喉を掻き切ったりしても、すぐに死ぬことはできない。

 言ったろ、人間の体ってのは頑丈なんだ。


 ぞっとするだろう?

 基本的に、即死できない分だけ酷くなると思ってくれていい。


 例えるなら、君が昨日没頭していたものと一緒だ。

 ソーシャルゲームの、なんて言ったっけな。

 そう、リセマラだ。


 君は確か、10連ガチャで最高レアのキャラクターを二人同時に引こうとしていたね。

 チュートリアルが長い、怠いと文句も言っていたな。

 それと一緒だ。

 転生とは詰まるところ、最高レアの環境条件を同時に引き当てられるかどうかにかかっている。

 下手に生存してしまうと、その分だけ苦しんで死ぬことになるし、人間が生存するために最適な環境条件ってのは二つなんかじゃ収まらない。


 酸素。

 気圧。

 温度。

 重力。

 食料に水。


 細かいものを挙げ始めればキリがないね。

 うん、10連ガチャでゲーム内全ての最高レアを同時に引けと言われるようなものかな。

 君なんて、昨日は結局引けなかった上にデータ通信量を制限されていたじゃないか。

 はっはっは。情けないったらないな。




***

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