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俺は特攻隊員として死んだ  作者: Saisen Tobutaira
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緊張のあまり

朝早く目が覚めた。晴子さんとの待ち合わせは、19時にカフェの前だ。本当は昼過ぎまで寝て、勉強しようと思っていたが、緊張のあまり早く目覚めてしまった。


とりあえず日課にしている新聞を読み始めた。


日本人の居場所、減ってきたなあ……


新聞や日常生活から日に日に、そのように感じるようになっていた。今日の新聞には後に満州事変と呼ばれる出来事の始まりが書かれていた。新聞の論調から察するに、日中の衝突はますます本格化していくだろう。それに、どうやらアメリカは中国の味方をするらしい。


どうか日本よ、アメリカにだけは宣戦布告しないでおくれ


俺は心の奥底からそう望んでいた。なぜならニューヨークに住んで、アメリカの偉大さを肌に感じ、絶対に勝てないと確信していたからだ。そもそも日本とは全てが違う。規格外なのだ。


なんだこの高層ビル群は……


なんだこの工業地帯は……


なんだこの車の数は……


なんだこの身体の大きさは……


俺が初めてアメリカに来た時の感想だ。まるで高層ビルは天まで届くのではないかと思ったほどだ。大通りは車で埋め尽くされ、工業地帯に一歩踏み入れればまるで、別世界に来たよう感覚だ。そして、身体も日本人の倍ぐらいある。日本の大男がアメリカでは標準よりも少し小さい位の感覚だ。


もちろん、清を破りロシアを破った日本軍の勇敢さや強さも知っている。アジアで唯一の常任理事国だということも。しかし、それなりに損害を与えることはできるだろうが、アメリカには絶対に勝てない、絶対に勝てないのだ。


俺は新聞を読み終え経済学の勉強に没頭した。緊張を紛らわすには勉強が一番だ。俺はひたすら勉強に没頭し、待ち合わせの時刻が近づき家を出た。


「こんばんは、晴子さん」


「こんばんは。お食事楽しみですね」


その日の晴子さんも美しかった。美しさと可愛いさを兼ね備えており俺には高嶺の花だ。


なんとしてでも……


時折冷たい視線を感じながらも俺達は、華やかなニューヨークの街を歩いていた。

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