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炎の魔法使いを追って  作者: oga
式神
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ケース2 その1

「次は~、ぬりかべ~、ぬりかべ~」


 早朝8時。

ロウは通勤に使う電車、物ノ怪ラインに揺られ、職場へと向かっていた。

各駅で一反木綿駅、ぬりかべ、かぐや月姫女学園前と通過し、目的地のシンジョクク警察署前駅で下車する。


(もののーけーたちーだけ~)


 発車のメロディに合わせ、ロウは心の中で口ずさんでいると、

 

「ねえ、聞いた? 紫式部のメンバーが……」


「あ、聞いた聞いた、ヤバいよね!」


 女子高生らがかん高い声で喋るのを耳にして、ロウは眉間にしわを寄せた。


(っせーな)


 もう一駅の辛抱。

次のかぐや月姫女学園前に停車すると、どっ、と女子高生が降りる。

一気に車内がガラガラになった。









「おざーす」


 シンジュクク警察署の殺人課。

ここがロウの職場で、8:30から朝礼が始まる。

現在、8:29分で、いつもこの時間を狙って出社する。


「ロウ、すぐ出ろ。 お前の好きな焼死体だ」


「えっ」


 ドアを開けて早々、向かいの机に座っていた署長にそう言われた。

今日は何やら慌ただい雰囲気で、新人のウエハスが携帯を投げてよこしてきた。

それを右手でキャッチする。


「先輩、1番の携帯で」


「お、おう」


 大柄の署長は、相棒を付けるからとある一軒家に向かって欲しい、と言った。

エドが自分の席からキーを投げてこちらによこす。


「おっと」


 左手でキャッチし損ねると、鍵が床を滑る。


「オラ、ボサッとすんな。 車で相棒が待ってるから、急げ」


「んだよ、相棒って、お前じゃねーの?」


 訳も分からず、住所の書いてある紙切れを受け取り、駐車場へと向かう。

すると、見覚えのある顔が、パトカーの前に立っていた。


「……お前、何してんだよ」


 車の前に立っていた男は、先日逮捕されたおかっぱの男、ムロだった。

ムロは、殺人罪で3年の禁固刑を言い渡されていたが、主犯のサッキュバスに操られていたなどの理由から、もし警察の捜査を手伝うのであれば、刑期を短くしても良い、という審理を受けていた。


「なので、よろしくごぜーやす」


「……」

 



 

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