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炎の魔法使いを追って  作者: oga
魔法使い
4/15

ケース1 その3

(魔法使いを自称してんのに、小1で習う魔法しか使えねーのかよ)


 ロウは、思わずズッコケた。

ダンボも温度を上げる魔法であり、火に関連はしている。

しかし、人体発火を起こすのに必要な温度は、少なくとも200℃。

たかだか10℃、周囲の温度を上げた程度では、意味が無い。


(……いや、待てよ)


 先程の焼死体発言といい、どこかクサさを感じさせる。

そう思ったロウは、ムロに質問を投げかけた。


「すいませんけど、もう少し時間いいすか? いくつか質問したいんで」


「何なりと、聞くが良い」


「早朝8時は何してました?」


「7時半に目覚め、顔を洗い歯を磨く。 テレビでニュースを見て、8時ジャストには家を出ましたね」


 ペラペラと淀みなく自分が朝何をしていたのかを説明する。

まるで準備していたかのようで、更に怪しさが増す。


(ヤベ、もうコイツが犯人にしか見えねーわ)


 胡散臭さ満載だが、犯人と断定するには早すぎる。


「えーと、死んだ黒焦さんとの関係は?」


「ただの隣人、ですかね。 ちょっと怖い人、くらいには思ってましたが。 あ、でも彼女はかわいいな、って」


「あ、それ、分かります」


 そんな話はどうでもいい。

とりあえず、黒焦カズオとの関係は無い、とのことだ。


「じゃあ最後に、その杖の効力は?」


「……」


 さっきまでヘラヘラしていたムロの表情が一瞬、固まる。

それをロウは見逃さなかった。


(痛いとこをついたか?)


 しかし、すぐに気を取り直してムロは説明を始めた。


「こっ、これは、魔法を補助する杖。 威力を2倍まで引き上げマス……」


(……2倍、か)

 

 それでも、20℃までしか温度は上がらない。

質問をし終えると、ムロは101号室へと戻っていった。










 夜、部屋のソファで横になりながら、スマホを操作。

ロウが見ているのは、アマ〇ンのページである。


「……あった、コイツか」


 ムロの使っていた杖と同じ物を発見。

値段は29800。

先端に丸い玉が付いており、長さは1メートル程度。

魔法の威力を2倍にするが、消費MPも2倍、とのことだ。

評価は平均星4.2と高い。

レビューを流し読みしていると、気になる項目を発見した。


「別売りのドラゴンヘッドに交換すれば、威力は10倍、だと!?」


 ロウは、思わず起き上がった。

先端の玉を竜の頭に交換することができるらしい。

もしムロが、このドラゴンヘッドを持っていた場合、ダンボでも200℃まで温度を上げることが出来、人体発火を起こすことが可能である。


(まてよ…… まさかっ)


 頭の中で、バラバラになったピースがはめ込まれていく。

ダンボ、ドラゴンヘッド、テンプテーション……


「……分かったぞ」

 

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